2012年12月28日金曜日

大分でネットいじめ講演

大分県養護教諭研究協議大会にて講演を行なった。
主催は、大分県学校保健教育研究会。



小学校・中学校の校長や養護教諭約450人へ向け、
ネットいじめの現状と対策や「性的いじめ」の問題について
お話させて頂いた。



養護教諭の方々は中学生の妊娠など、性の問題にも日々直面し、対応を模索しておられる。
『性情報リテラシー』 読みます!」との声も多数頂いた。
お役に立てれば幸いです。

Photo_3



・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
 リテラシー教育はどうあるべきか?

  ⇒メッセージ&目次 







ちなみに大分で頂いた関サバやカンパチは
脂がのっていながら身が締まっており、
地酒「鷹来屋」とよく合い、美味しゅうございました。





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2012年12月21日金曜日

進研ゼミ高1教材で「生まれ変わるなら男?女?」

ベネッセが発行する進研ゼミ高1講座の教材『My Vision』12月号で、
「生まれ変わるとしたら男と女どっちがいい?」という特集が組まれた。
私もコメントしている。



高1会員を対象としたアンケートによれば、
「男がいい」は58.3%、「女がいい」は41.7%。
高校生の頃から「女性は損」という考え方が染みついているとすれば
残念な結果である。



これに対し、
女性代表として私が以下のようにコメント
(男性代表は京都大学大学院の伊藤公雄教授)。



ちなみに進研ゼミといえば、
地方公立出身で塾ギライの私は
散々お世話になった記憶がある……。



----------------------------------



進研ゼミ高1My Vision:「生まれ変わるなら男?女?」





<質問1>現代の社会では、いまだに「男性優位」の風潮を感じる場面も多くあると思います。このことについてどのようなご意見をお持ちでしょうか? またそれはどんな場面でしょうか。





 「女性が強くなった」と巷では言われますが、現実はまだまだ男性優位の社会です。例えば、デートDV(交際相手からの暴力や精神的支配)の被害経験がある高校生は女子が33%で、男子より10%以上も多いことがわかりました(NPO法人「ウィメンズネット・こうべ」調べ、2011)。「女は男に従うもの」「愛があれば女を殴ってもいい」等の誤った思い込みが、若い男女の間にも浸透しているのです。





<質問2>これからの時代、女性が果たす役割や、活躍できる場はどのように変化していくと思われますか? 



 世の中の半分は女性なので、「同性のニーズ」を汲み取ることが出来る女性は重宝されます。東日本大震災では、避難所のリーダーが男性ばかりだったため、女性の必要とする物資が届かなかったという反省点がありました。今後は災害現場や、女性に役立つ情報を伝えるメディア、性犯罪被害の相談窓口など、同性のために活躍することを期待される場が広がっていくでしょう。



 <質問3>女性ならではの強みとはどのようなものだと思われますか?



 総理大臣は常に男性、政治家も9割は男性というこの国で、女性は「マイノリティ(社会的少数派)」と呼ばれる存在です。権力を持ちにくいからこそ、同様に弱い立場である障害者や高齢者、子どもの気持ちに寄り添えることが強みです。弱者へ配慮する眼差しは、「誰もが生きやすい社会」を作っていく上で非常に重要です。 



<質問4>男女差はなくなるべき、もしくは男女それぞれの強みを生かしていくべき、どちらのご意見をお持ちでしょうか。またそれを実現するために我々はどのような意識を持つべきだと思われますか?





 女だから、男だからという理由で、人生の選択肢が狭められてはいけません。「やりたいこと」をやれる機会は、男女同等に与えられるべきです。その機会をつかんだら、男女それぞれが自分の個性や才能を存分に生かしてほしいと思います。そのためには企業や保護者が意識を変えることが必要です。例えば就職活動では、女性の方が試験の成績が良いにも関わらず、「出産したら辞めるだろうから」と落とされるケースが目立ちます。出産後も仕事を続けられる環境を企業が整えなければ、女性たちは子どもを産む気がなくなり、少子化が進む恐れがあります。また保護者も、「女の幸せは結婚」「男は一家の大黒柱であるべき」等の偏った価値観を我が子に押し付けていないか、振り返ってみましょう。



 <質問5>「生まれ変わるなら男性派」の高校生に向けたアドバイスをいただければ幸いです



 「男性の方が生きていく上で有利」と思いがちですが、実は男性ならではの「生きづらさ」というものがあります。「男なら有名大学に進んで、大企業に入ってバリバリ稼ぐのが当然」と思われているだけに、そのルートから外れてしまった男性は「負け組」の烙印を押されがちなのです。周囲からのプレッシャーに耐えかねて家から出られなくなる男性も多く、「ひきこもり」の7割は男性が占めているのが実態です(東京都調べ、2008)。「男らしさ」にとらわれるのではなく、「自分らしく」生きるためにはどうすればいいかを考えてみましょう。 



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Photo


参考文献:『性情報リテラシー』


高校生にとってメディアは「性の教科書」です。

 ⇒メッセージ&目次



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2012年12月16日日曜日

「いじめ報道と人権、メディア・リテラシー」by関西テレビ

大阪の関西テレビ『テレビのミカタ』でコメンテーターを務めた。
テーマは「いじめ報道と人権に関わるメディア・リテラシー」。



いじめ問題を14年間にわたり取材してきた立場から、
被害者を取材する際に注意すべき点や
加害者を取材する難しさについて、お話させて頂いた



特に加害者取材については、
少年ということでメディア側も自粛する傾向がある。



だが私としては、
過度に配慮して報道を控えると、
加害者が反省の機会を与えられず
本人のためにならないと考える。



いじめの再発防止へ向けて、問題点を社会で共有するためにも、
加害者と保護者の声を伝えることは必要だ。



ちなみに、関西テレビがこのように
メディア・リテラシーを取り上げる番組を作り始めたのは
「あるある大事典」による不祥事がきっかけ。
いまでは局内に、全国で初めてとされる
「メディアリテラシー推進部」を設けているという。



今回の収録分の放送は
あす16日(日)の午前6時半~7時。



関西エリアでのオンエアですが、
宜しければどうぞ!



なお、「マスコミのいじめ報道が学校を叩く理由」については
以前に『週刊ポスト』でもコメントしている







*子どものいじめには「性」を悪用する
「性的いじめ」も多発しています。
メディアが発信する性情報とも無縁ではありません:



Photo_2


 『性情報リテラシー』 渡辺真由子著

 ・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、

  自らの性意識・性行動に
どう反映させているのか?

 ・「性的有害情報対策」として

  リテラシー教育はどうあるべきか?

  ⇒メッセージ&目次





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2012年12月12日水曜日

最新刊 『性情報リテラシー』 発売!

