2023年8月15日火曜日

アカデミック・アクティビスト宣言

『武器としての国際人権』(藤田早苗著、集英社)を読んでいたところ、「アカデミック・アクティビスト」という言葉に出会った。

「社会に起きている問題を何とかするために研究者としてどうインパクトを与えられるか、ということに関心を持つ研究者」を指すという。

「これだ!」と私は膝を打った。

振り返れば、ジャーナリストでありながらアカデミズムにも足を突っ込んだ私は、「メディアをめぐる日本の人権状況を改善したい」との思いから、数本の論文を書いてきた。

なかでも、
「児童ポルノ規制の新たな展開ー創作物をめぐる国内制度の現状及び国際比較による課題ー

「性暴力表現を巡るカナダ法と人権」、

「性情報をめぐるデジタル・シティズンシップ教育の展望」

を書き上げた時点で自らの集大成のように感じ、すっかりプチ・リタイアの心境に陥っていたことは、本ブログ愛読者のあなたならご存知であろう。

しかしいま、改めて日本社会を見渡してみると、特にメディアの性表現をめぐる人権状況について、大きく改善しているとは思えない。

ならば私も、論文で示した提言を社会で実現すべく、動きださねばならない。

「国の中に入って活動してほしい」との御要望も一部の方々から頂いているが、私は選挙戦は性に合わず(愛想がないし)、かといってデモやロビー活動のように手足を動かすことにも向かず(体育は2だし)、粛々と書いたりしゃべったりしていくことになろう。

まずは不同意性交罪が施行されたことを受け、この秋は、「不同意性交を防ぐ性情報リテラシー教育」を指導できる人材の育成をスタートする。

そんなわけでこれからオラのことは、アカデミック・アクティビストと呼んでけろ(←『あまちゃん』の見過ぎ)。

 

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2023年7月21日金曜日

「性的同意とSNSと人権」講演(高校生向け)

『SNSとの上手な付き合い方〜お互いの人権を大事にするために〜』と題して、講演を務めた。

和歌山県内の高校による「インターネットと人権」教育のイベントで、2年生300人あまりが対象。その大半は男子生徒。

主催者の方はこちらの記事をお読みになったらしく、
「これから社会に出る高校生が身につけておくべき、ネット社会を生きる人権感覚として、LINEやSNSを使ったコミュニケーションで人権を意識すべき事を紹介してほしい」
とのご依頼であった。

夏休み目前でもあり、生徒たちが性暴力の被害者にも加害者にもならないよう、こんな内容をお話:

・LINEやSNSの特徴
・SNSがトラブルを招きやすい理由(「ネットいじめ」を例に)
・SNSリテラシーとは
・2大トラブルの現状とリテラシー
 ーリベンジポルノ・自画撮り被害
 ー性情報の誤解(誘い方編・避妊編)
・被害の相談先
 
ちょうど今月「不同意性交罪」が施行されたので、その概要も解説。

若者の間で同意のない性交が当たり前とされがちな背景には、メディアが発信する「誤解だらけの性情報」の存在がある。
性情報をうのみにせず、自分の頭で読み解くメディア・リテラシー(性情報リテラシー®)を身に付けることで、「性的同意」をしっかり取れる人間になってもらいたい。
特に男子はアダルトメディアを目にする機会が多いので、この点を教えることは大事。
 
夏休み前にSNSの危険性と性被害の状況を知る事ができ、良かったです」と主催者の方。
高校生のみなさん、イロイロ気をつけてハッピーな夏を!
 
