石川県を訪れた。
「違法・有害サイト対策の国際比較調査」の関係である。
石川県は今年6月、
いしかわ子ども総合条例にて
「防犯など特別な場合を除き、
小中学生に携帯電話を持たせない」
ことを保護者の努力義務と定めた。
全国で初の試みだ。
今回の取材では、
県の関係部署の方々にお話を伺った。
この条例は、自民党会派が主導した議員提案だという。
県としては、「知る権利」や「教育権」の侵害への懸念も
抱いたが、最終的に議員の賛成多数で可決された。
以前から地元のPTA連合会でも
「携帯を持たせない」とする宣言文を出していたというから、
このような規制を受け入れる土壌はあったのだろう。
県民気質かも……と感じる私は金沢出身。
だが、携帯は「正しく」使えば楽しく便利な道具である。
家庭環境や友人関係に悩み、
携帯が唯一の「逃げ場」になっている子どももいる。
子どもたちから逃げ場を取り上げるなら、
大人がそれに代わるものを提供してやらねばならない。
大人たちは、子どもに規制を押し付けるだけでなく、
自らも変わる覚悟があるのだろうか?
「携帯持たせない条例」はいよいよ来月1日施行。
この条例に関する詳細な調査結果は
来年発行の論文にまとめる。