Photo


大変お待たせ致しました!
ついに最新刊『性情報リテラシー』が発売となりました。

本書は電子書籍です。
パソコンでも手軽にお読み頂けるよう、PDF形式としました。

さて、なんと本書は出版社を経由していません。
元々は某大手総合出版社の依頼で書き始めましたが、
「性」や「ジェンダー」をめぐる問題意識に違いがあったため、
取り下げました。

そもそも週刊誌や漫画を発行する大手出版社にとって、
「自分たちが発信する性情報が子どもに影響を与えている」という事実は
あまり広めたくないかもしれませんが……。

取材した内容はその後、全国の新聞で連載
さらに大幅に加筆して、
今回あなたのもとへ届けることが可能になったのです。



私にとっても6冊目の著書にして、このような形態は初の試み。
どうなることでしょう??
まずはあなたに、お読み頂ければ幸いです。



以下、本書概要。



-----------------------------------------------------------


       
         

『性情報リテラシー』 渡辺真由子著 (定価980円)



これまで正面から取り上げられることのなかった

「性情報」をめぐる問題を詳細に語ります。



・青少年はメディアの性情報にどのように接し、

 自らの性意識・性行動に

 どう反映させているのか?

・女子向けと男子向けの性情報の違いとは?

・メディアの性情報の歴史と内容分析

・女子と男子がメディアに求める

 「こんな性情報が欲しい!」

・「性的有害情報対策」として

 リテラシー教育はどうあるべきか



【こんなあなたに、おすすめ】

・「恋愛リテラシー」を高めて、

 パートナーとの性的コミュニケーションを

 ハッピーにしたい方

・性教育や性的有害情報対策に取り組む

 教育・行政関係者&保護者の方



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【目次】



はじめに



第一章 性への目覚めとメディア



1.男子のHメディア遍歴/

 遊び人の子ども時代/ 好みは「女教師もの」

 小五でAV観賞/ ワンクリック詐欺の被害に 

 帰国子女も日本製Hメディアがお好き/ 

 アダルトサイトへの不満

 【アンケート(男子)】 

 ・初めてHメディアに接した時期

 ・頻繁に接するHメディア媒体

 ・Hメディアに接する頻度



 ●コラム 男性向けHメディアの歴史



2.女子が接するHメディア/ 

 H大好き、でも子ども時代は奥手/ 

 過激な少女漫画   

 友人の父のAVを盗み見/ 

 出会い系サイトが流行る

 男子から情報収集/ 女子はAVを借りにくい

 【アンケート(女子)】 

 ・初めてHメディアに接した時期

 ・頻繁に接するHメディア媒体

 ・Hメディアに接する頻度



 ●コラム 女性向けHメディアの歴史



第二章 「誘い方」のリテラシー



1.初体験/

欲望が先走って(男子)

 高二じゃ遅いのかな(女子)

 【アンケート】

 ・性行為の最大の情報源(男子)

 ・性行為の最大の情報源(女子)



2.ナンパ/

 恋愛は面倒くさい(男子)/ 

 「素人ものAV」の効用(男子)

 単発がカッコいい(男子)/ 

 サイクルは二週間(女子)



3.露出服とボディタッチの意味/

 露出は、ヤル気でしょ(男子)/ 

 好きな服を着ているだけ(女子)

 【アンケート】 

 ・女性のOKサインとして参考にする

  メディア情報1(男子・女子)



4.家に来るのは「暗黙の了解」?/

 女性も納得できる(男子)/ 

 テレビ番組を信じたら……(男子)

 勘違いは迷惑(女子)/ 

 「友達」に襲われて(女子)

 【アンケート】 

 ・女性のOKサインとして参考にする

  メディア情報2(男子・女子)



5.女子のノーはやっぱりノーか/

 AVでも女性は嫌がるものだし(男子)/ 

 ホテルまで来たのに(男子)

 断り方に気を遣う(女子)/ 

 本気でノーと言っているのに(女子)

  

第三章 「H実践中」のリテラシー



1.どんなテクニックが喜ばれる?/

 『ふたりエッチ』が大人気(男子)/ 

 本番かその前か(男子)/ 

 顔にかけたい(男子)

 『an・an』のセックス特集は必読(女子)/ 

 男子は『an・an』をどう見るか

 本当は前戯の方が……(女子)/ 

 こんなテクニックはイヤ(女子)

 【アンケート】 

 ・初体験の前に参考にした

  (もしくは、する予定の)

  Hメディア情報(男子・女子)

 ・相手に試してみたいテクニック(男子)

 ・不快に感じるテクニック(女子)



2.その反応、本当?/

 『良かった?』と聞いちゃう(男子)/ 

 演技ですか?(男子)

 私が我慢すればいい(女子)/ 

 恥じらいが好きなんでしょ(女子)

 【アンケート(女子)】 

 ・演技経験の有無とその理由



 ●コラム 女性誌の演技指導



3.避妊、わかってる?/

 膣外射精は避妊じゃない!?(男子)/ 

 自分だけは大丈夫(男子)

 不安を感じながら(女子)/ 

 「着けて」と言えない(女子)

 【アンケート】

 ・避妊情報をHメディアで収集した割合

  (男子・女子)



 ●コラム 五十代以上の女性が読んだ

       「間違いだらけの避妊情報」



第四章 「Hへの不安」とリテラシー



1.男子のプレッシャー/

  リードしなくちゃ/ 

 ●コラム 男性誌があおる「男らしさ」

 長くて大きい方がいい?/ 

 ●コラム 「分身信奉」はこう作られた

 【アンケート(男子)】

 ・Hに関して悩んでいること



2.悩む女子/

 不満を抑え込む/ さっさとイケ/ 

 痩せるが勝ち?/ 脱毛はつらい

 【アンケート(女子)】

 ・Hに関して悩んでいること



第五章 ハッピーな

      性コミュニケーションのために



1.Hメディアはどうあるべきか/

 こんなHメディアが欲しい(男子)/ 

 女子が求めるHメディア/

 「肉食系女子」はうわべだけ



2.性教育にメディア・リテラシーを/

 学校でHメディア分析/ 

 「性」にオープンな家庭作り







⇒『性情報リテラシー』(定価980円)を入手






・【お知らせ】大学客員講義 受付スタート!



 





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2012年12月5日水曜日

12月12日発売!『性情報リテラシー』10.危うい避妊知識

Photo


前回お知らせした最新刊 『性情報リテラシー』の
表紙デザインが完成しました!
女子と男子の恋愛コミュニケーションがハッピーになりますように、との願いを
仲良し象さんに込めて……。

さらに発売日も決定。今月12日です!

今回は電子書籍なので、
出版社を経由しないのです。私にとっても初の試み。

なぜこのような形に挑戦したかというと……

その理由は、発売日に明らかにしましょう。

では、第10回を始めます。ダイジェスト版はこれが最終回!