ちなみに今回の講演は、和歌山といえどオンラインだった。
機会があれば、熊野古道などを巡ってみたいものである。


【参考文献】


『性情報リテラシー』(渡辺真由子著)
Amazon Kindle版
PDF版






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2023年7月7日金曜日

『メディアが子どもに与える影響と対策』講演(幹部教員向け研修)

『メディアの表現が子どもに与える影響~情報に潜んだ真意を見抜く~』と題して、講演を務めた。

千葉県教育研究会の合同研修会にて。

県内から、小中学校の校長ほか管理職員の方々、約100人がご参加。

・メディア・リテラシーとは? 
・メディアが子どもに与える3大影響
 -ジェンダー
 -いじめ
 -LGBTQ
・メディアに左右されない子どもを育てる

……といった内容を、解説させて頂いた。

「お話を聞きたいと、職員たちからお名前が挙がっていました」
「非常に分かりやすくお話頂き、とても勉強になりました」

と主催者の方。恐縮です。

今回の講演は、参加できなかった教職員の方々のために
YouTubeで限定配信されるとのこと。

最近はこのように映像化されることが増えてきて、
何かと気を抜けない(ナニに?)。

ちなみに千葉県といえば、昨年も教職員組合で
『ネットいじめと大人の役割』について講演させて頂いた。

「子どもの人権」を尊重することに、熱意をもって取り組んでおられる県とお見受けする。

お世話になった皆さま、ありがとうございました!


【参考文献】


『オトナのメディア・リテラシー』
渡辺真由子著

 

 

『大人が知らない ネットいじめの真実』
渡辺真由子著







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2023年6月20日火曜日

「G7で日本だけ②」子どもの性と国際人権

小学生が強制性交等の犯罪被害にあった認知件数が、2022年は132件と、前年に比べ2割近く増えたことが明らかになった。中学生に至っては213件と、4割近い伸びである(警察庁、2023)。

なぜ、子どもの性被害は増える一方なのか。その背後に何があるのか。

前回述べたように、今月は日本が議長国となってジェンダー問題を話し合う、「G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合」が開催される。

これを機に「子どもの性と国際人権」への理解が深まるよう、 以前に週刊誌『AERA』でインタビューにお答えした内容を初公開しよう。

 

<日本の性・暴力表現は基準があいまい。「世界基準」へ、作り手が変わらねば>

Q.クールジャパンと称される日本のマンガやアニメについて、表現に関する日本の常識と、海外での常識はかなり違うのか

A.例えば日本で人気のマンガ「ワンピース」も、欧米では流血シーンでの血が消されていたり、ヒロインのミニスカートが、ひざ下の丈になっていたりする。「ドラえもん」のしずかちゃんが入浴するシーンでは、しずかちゃんが水着を着ていたり。

Q.日本の性表現や暴力表現の基準は、他の先進国に比べると緩いのか

A.日本は基準があいまいだ。放送法や民放連(日本民間放送連盟)が放送の基準を設けているが、具体的に何をやってはいけないのかということは、あまり書かれていない。例えば民放連が定める性表現の基準のうちの一つに「性に関する事柄は、視聴者に困惑・嫌悪の感じを抱かせないように注意する」とあるが、どこまでの表現が、困惑と嫌悪の感じを抱かせないかは、難しい。

日本だと、結局のところ、性的な部位の映り方が問題になる。多少、性的な仕草をしていても、性器が強調されていないなら、ある程度着衣をしているなら、児童ポルノではないと判断されることもある。

Q.では、性表現や暴力表現について、メディア規制を厳しくしている国と日本とだと、何が大きく違うのか

A.創作物を規制しているかどうかだ。イギリスやフランスだと、子どもを性的に虐待、搾取する表現を含む創作物の所有などを禁止しているが、日本だと、アニメやゲームなどに実在の子どもが登場しなければOK。もちろん日本での性表現の基準をクリアしなくてはいけないが、実は、日本は国連から何度も、アニメやゲームにおける女性や子どもへの性表現が人権を侵害していると、勧告を受けている。でも改善していない。

Q.人権意識の高い社会にするために、まず何が必要か

A.メディアにおける人権侵害の表現に、規制を設ける必要もあると思うが、まずはメディアの作り手が変わっていくといい。どの表現が人権侵害になりうるのか敏感になり、人権を侵害するようなコンテンツを作ってはいけないという意識を、作り手が持つべきだ。

(『AERA』2016年1月18日号、朝日新聞出版/一部修正)

