2018年5月29日火曜日

「# Me Too」の大学講義@青学

青山学院大学で、
社会問題となっている
「#Me Too」に関する講義を行った。

昨年も務めた、
「ネットと性のリテラシー」をテーマとする
ゲスト講義の一環。

「今年は#Me Tooの問題についても
学生に啓発してほしい」との
大学側からの御依頼であった。

私は
全国初のセクハラ裁判の原告女性を
約20年前に取材した者として、
#Me Tooの動きにも注目してきた。

講義では、
「#Me Tooのリテラシー」として、
・被害者にも落ち度?
・受け流すのが大人の対応?
・はめられた?
・セクハラ罪はない?
・男性は被害に遭わない?

といった点を取り上げ、解説。

学生たちからは、
「普通の授業では聞けないことが知れて良かった。」
「#Me Tooについて掘り下げて学べるいい機会になった。」
「セクハラ被害が一生ものということを再認識した。」
「これから自分が社会に出ていく上で、
 学んでおくことが出来て良かった。」
……などと感想が。

性に関するトラブルは
社会人だけでなく、
学生同士のコンパなどでも起きる。

学生たちには
出来るだけ早い時期に
こうした問題について理解をしてもらうことで、
被害者にも加害者にも、そして加害者を煽る傍観者にも
なってほしくないと考えている。

<参考文献>
『性情報リテラシー』
https://www.amazon.co.jp/%E6%80%A7%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BC-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90-ebook/dp/B00GUCH44C/ref=as_sl_pc_tf_mfw?&linkCode=wey&tag=mediaw-22
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2018年5月17日木曜日

新潟女児殺害事件とマンガ・アニメの性表現

新潟市で小学2年生の女児(7歳)が殺害された事件で、
死体遺棄容疑で逮捕された人物は
少女が登場するマンガやアニメ、ゲームを好んでいたことが
報じられている。

本件がわいせつ目的かどうかは現時点で不明だが(*)、
子どもを狙った性犯罪に関し、
子どもを性の対象として描く創作物(「創作子どもポルノ」)を
加害者が愛好していた事例は、これまで度々報じられてきた。
2000年代以降だけでも、
そのような事例は少なくとも6件発生している
(拙著『「創作子どもポルノ」と子どもの人権
~マンガ・アニメ・ゲームの性表現規制を考える』で紹介)。
この現実から、私たちは目を背けるべきではない。
(*追記:新潟地検は2018年6月25日、新潟女児殺害事件の容疑者が被害児童にわいせつ行為をする目的があったとして、強制わいせつ致死の罪などを加えて起訴した)

一方、創作子どもポルノをめぐってはかねて
「気持ちの悪い表現だから規制せよ」
「いや、規制は表現の自由の侵害だ」といった
意見の対立が続いてきた。

だが、こうした観点からの議論は、
実は本質からずれている。

創作子どもポルノ問題の本質とは、
「子どもを性の対象として描く表現そのものが、
子どもの性的搾取であり、子どもの人権侵害に該当する」
という点にこそある。

果たして、創作子どもポルノ問題を
「人権」の観点から考えるとどうなるか? 
さらに、グローバルに視野を広げれば、
創作子どもポルノ対策の「国際規範」とは
どのようなものなのか?

詳しくは『「創作子どもポルノ」と子どもの人権
~マンガ・アニメ・ゲームの性表現規制を考える』
ご確認下さい。


 

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2018年5月9日水曜日

世に問う意図『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』

5月8日付の朝日新聞朝刊に、
私の最新刊
『「創作子どもポルノ」と子どもの人権
 ~マンガ・アニメ・ゲームの性表現規制を考える』(勁草書房)
の広告が掲載された。

https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%89%B5%E4%BD%9C%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%80%8D%E3%81%A8%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%A8%A9-%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%80%A7%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E8%A6%8F%E5%88%B6%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90/dp/4326451130/ref=as_sl_pc_tf_til?tag=mediaw-22&linkCode=w00&linkId=e421071d8896cd9a7ef3fdd0efbbdc0a&creativeASIN=4326451130