-----------------------------------------------------------------------
メッセージ 
前回



『性情報リテラシー』10.危うい避妊知識 (新聞連載・最終回)




外に出すのって、避妊じゃないんですか!?
驚きの声を上げるのはケンジ(
関連情報)。「避妊の一種かと思ってました。周りにも、そう信じてるヤツは多いと思います。AVでしょっちゅう、その場面出てくるし」



私が大学生男子に実施したアンケートでは、性交時の避妊方法として膣外射精を利用する者は2割を超した。だが実は、射精前の男性器からも、精子が含まれる液体は出ている。射精のときだけ膣外に出しても手遅れであり、避妊効果はない。



サトシ(関連情報)は、学校の性教育で「避妊にはコンドームを付けるべき」と知識としては学んだ。しかし、コンドームが手元になくても性交をしてしまう。



「大丈夫じゃないかと思ってしまうんです。根拠はないけど、なんとなく。AVを見ていても、コンドームを付ける場面はあまりないですし」



サトシは、「妊娠したら堕ろせばいい」と考えているようだった。中絶手術とは、女性の子宮に長い金属製のハサミのような器具をさし入れ、胎児をかき出す行為だ。これが女性の心と体に多大な負担をかけ、場合によっては2度と妊娠できなくなる可能性があることを、知っているのだろうか。 
「そうなんですか……聞いたことなかったです」



 女子にも、膣外射精の利用者は2割近くいる。



「相手がそういう人だから。大丈夫なのか、少し不安です」
「彼氏はコンドームが嫌いだったので、我慢していた」
「『ゴム着けて』って言って、場の空気が悪くなるのが嫌」



寄せられた声からは、女子たちが相手に流されている様子が伺える。



「彼氏とのHは初回が重要」と強調するのはキョウコ(関連情報)。挿入の前に「もちろんゴム付けるよね」と確認するという。

「コンドームを使っても、途中で破れたりしたら
100%安全じゃないことへの不安は結構あります。怖いからHしたくない、とか思って。だからこそ避妊は最低限のマナー。例え女の子が『きょうは安全日だからゴム付けなくていいよ』と言ったとしても、それを諭すぐらいの男じゃないとダメですね」



ちなみに「安全日」も実は危ない。排卵が必ずしも規則正しく起きるとは限らず、精子は一週間ほど体内で生きていることもある。避妊法としてはあてにならない。



女子の性交は、常に妊娠・中絶への恐怖と背中合わせだ。万が一望まない妊娠をして、心身ともに傷つくのは自分である。よくよく相手を見極め、自分を大切にして欲しい。

エリ(関連情報)は言う。






「うちみたいに偏差値が高い大学でも、コンドームを付ける男子と付けない男子に分かれますね。『大丈夫だよ』って、根拠のない自信があるみたい。お前が大丈夫なんじゃねーよ、みたいな。体が痛むのは女なんだよ、と思います」





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2012年11月28日水曜日

書籍化へ!『性情報リテラシー』9.演技ですか?

*「性リテ」ファンの皆さま、いつも御支持ありがとうございます。
今回はビッグニュースを。



この『性情報リテラシー』の完全版が、出版されることになりました!
しかも最先端の(?)電子書籍として。



・青少年はメディアの性情報にどのように接し、自らの性意識・性行動にどう反映させているのか?
・女子向けと男子向けの性情報の違いとは?
・メディアの性情報の歴史と内容分析
・女子と男子がメディアに求める 「こんな性情報が欲しい!」
・「性的有害情報対策」としてリテラシー教育はどうあるべきか



……等々、これまで正面から取り上げられることのなかった「性情報」をめぐる問題を詳細に語ります。



恋人との性的コミュニケーションに悩む若者のみんなや、
夫婦生活にいまひとつ納得がいかない方々におすすめ。
また、性教育や性的有害情報対策に取り組む教育・行政関係者にとっても、
貴重な資料となるでしょう。



出版時期は年内を予定。
最新情報は逐次ブログに掲載します。
チェックが面倒なあなたはメルマガ配信をどうぞ



では、第9回を始めます。



-----------------------------------------------------------------------
メッセージ 
前回


『性情報リテラシー』9.演技ですか?(新聞連載) 




相手の反応次第で、燃えもすれば冷めもする。性交の最中、男子は女子にどのような反応を期待するのだろうか。



「声を出してほしいですね」と言うのはマサユキ(関連情報)。
「AV女優のような反応があったら嬉しいです。声を出さないと、『あ、出さないんだ』と思っちゃう」



「恥じらい」を重視するのはケンジ21)。有名私立大学の経済学部に通う4年生のケンジは、新聞記者をしている父親の転勤で、小学校2年生までを北米、その後中学校2年生までを東欧で暮らした。国際性を買われてか、ケンジはこの取材の数日後に大手商社から内定をもらっている。



「女性は恥じらうのが普通、っていう認識があるので、『普通』が燃えるんです。漫画やアニメに『女の子はこうあって欲しい』的なイメージが多いから、清純な子への願望はありますね」



私が男子学生に実施したアンケートによれば、「声を出して欲しい」と望む者は75%。「恥じらって」は42%。さらに「『良かった』と言って」が67%に上った。



「良かったかどうか、ほんと気になりますね。フィードバックが何にしても欲しいじゃないですか、就職試験の面接のように」と、就職活動中のマサユキは言う。 

結局は、メディアに登場する女性像を、目の前の相手に再現してもらいたいようだ。だが、現実の女性の反応が虚構だったとしたら……。




「全部、演技でした」



赤裸々に告白するのはアユミ(関連情報)。
「気分が乗らないときは感じているフリをします。場を盛り上げないと、相手が終わらないじゃないですか。だから声をAVっぽく出すんです」




アユミは、彼氏と一緒にAVを見ることが多かった。
AVで描かれる女性像に、自分自身を合わせていたのである。
「気持ち良くないと相手に言うと、傷ついちゃうと思うんです。かわいそうだから、『私が
30分ぐらい我慢すればいい』と考えちゃいますね」



エリ(関連情報 )は「恥じらい」を演出する。
「『ちょっとやだ、恥ずかしい』とか、わざと言うことありますよ。男の子が見る漫画には必ずドジな子が出てきて、モテる設定なんですよ。ドジ踏んで『キャー恥ずかしい』とか言っている子が好きなんでしょ、みたいな」



女子学生へのアンケート結果では、「演技は全くしたことがない」という者は、なんと2割にも満たなかった。演技の内容は、「たいして気持ち良くなくても『良かった』と言う」が57%でトップ。「あまり感じていなくても声を出す」が僅差で後を追う。



メディアを模倣して無理を重ねる女子。しかし、それが相手のためになるだろうか。
「こちらを喜ばせるために嘘をつくぐらいなら、本音を言って欲しい」とヒロト(関連情報)。
演じていては、性をめぐる2人の距離はいつまでも縮まらない。





続く








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2012年11月20日火曜日

「リテラシー強化ゼミ」 間もなくスタート!

メディア・リテラシーに興味津々なそこのあなた、お待たせしました!
以前にお知らせした『リテラシー強化ゼミ』が来月、いよいよ始動します。



「先日のオリエンテーションには都合がつかなかったが
本講座には参加したい」、という方も多数おられたので、
直接参加も可能にしました。



講座では、
「新聞やテレビのニュース報道に潜む罠」や「広告のからくり」、
「メディアの言葉使いの分析」、「インターネット・リテラシー」などを
取り上げていく予定。



さらに……
大学では空席待ちの人気講義 「恋愛リテラシー」も
生で聴くチャンス!