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2023年5月16日火曜日

【G7で日本だけ】「児童への性的虐待は娯楽」とする描写物が合法の国 ~AI時代に子どもをどう守るか①

 

今月開催されるG7広島サミットに鑑み、G7で日本だけがLGBTの権利保障がないことが問題視されている。

実はもう1つ、日本だけが取り組んでいない国際人権課題があるのをご存知だろうか。 

実在しない子どもを性的に表現するマンガやアニメ、ゲーム等の描写物(創作児童ポルノ)をめぐる対策である。

「クールジャパン」として世界的な人気を誇る日本製コンテンツの影の部分として、今回のG7サミットに前後し、改めて国際的な注目を集める可能性がある。

折しも6月には、日本が議長国となってジェンダー問題を話し合う、「G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合」が開催予定。

本サミットが、子どもの性の尊厳が守られる日本社会へ向けた契機となることを願う:

 

<論考>
【G7で日本だけ】「子どもへの性的虐待は娯楽」とする描写物
が合法の国 G7サミットを前に、国際人権課題を考える~

小学校の教室で、男性教師が女児たちと次々に性行為をしている。
男児が家庭教師の男性に下半身をもてあそばれ、調教されている。
ランドセルを背負った女児が男性たちに車に連れ込まれ、性的暴行を受けている。

このような表現を、私たちはいま……続きを読む

 

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2023年4月7日金曜日

TBSラジオで「SNS迷惑動画とリテラシー教育」(出演)



 新年度が始まりましたね。

今月から我が子にスマホを持たせた、という保護者も多いことだろう。
さて、ネット・トラブルへの対策は万全だろうか?

すっかりご報告が遅くなったがTBSラジオで、「子どものネット・リテラシー教育」をテーマにお話した。

『アシタノカレッジ』という番組内の、知育・教育分野の専門家が語るコーナー「オヤノココロコシラジ」にて。お相手は蓮見孝之アナウンサー。

回転ずし等の迷惑動画をはじめ、様々なSNSトラブルがいまだなくならないのはなぜか。

ネット・リテラシーが、「教える側」の大人にも不十分なためである。

問題投稿の犯罪性を強調するだけでなく、子ども達がなぜ投稿したがるのか、その対策はどうあるべきかまで、まずは大人が理解しておくことが求められる。

番組ではネット・リテラシー教育について、6つのポイントに分けて解説した(YouTubeでも視聴可):

 子どもをネットから守るリテラシー

 








親がまずはSNSを知るために










SNSによって進化したいじめとは?










押しつけにならないような言い方を









トラブルから守る力の教育









迷惑動画をあげてしまう罠










さらに、細かくはこんな内容を:

・学校現場での情報モラル教育の課題は?

・ともすれば子どもの方が詳しいソーシャルメディアについて、親が教えられることとは?

・SNSと子ども達はどう付き合っていけばいいのか 

家庭でも出来る、ネットのルールを学ぶ方法は?

日頃からの子どもとのコミュニケーションで重要なことは?

・親である大人が知っておくべきネットのルールは何か

・実社会とネット上の常識との違いを、子ども達が学ぶにはどうしたらいいか

・ネット・リテラシー教育に関して、国や地域が取り組んでいる動きは?

・よりよい未来のためのインターネットとの付き合いかたとは?

子どもの教育のことを日々考えている親御さん達にメッセージ

 

……こう並べてみると、結構な数であります。
詳しく知りたいあなたは、参考文献をどうぞ:


『大人が知らない ネットいじめの真実』(渡辺真由子著)






 『リベンジポルノ~性を拡散される若者たち~』(渡辺真由子著)


 




『子どもの秘密がなくなる日~プロフ中毒ケータイ天国』(渡辺真由子著)

 

 




ちなみに私はTBSラジオをほとんど聞いたことがないのだが(スマミセン)、今回の出演を知ったベトナム在住の知人から「現代技術を駆使していつも聞いてます!」と連絡があった。その人のオランダ在住の知人もヘビーリスナーだとか。

愛されてますね、TBSラジオさん☆


 

 

 

 

 

 

 

 

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