一面の下の、いわゆるサンヤツと呼ばれるスペースですね。
限られた文字数でいかに本の特徴をアピールするか?
と担当編集者の方と知恵を絞り、
「表現と人権。」というキャッチコピーに落ち着いた。
まさに、本書の内容を端的に表している。

日経新聞の広告欄にも本日(9日)掲載されたようなので
ご覧頂いた方もいるかもしれない。

せっかくなので今回は、
私が本書を世に問おうと考えた意図をご紹介しよう:

------------------------

~マンガやアニメの性表現規制を「人権」から考える~
2014年6月、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(以下、「児童ポルノ禁止法」)の第2次改正が成立した。

改正前の児童ポルノ禁止法は実在する子どものみを保護対象としたが、改正案を共同提出した自民党と公明党、日本維新の会は「子どもの人権を守る視点も重要」として、実在しない子どもを性的に描くマンガ・アニメ・ゲーム等の表現物(以下、「創作子どもポルノ」)についても、改正法施行後3年をめどに必要な措置をとる検討規定としていた。

 だが、創作子どもポルノの創作業界や愛好家、さらには有識者までが加わった強い反対論が沸き起こり、同規定は第2次改正に盛り込まれなかった。

一方、児童ポルノ規制に関する近年の国際条約は、創作物を規制対象に含む傾向にある。アメリカやイギリス、カナダ等の諸外国でも、創作子どもポルノを犯罪化するための法改正等が実施されてきた。国際社会は日本を、創作子どもポルノを製作する主要な国として名指し、それらの違法化に踏み切っていないことを批判している。
創作子どもポルノの規制について、日本ではこれまで、国内法における「表現の自由」の観点からの議論が中心であった。しかし、創作子どもポルノ問題の本質は、それが子どもへの性的搾取であり、「人権」の侵害に該当するという点にこそ存在するのではないか。子どもの性に関する人権保護へ向け、日本の規制状況が国際規範とは取り組みを異にするという現実を直視した議論は、ほとんど行われていない。

果たして、国際条約及び諸外国は、どのような枠組みで創作子どもポルノを規制しているのか。日本と国際条約及び諸外国の制度で、児童ポルノ規制について異なる視点は何なのか。また、日本の現行法の枠組みでも、創作子どもポルノは規制出来るのだろうか。

本書は従来の議論と一線を画し、人権の観点から日本に求められる規制の方向性を提言することで、読者に価値判断の新たな材料をもたらす。

 


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2018年5月2日水曜日

「全国初のセクハラ裁判から10年」と現在

セクシュアル・ハラスメントに関する問題が
なにかと騒がれている昨今。
日本で初めてセクハラ裁判が起こされたのは1989年、
いまから約30年も前だったことをご存知だろうか。
当時の経緯はこちらで詳しく紹介されている。

裁判から10年後の1999年、
当時テレビ局報道記者だった私は、原告女性を取材した。
その女性は事件以来初めて、テレビカメラの前に顔を出し、
自分の思いを語ってくれたのだった。
取材内容はテレビ朝日『ニュースステーション』で放送した。

あの時、取材者として私は
セクハラ問題に対し様々なことを考えたが
こちらで述べている)、
あれから約20年が経っても、社会はほとんど変わっていない。

当時、原告女性の夫は
テレビの前で語ることを強く拒んだ。
「周囲の眼があるから」というのが理由だった。

セクハラの被害者は、何も悪くない。
しかもその裁判で、被害者側は勝っている。
それなのに、被害者に好奇の目を向けることで
その口を閉ざさせてしまう、私たちの社会の未熟さを痛感した。

そして、さらに約20年が経ったいま。
相変わらずセクハラ被害者の多くは、
表立った発言を自粛せざるを得ない状況にある。
むしろ、自粛の程度は強まったといえよう。
ネット上ですぐに特定され、個人情報をさらされ、
誹謗中傷を浴びせられるからだ。

これは、私たちの社会において
「被害者を責める」価値観が
依然として変わっていないことを意味する。

では、
社会を変えるために必要なことは何なのか?

これについて私からは幾つかの提案があるが、
詳しくはまた機会があれば。



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