是非あなたも御一緒に、
メディアのあり方を考えていきましょう。



以下は概要。
お申し込みはこちら



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リテラシー強化ゼミ                  
~メディアジャーナリストによる「ニュースを読み取る力」養成ゼミ

                                                
メディアジャーナリスト渡辺真由子&現役テレビ局員による、メディア・リテラシーを強化する講座です。
日々流されるニュースはどのようにして作られ、流されているのか。
どのニュースを信じたらいいのか。ネット上に情報が溢れ続ける現代こそ、ニュースを「読み解く」力が求められます。
それがメディア・リテラシーです。
これまで漠然と見てきたニュースの背景に迫り、社会の問題をどう解決していったらいいのか、みんなで一緒に考えます。

また、現役テレビ局員らがボランティア参加。隔週で、日々のニュースの背景を解説、問題の解決策を話し合います。

学生も社会人も参加頂けます。
1.開始日 2012年12月15日(土)1500~1700
 講義は原則毎週土曜日1500~1700 
(大学の試験期間中は休講)
  全10回

2.講義内容
①メディアリテラシー論 (渡辺真由子講師担当)
メディアの背後にあるイデオロギーやジェンダー表現の問題について、先端のメディア・リテラシー理論を学ぶ。作り手の「意図」を分析することに重点を置く。
講義例)
・客観報道の罠
・広告のからくり
・メディアの言葉使いを読み解く
・恋愛リテラシー
・インターネット・リテラシー


②テレビジャーナリズム論(現役テレビ局員等担当)
日々のニュースから世の中の動きをどう読みとったらいいのか?またその分析の下に、私達はどのような行動を起こしていけばいいのか?実践的に考える。
講義例)
・報道の意義
・記者の仕事
・ニュース原稿の書き方
・取材の基礎
・リポート実践


3.講師
渡辺真由子

メディアジャーナリスト。教育問題や男女共同参画を、メディア・リテラシーの観点から執筆・講演。テレ朝「モーニングバード!」等でコメンテーターを務める。元・テレビ局報道記者&慶応大学講師。全国の新聞にケータイ問題コラムを連載。著書に『子どもの秘密が なくなる日~プロフ中毒ケータイ天国』『オトナのメディア・リテラシー』、『大人が知らない ネットいじめの真実』ほか。
Twitter:  http://twitter.com/mayumania
Facebook: http://www.facebook.com/mayumania

☆他に講師として、現役テレビ局員など

4.受講料 10講義(一括)
社会人  30000円
学生    15000円



申し込む















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2012年11月8日木曜日

岐阜でネットいじめ講演

Photo_3



岐阜県郡上市の中学校で
保護者向けに講演を行なった。



テーマは「大人が知らないネットいじめ」。
ネットいじめの現状、被害者・加害者になる子どもの心理、
家庭でのネット・リテラシー教育のあり方などについてお話した。



終了後、参加した方々からはこのような声が:



・「いじめ」…ネットを始めいろいろと考えさせられました。
特に「加害者ケア」が最優先という事に共感しました。



・今現在、携帯を持っていないからといっても、あと年もすれば携帯・スマホを持ち始めるのは避けられないと思う。親がしなければならない対処法は、勉強になった。



・親が常に子どもに愛情を持ち、気にかけてあげることが大切だと思いました。



・参考になりました。子どもには「PCを使用する際に気をつけて」とは言っているものの、詳しく、どう気をつけなければいけないのかということを話したことがなかったので、一度、話をしてみなくちゃと思いました。今日は親だけの参加でしたが、子どもにもネットの怖さを知ってもらいたいと思いました。



・今のところ携帯を与えてはいないが、与える時は、危険性を伝え、子どもが理解したうえで与えたいと思う。今日は貴重なお話をありがとうございました。



・ネットに限らず、いじめについて聞くことができ勉強になりました。我が子と会話をたくさんして信頼関係をつくっていきたいです。



 



他にも沢山のご感想を頂いた。皆さま、有難うございました!



ちなみに今回、
せっかくの機会なので長良川温泉に一泊。
ちょうど温泉「泊」覧会(長良川おんぱく)の時期で
様々なイベントが開催されており、
私も思わず「クロモジ作り体験」に参加してみた。



黒文字とは、和菓子などを食べる時に使う爪楊枝のこと。
これを自分で木の枝を削って製作しちゃおうというのだ。



自慢じゃないが、彫刻刀を持つのは中学校での美術以来。
内心ドキドキしながら挑戦したが、
いや~意外にガリガリ削れるものですねえ。



山椒のような木の香りに包まれながら
格闘すること1時間、
上の写真のようにクロモジが完成しました!



見た目は武骨ですが、
「味がある」という評価でお願いします。





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2012年11月2日金曜日

「恋愛リテラシー」の大学講義

今年の前期は女子大にて「メディア・リテラシー」の講義を担当した。



講義は2部構成。
まずはニュースや広告、映画を題材にしながら、
メディアが発信する情報をコントロールする仕組みや
私たちの価値観に与える影響について、読み解き方を学んでもらう。
いわば「情報の受け手」としての能力を高めるための内容だ。



続いて、
自分たちでも実際にテーマを決めて取材をし、
プレゼンテーションをしてもらう。
「情報の作り手」として、効果的な発信の手法を学ぶのである。



この大学の教壇に立つのは昨年に続き2期目。
果たして学生間のクチコミ効果なのか(?)、今期は昨年比3倍の受講希望者が集まり、
抽選になってしまった。外れた皆さんには申し訳ない。



さて、一連の講義の中でも好評だったのが
「恋愛」をメディア・リテラシーの視点で読み解くものだ。



・メディアは「恋愛」をどう描くか
・女子と男子によるメディアの恋愛情報利用の現状
・女子向け、男子向けのメディアの恋愛情報に潜む誤解
・恋愛情報のズレが引き起こす女男間の「性コミュニケーション」のズレ
・「デートDV」被害に遭わないために



……といったことをお話。
学生たちにとっては非常に身近なテーマでもあり、
その後のレポートで、「私もこんな体験をしたことがあります」と
打ち明けてくる学生もいた。



『恋愛リテラシー』の講義は今後も開講予定。
他大学での講義についてもお受けしている

なお、
メディアの恋愛情報に踊らされた女子と男子のトラブルについては、
私が現場で取材したルポを刊行



学期終了後、学生たちからは沢山の感想が寄せられた:



・「面白い授業内容で、ためになる事がたくさん学べた」
・「内容が理解しやすくて良かった」

・「メディアについて知らない事が沢山あって驚いた」
・「とても楽しかったです!もっとこういう授業を持って欲しい」
・「講義がわかりやすく、女性目線で面白かった」
・「非常に面白かった。興味深い内容ばかりで、もっと掘り下げて聞いてみたいと思った」
・「メディアに対する考え方が少し変わった」
・「メディアが行なう印象操作について知れて面白かった」
・「メディアの裏側や意図しているものがわかった」
・「発信者の経験が出来て面白い授業だった」
・「情報は操作できるのだと知った」
・「大学の講義を受けないと聞けないような内容だったので満足した」
・「メディアに対する目をもっと養おうと思った」
・「新しい視点からメディアを見ることが出来て良かった」
・「情報を発信する側になってみてわかったことがあった」
・「メディアを鵜呑みにするのではなく、色々なところから調べて、情報を判断することの重要さを学んだ」
・「メディア・リテラシー能力が低い現在の自分を変えていかなくてはいけないと感じた」

そして、こんな感想も。ごもっともであります:

「日本人がメディアに踊らされるのは、メディア・リテラシーを知らないからでは?」







■関連情報 ・メディア・リテラシーの大学講義
         ・慶応白熱教室
          ・慶応大学ラスト講義


・【お知らせ】大学客員講義 受付スタート!


【参考文献】


Photo_2



『性情報リテラシー』

 渡辺真由子著(Kindle版)



 望まない妊娠、中絶、デートDV……
  青少年の 「性的有害情報対策」としての
  メディア・リテラシー教育はどうあるべきか?



関連の動き色々









Book3オトナのメディア・リテラシー
         (リベルタ出版)  
◆大学入試 出題文献 
◆学研小論文模試 出題文献































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2012年10月19日金曜日

国連ユネスコの『世界のメディア教育政策』を翻訳

国連「文明の同盟」やユネスコ、欧州委員会等により発行された本『世界のメディア教育政策』、
日本語版をダウンロード頂けるようになりました。



世界中でメディア・リテラシー教育政策を推進することを目的に、
各国のメディア教育をめぐる状況を紹介した内容。
カナダやヨーロッパ諸国のみならず、中東地中海地域やアフリカ、南米などの発展途上国における
メディア・リテラシー教育の現状や課題についても、記述されていることが特徴である。



日本語版の翻訳は、国内のメディア研究者たちが
およそ1年をかけて完成させた。
私は第3章「メディア・リテラシーにおける放送規制の役割(イギリス)」を担当している。



残念ながら、本書は「世界の」メディア教育政策を紹介すると触れ込みつつ
日本の状況についてはほとんど取り上げられていない。
日本におけるメディア・リテラシー教育政策に関する議論は、まだまだ熟していないということなのだろう。



今回、翻訳版をより多くの方に読んでもらうことで、
我が国においてもこうした議論の機運が高まれば幸いである。



ちなみにイギリスの項の場合、
「放送規制」を機能させるためには「メディア・リテラシー教育」との両立が有効である、との主張が印象的ですな。






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2012年10月11日木曜日

愛知で「女性とメディア」講演

愛知県豊田市の男女共同参画センターにて
『女性とメディア』をテーマに講演を行なった。



午前の部と午後の部の豪華(?)2本立て。
午前は「新聞・ニュースを読み解く!」と題し、
メディア・リテラシーの基本理論とジェンダー表現について解説した。



そして午後は「ネットの便利な使い方とリスク」として、
いわゆる「ネット世論」が仕立て上げられるカラクリや、
ネット情報に接する際に注意すべき点をお話。



さらに、実際に自分がネット等で情報を発信する際、
「効果的に伝えるコツ」を複数伝授させて頂いた。



午前が「受信者」としての能力を高める講座だとすれば、
午後は「発信者」としての能力を磨く内容といえよう。



その後届いた参加者アンケート結果によれば、
「とてもわかりやすかった」が8割、「おおよそわかった」が2割。
皆さんにご理解頂けて嬉しく思う。



「普段何気なく聞いたり見たりしているものに対して、その意図を考えたり見極めたりする必要があると感じた。
子どものためにも、まずは自分が!」
「自分の考えや主張だと思っていたことが、メディアからの刷り込みかもしれないと思うと怖い」
「自分は古いジェンダー意識を自然に受け入れてきたのだなあ、と改めて感じた」
「メディアの思うツボにはまらないようにしたい」
「メディアを他の角度から見ていない自分に危機を感じた」
等々の声が寄せられた。





「全著書を発注しました!」という方も。
こちらこそ、有難うございます!!



そうそう、地元の手羽先は美味しゅうございました。






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2012年10月6日土曜日

「家庭でのネット教育」インタビュー(Livedoorニュース)

スマホやタブレット端末の普及で、ネットはますます身近な存在になっている。
反面、便利さの裏に潜む「脅威」にも目を配らねばならない。



警察庁の調べによれば、
今年上半期に出会い系サイトで犯罪被害に遭った未成年者の約6割が、
15歳以下だったという。
ネットリテラシーが低い低年齢の子どもは、何かと狙われやすいのである。



そこで今回は、
新時代のネットリテラシーを家庭でどのように教育すれば良いのか、
Livedoorニュースのインタビューにお答えした。
御関心のある方はお読みください



ちなみに本記事掲載から4時間が経った時点で、
「PV数が早くも約7万に上っています!」と編集者の方から嬉しい悲鳴。



なお、
子どものケータイ・ネット利用の実態と対策については、
拙著『プロフ中毒ケータイ天国 子どもの秘密がなくなる日』で
より詳細に述べている。



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2012年10月5日金曜日

「リテラシー強化ゼミ」参加者募集!

「メディアを読み解く目」を養うための私塾が間もなくスタート!
現役テレビ局員と私がコンビを組み、講義を行ないます。学生も社会人も参加可能



御一緒するテレビ局員の方からは、テレビ制作現場の裏側や取材方法など、
現場からの実践的な話が聞けるだろう。
他方、私はテレビ局出身のメディア研究者として、一歩引いた立場から、テレビや広告・ネットといったメディア全般の読み解き方をお伝えする。





テレビ局員の方と私はもともと、慶応大学メディア・コミュニケーション研究所で共に教壇に立っていた仲間。任期満了後、これからも講義を続けたいねと話し合い、本ゼミを立ち上げることになった。既に昨年から試験的に実施し、嬉しいことにご好評を頂いたので、今期より本格始動するものである。

では、あなたの参加をお待ちしています!



 



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2012年9月29日土曜日

ネットいじめ講演 in 香川

香川県三豊市が主催した人権・同和問題講演会にて
講師を務めた



テーマは「深刻化するネットいじめ その現状と大人の役割 ~青少年の健全育成と人権~」。
ネットいじめを中心とした、インターネットによる人権侵害の現状と対策についてお話した。



ところで、香川といえば「うどん県」ですね。
ケンミンの方に聞いてみると、
朝からうどん、昼も夜もうどんと3食続きでも全く平気なのだそうな。
一杯200円前後なので、ファストフード感覚で頂けるらしい。



うどんばかり食べるなら、油分が少なくてさぞかしヘルシーでは……と思ったら、
麺には意外に塩分が多く、摂りすぎてしまうのが悩みのタネだとか。



実は「うどん県副知事」を任命された俳優の要潤氏は、
この三豊市の出身だそう。



そんなわけで私も頂きました!
生醤油の讃岐うどん。



生姜とネギがのったうどんに
醤油を回しがけて食べる、未知の体験。



これが結構合うんですねえ。
歯応えも良く、美味しゅうございました。








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2012年9月25日火曜日

『性情報リテラシー』8.女性のノーはやっぱりノーか

お待たせしました!久々の連載再開です。今後も随時掲載予定。

メッセージ 
 >前回

(新聞連載) 

-------------

 「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉を、聞いたことがあるのではないだろうか。女性が嫌がるのは口先だけで本心は逆、との意味だ。

 ヒロト(関連情報)は、この言葉をまさに信じ込んだ1人である。ナンパした女の子を、食事の後に「ホテルどう」と誘った。「行って何するの」と問われ、「映画でも見よう」と答えた。「絶対何かするじゃん」と彼女は警戒する様子を見せたが、「しないから」と一緒にホテルへ。

 「その時点では、相手はHする理由をつけて欲しいのかな、と思っていたんですよね」とヒロトは振り返る。

 しかし、いざヒロトが迫ろうとすると、女の子は本当に嫌がった。結局その夜はベッドにヒロトが寝て、彼女は離れたソファーにうずくまり、テレビを見ながら一晩中起きていた。「何もしない」というヒロトを信頼した彼女にしてみれば、だまし討ちにあったようなものだろう。

だが、ヒロトは納得できない。
「その気がないならホテルまで来るなよ、とはめちゃめちゃ思います。思わせぶりな態度を取らず、もっと明確に意思を伝えて欲しいですね」

  女性は口では「ノー」と言っても性交を望んでいる、最初は嫌がってもだんだん気持ちよくなってくる……。こうしたストーリーは、AVや漫画に非常に多い。男性が女性に強引に迫る口実ともなる。

私が女子学生に実施したアンケートからは、女性たちの「ノー」が尊重されていない実態が明らかになった。

「嫌だと言っても聞いてくれなくてとても不快だった。私の気持ちより自分の欲求が大事なのかと、幻滅した」

「寝ている時に無理やり迫られた。 泣いてもやめてくれない」

「ノーと言っても本気のノーとは気づかず、エッチしようとしてきた」

「家にいたときに強引に誘われた。抵抗したが、無理やり手をまとめられた」

 一方、女子のあいまいな断り方が、男子の誤解をまねく場合もある。

エリ(仮名、21歳)は難関私立大学の文学部4年生。北陸出身で、学内の同級生と付き合って1年になる。
気分が乗らない時に彼氏に迫られても、なかなか強く拒否出来ない。

「断り方には気を使います。あまりはっきり断ると、傷ついちゃうんじゃないかと心配なんですよね」

男子がノーの見極め方を迷うように、女子もノーの伝え方を悩んでいる。

エリがいま欲しいのは「ランプ」だという。

 「Hしたいかどうかを示すランプが頭に付くといいのにね、って彼氏と話してるんです。せめて『ノーなんです』ってランプだけでもあれば、お互いに傷つかずに済むから」

続く


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2012年9月22日土曜日

デジタルが変える友人関係と恋愛

 

商品詳細 雑誌『教育と文化』(教育総研)がICTと学校教育について特集し、私も寄稿した。



テーマは「デジタルが変える友人関係と恋愛」。



 「テレビはつまらないから見ない」という声を、いわゆる「デジタルネイティブ」世代である中高生たちから聞くようになった。代わりに携帯サイトを眺めて時間をつぶすのだそうだ。子どもにとって、情報源としての携帯サイトの重要性は、着実に増している。



子どもに人気の携帯サイトは様々あるが、なかでも根強い支持を集めるのか「プロフ」だ。「プロフ」とは、自分のプロフィールを紹介するネット上のホームページを指す。主に携帯サイト向けに、業者が無料でフォーマットを提供している。自己紹介用の画像を載せ、用意された質問項目に答えるだけで完成。不特定多数とのメッセージの送受信も可能だ。



最大手サイトの「前略プロフィール」は、中高生を中心に約450万人の会員数を誇る(ザッパラス、2012)。さらに最近では、スマホ用のプロフアプリを開発する企業も登場し、人気を集めている。



 本稿は、デジタルネイティブ世代によるプロフの利用が、思春期の最重要課題である「友人関係」と「恋愛」のあり方にどのような影響を与えているかを、筆者の取材に基づき読み解いていく。まとめとして、ネット・リテラシー教育の方向性を示唆する。



*なお、子どものプロフ利用実態について更に詳しく知りたい方は
プロフ中毒ケータイ天国~子どもの秘密がなくなる日』をどうぞ。



Book1






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2012年9月11日火曜日

30歳からのカナダ留学 (まゆマガ。)

Campus_photo_2


                            【20歳前後のフリをしていた、30歳の頃】





ご好評頂いているメールマガジン『まゆマガ。~貪欲に生きる!技術』が
新たなステージに突入した。
私の就職活動、テレビ局時代を振り返り、退職へ向けた心の持ち方や具体的準備方法などを御紹介したのに続き、
ついに「カナダ留学編」が始まる。



カナダの大学へ入ったのは、30歳になってから。
周りの学生が皆年下だったので、スムーズなコミュニケーションを図るため、
ついつい10歳ほどサバを読んでしまった。
アジア人は童顔だから、なんとか切り抜けられたんですねえ。
パスポートの生年月日欄を見られたらどうしようと、気が抜けない日々であった。



その後、夏期研究で滞在したハワイでも同様。
まぁおかげで、北米の若者のネット文化には詳しくなりました。



「10代からの問題意識を貫いて就職したり、かと思えばポーンと辞めてカナダへ飛んだり、
ハワイで暮らしたいと思ったら実行しちゃったりする人生観とは、どのようなものなのですか?」と
ご質問を受けることがあるが、答えはこのメルマガに書かれている。



カナダ版第一回目のレポートはこちらで全文公開
ちなみに登録月分は無料。



では、「まゆマガ。」でお会いしましょう!






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2012年9月5日水曜日

大津市いじめ対策担当と文科省カウンセラー増員について

4日のテレビ朝日『モーニングバード!』が
前回に続き大津市のいじめ問題を取り上げ、
私もインタビュー出演した。



大津市は今後、
「いじめ対策担当教員」を各学校に1人ずつ置くよう計画しているとのこと。
いじめ対策に集中してあたる人員を確保したいからだろうが、
いじめは校内のあちこちで発生し、対処の手順も煩雑であるもの。



果たして、たった1人の教員にそれを任せては
負荷をかけ過ぎることにならないだろうか。
本来、学校の教員全員が「いじめ対策担当」の意識を持つべきだが、
せめて複数(ベテランと若手の組み合わせなど)の担当者を置いてもらいたいところである。



1人の対策教員にどの程度の権限を持たせるのか、
いじめ対応の専門知識を学ぶ機会を与えられるのか、も問われよう。



一方、文科省はいじめ問題に対応するため、
全国の小中高校や教育委員会に配置するスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーを、
計1000人規模で増員する方針を決めたという。



いじめの背景には、子どもの心理的な問題や加害者の家庭環境が関わっており、
臨床心理や社会福祉の専門家による対応を充実させることは望ましい。



ただ、学校ぐるみでいじめを隠ぺいしようとする動きがあれば
カウンセラーの行動も制約される恐れがある。
カウンセラーが直接自治体などに、いじめを告発できるホットラインも必要ではないか。



また子どもは、学校内でカウンセラーに相談する姿を他者に見られたくないもの。
メールや電話による相談にも対応することが求められよう。






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2012年8月21日火曜日

八戸市でメディア・リテラシー講演

青森県八戸市が主催する、学校教育関係者向け研修会にて
講演を行った。
「男女共同参画の視点とメディア・リテラシー」がテーマ。



メディア・リテラシーの基本的な理論や、
メディアが発信する情報に「さりげなく」盛り込まれるジェンダー表現について
お話した。



男女共同参画社会を推進する上で、
子どもに接する教員たちのジェンダー意識を高めることが重要と、
八戸市はこのテーマを企画したという。



参加者からは
「メディアから受ける影響の大きさを認識した」
「メディアの発する情報を客観的に捉えることの大切さに気付いた」
「メディア・リテラシーの重要性を改めて実感した」
などの感想が寄せられた。



ちなみに今回の講演、八戸市は
私が過去に講演を務めた地方自治体を通して
依頼してこられた。



実は最近、「他の自治体からの紹介」という形で
連絡を頂くケースが非常に多い。



光栄だが、
地方自治体同士ってライバル関係ではないんですねえ。



そうそう、滞在中に舌鼓を打ったのが
水揚げ日本一を誇るイカや、味噌たっぷりの平ガニ、濃厚なウニ。



なかでもイカは旨味が凝縮され、噛みごたえがあり、
ん~、美味しゅうございました。

そんな八戸市のゆるキャラはその名も「いかずきんズ」。
なにやら類いまれなるセンスを感じます。






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2012年8月16日木曜日

子どもたちへ3.いじめている人へ

*いじめの傍観者被害者、加害者へ向けたメッセージの完結編。
  出典は拙著 『大人が知らない ネットいじめの真実』

--------------------



>1.友人を守るために >2.いじめられている人へ





3.いじめている人へ



誰かをいじめているあなた。「いじめはいけません」と学校で散々習っただろうから、自分がやっていることは悪いことだと、頭ではわかっているはずだ。それでもいじめてしまうのは、なぜなのだろうか。



 「あいつはウザいから」「キモいから」、いじめてもいいんだと思うかもしれない。だがそれは、あなたの主観による勝手な判断だ。その人の親は、その人のことをウザいなんて思っていない。赤ん坊の頃から大切に育ててきた、「愛しい」存在だ。



その人は、あなたにウザいと思われるためにそういう言動をとっているわけではない。「ウザい」と思い込むことで、あなたは自分のいじめ行為を正当化したいのだろう。だが、どんな外見や性格も、その人の個性に過ぎない。だから、いじめる理由にはならないのだ。そもそも人間には誰にも、他人をいじめる権利がない。



例えば誰かの性格のある部分を、あなたは「嫌だ」と思うとする。もしその性格が、将来犯罪行為につながりかねないような問題のあるものだったら、先生や親が指導するだろう。あなたがでしゃばる必要はない。もし、その性格のせいでその人とはどうしても仲良くできないというのなら、口頭で柔らかく注意してみよう。でも、性格を変えるかどうかは、あくまでその人が決めることだ。あなたの思い通りにその人が変わってくれなかったからといって、仲間外れにしたりネットに悪口を書き込んだりしてはいけない。「注意」と「制裁」は別ものだ。制裁は「いじめ」であり、あなたにそんなことをする権利はない。



人間は一人一人違って当たり前。自分とは違うその人を認め、その人にもあなたを認めてもらおう。



いじめ行為は、あなたにどんな感情をもたらすだろうか。



人が苦しむのを見ると面白い? 気分がスカッとする? 



そんなふうに思うのであれば、あなたの心は、何らかの不満を抱えている。あなたは、いじめをすることによって相手よりも自分が上だと優越感に浸ったり、ストレスを発散したりしている。裏返せば、それだけ自分に自信がなく、ストレスを溜めているということだ。



そのストレスの原因は何だろう。自分の心に問いかけてみて欲しい。 などの身近な大人に愛されている実感はあるだろうか。「いい子」でいることに疲れていないか。誰かに嫌な目に遭わされていないか。



 そう、いじめをしてしまうあなたも、実は被害者なのである。ストレスに押しつぶされそうになっている現在の環境から抜け出す方法を、ここで考えよう。



 まず、あなたがいくら辛くても、他人をいじめていいわけはない。そのいじめ行為が一時的なものであったとしても、相手の心に一生にわたる傷を残す可能性がある。いじめを受けている人は勉強が手につかなくなり、成績が落ちる。食欲がわかない、眠れない、うつ状態になる、といった症状に苦しむ。ひどいときは不登校になったり、転校をしたりせざるを得なくなる。最悪の場合は命を絶つかもしれない。



 あなたがいじめを止めても、その人は簡単には回復しない。一時期受けたいじめのせいで対人恐怖や人間不信に陥り、就職してもうまく人間関係を築けず、引きこもりになってしまうこともある。あなたが軽い冗談のつもりでやったいじめが、その人の人生を狂わせるかもしれないのだ。あなたに責任がとれるのだろうか。



さらに最近は、過去にいじめられた経験を持つ少年が、無差別殺人などに手を染めるケースも発生している。いじめられた恨みは、それほど深いのだ。



あなたの辛さは、あなた自身と、その原因を作った人、身近な大人とで解決していく必要がある。全く関係ない他人を巻き込んで、ムシャクシャする気持ちのはけ口にしてはならない。



そして、周りに信頼できる大人がいるか見渡してみよう。あなたは親とうまくいっておらず、「親は自分のことをわかってくれない」と悩んでいるかもしれない。そんなときは、思い切って親にその思いをぶつけてみる。口に出して言ってみる。親だって、あなたが何を考えているのかよくわからなくて、上手に接することが出来ずにいるのかもしれないのだ。それでも改善されないのなら、先生や身近な大人に相談してみよう。大人たちの話し合いで解決する問題もあるし、状況次第では、専門機関の手も借りるかもしれない。



親以外の人から嫌な目に遭ったときは、出来るだけ親に伝えよう。遠慮することはない。親はいつだって、あなたに何でも打ち明けてほしいと思っている。



親に言う心の準備がまだ整っていないのであれば、前項「いじめられている人へ」で紹介したように、電話相談やネットで気持ちを吐き出してみるといい。誰にも言えない悩みでも、例えばブログなどに書くことで、心の中が整理される。相談に乗ってくれる人も現れるかもしれない。



 いじめ行為の重さに気づいたら、もう自分を責めるのは止そう。誰かを傷付けたい、という心があなたに育ったのは、あなたに辛い思いをさせた大人の責任だ。いじめっ子というレッテルを貼られた者を大人はただ叱り付けるだけで、その悩みに気づこうとしない。だからこそ、声を上げよう。いじめをしてしまう自分の心の奥にある淋しさや苦しさを、誰かに伝えよう。



新たに誰かをいじめる前に、あなたは、救済されねばならない。





>1.友人を守るために >2.いじめられている人へ



1



出典:
 渡辺真由子 著

 
『大人が知らない ネットいじめの真実』



 



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2012年8月7日火曜日

子どもたちへ2.いじめられている人へ

*出典は拙著 『大人が知らない ネットいじめの真実』
既に読まれた教員の方からは、「道徳の授業で使いたい」等の御連絡を頂いている。
新たに引用されたい方も、ご一報下されば幸いである。
--------------------



>1.友人を守るために <3.いじめている人へ



 



2.いじめられている人へ



いじめを受けているあなたは、苦しい日々を過ごしていることだろう。自分の性格や外見がこうだからいじめられるのだと、自分を責めているかもしれない。



 だが、あなたは全く悪くない。いじめが起きる責任は、いじめられる側にではなく、いじめる側にある。あなたがどんなことをしたとしても、あなたの家庭環境がどうであっても、いじめられていい理由にはならない。あなたは人間として、健康的な生活を営み、差別をされない「権利」を持っている。その権利を侵そうとする、いじめっ子の方が悪いのだ。



 いじめる人は、あなたを困らせて楽しんでいるだろう。ストレスを発散しているだろう。なぜ彼女ら彼らは、そのようなことをするのだろうか。



いじめる人の心は、病んでいるのだ。家庭で親とうまくいっていなかったり、別の人からいじめられていたり、無理やり勉強をさせられていたりして。いじめる人は本当は自分に自信がないので、誰かを見下すことで優越感を得たいと望んでいる。だから、いじめをするのだ。自分の不満を吐き出すために誰かを犠牲にせずにはいられない、可哀想な人たちだ。



そうは言ってもあなたとしては、加害者のストレスのはけ口にされるなんて、たまったものではない。出来れば、「これはいじめだ」と気づいた段階で、先生と親に報告しよう。あなたは悪くないのだから、堂々としていればいい。ネットいじめにしろ、実生活でのいじめにしろ同じだ。自分がいじめに遭っているのを知られることは、恥ずかしいだろうか。いじめを受けることを恥ずかしく思う必要はない。相手の辛さを思いやれずにいじめをすることこそが、人間として未熟で、恥ずかしいことなのだ。先生や親に告げれば「チクッたな」と報復されるのが心配だろうか。報復されたら、それをまた信頼できる大人に知らせればいい。大人には知恵があるから、何とかしてくれるはずだ。



特に、親など最も近くにいる大人は  、いつでも子どもの力になりたいと思っている。あなたは身近な大人に心配をかけたくなくて黙っているのかもしれないが、その人はあなたに作り笑いをされるよりも、悩みを打ち明けてもらう方がずっと嬉しい。守ってやりたいから。



どうしてもまだ先生や親には言いたくないというときは、電話相談を利用してみよう。名前を言う必要はなく、秘密厳守であなたの話を聞いてくれる。また、こんなときこそ匿名で使えるインターネットが役に立つ。いじめられている人のための相談掲示板が色々ある。あなたと同じような体験をした人から、アドバイスがもらえるかもしれない。そうやって、自分の悩みを言葉にして外に出して、誰かと共有しよう。一人で抱え込んでしまうと、心と体がそのうち悲鳴を上げる。



いじめを受けていると、学校生活は針のむしろに座っているようなものだろう。これを逃れる方法は二つある。一つは、ひたすら耐えること。冗談じゃない、と思うかもしれないが、日本人の平均寿命は約八十年。いじめに苦しむのは、長い人生の中のわずかな期間だ。加害者はいずれ、あなたをいじめるのに飽きる。そうでなくとも、学校を卒業すればおさらばすることが出来る。いじめられる立場になったことで、あなたは「心の痛み」を知った。自分がどのような言動をとれば、相手をどんな風に傷付けてしまうのか、想像できるようになっただろう。辛い思いをした者は、そのぶん他人に優しくできる。このいじめは、あなたがより心の豊かな人間に成長するためのトレーニングなのだ。トレーニングに耐え抜いた経験は、これからあなたが先の長い人生で多くの人に出会い、仕事をし、家庭をつくるなかで必ず役に立つ。だからいまは息を潜めて、嵐が過ぎ去るのを待とう。



だが、いじめの内容がちょっとやそっとの我慢でやり過ごせるものではなく、とにかく加害者にはもう会いたくないと、あなたは思っているかもしれない。度を過ぎたいじめの被害は、あなたの心身に長期的な影響を及ぼし、今後の人生をも狂わせてしまう。この場合は、速やかに避難した方がいい。つまり、学校へ行くのを止めるのだ。



学校を安全な場所にするのは先生たちの責任で、加害者にいじめを止めさせるのはその親の責任だ。いじめる人の心の病が治るまで、あなたは学校へ行く必要はない。勉強は自宅での通信教育や家庭教師、不登校者向けのフリースクールなど、様々な形で出来る。親は心配するだろうが、学校へ行っていじめられ続ける方が、よほど勉強に集中できない。



そして、いじめられた悔しさを勉強にぶつけよう 。自分に自信をつけるためと、地元から脱出するためだ。日本の社会は何だかんだ言っても、成績が良い者に有利な仕組みになっている。レベルが高い学校へ進んで、いじめた人を見返すのだ。遠方の学校を選べば、加害者から逃れることも出来る。進学が経済的に苦しい場合でも、成績が良ければ奨学金が出る。



注意しておくが、「死にたい」と思うぐらい辛くても、自ら命を絶つのは避けること。そんなことをしたら加害者の思うツボだ。いじめる人は、相手をコントロールすることに快感を味わう。自分の影響力がどれだけ強いかを、確かめたがっている。もし相手が自分のいじめのために死んでくれたら、それこそ最高の影響ではないか。



「加害者の名前を遺書に書いて自殺したら、懲らしめてやれるかもしれない。反省してくれるかもしれない」



と、あなたは淡い期待を抱くだろうか。だが、いじめ自殺事件の多くで、加害者に反省の態度は見られない。森啓祐さんが自殺したとき、加害少年たちは「あいつ死んで、せいせいした」と口にし、笑いながら棺の中を覗き込んだ。さらに啓祐さんの自殺後も、他の生徒にいじめを繰り返したという。古賀洵作さんをいじめ自殺に追い込んだ加害少年たちのほとんどは、事件直後に遺族へ謝罪することはなく、線香一本上げにも来なかった。少年院を半年で出た後は、夜の街をバイクで暴走していた。いじめ自殺事件の裁判は全国で起きているが、加害者側の大半はいじめの事実を否定し、謝罪を拒み、遺族側と争う。



 あなたが自ら命を絶てば、いじめる人を喜ばせるだけだ。代わりに、家族や親戚、友人など、あなたの大切な人たちを一生悲しませることになる。その選択は、得策ではない。





>1.友人を守るために <3.いじめている人へ



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出典:
 渡辺真由子 著

 
『大人が知らない ネットいじめの真実』



 



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