2017年4月27日木曜日

『児童ポルノ規制の新たな展開』(要約)

私の博士論文『児童ポルノ規制の新たな展開
-創作物をめぐる国内制度の現状及び国際比較による課題-』
をご紹介した先日の記事
漫画やアニメ、CGといったバーチャル児童ポルノについて、
規制政策のあり方を新たな観点から研究するものである。
掲載直後から、
法曹界やマスコミ関係の方々を中心に、
大きな反響が寄せられた。

さらに最近では
千葉女児殺害事件という痛ましい出来事もあり、
広く一般の方々からも、
同記事に膨大な数のアクセスを頂いている。

児童ポルノ規制の新たな展開
そこでこの度、
拙論の要約版を
ご提供することとした。

ご関心のあるあなたは
こちらからダウンロードをどうぞ。

なお、
これはあくまでも
200ページ以上にわたる論文を
わずか12ページに凝縮した要約版に過ぎないため、
充分な理解が難しかったり、
誤解をしてしまったりする可能性があることに留意されたい。




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2017年4月11日火曜日

実践!「性情報リテラシー」教育

ネット等で性に関する誤った情報が氾濫する現代。
子ども達には、 メディアの性情報を鵜呑みにせず自分の頭で読み解く能力、
すなわち「性情報リテラシー」教育が必須であると、
私は常々提唱してきた。

「でも、具体的にどうやって教えればいいのか?」
そう悩んでいる方も多いに違いない。

そこで本記事では、
実際に教育現場で性情報リテラシーを扱っている例を
ご紹介しよう。

私が取材にお邪魔したのは、
埼玉県内にある児童養護施設。
幼児から高校生までが共に暮らしている。

中学生以上にもなると、
アダルトサイトを見たり、DVD付き成人雑誌を手に入れようとしたりする
子どもも出てくるという。

「学校で女子に強引に迫ろうとした男子もいて。
メディアの影響があるのではないかと心配になりました。
そんな時、『性情報リテラシー』を読んで、
これだ!と思ったんです」
と職員の方。
3年前から施設内で、高校生向けに
性情報リテラシーのワークショップを行なうようになった。

今回は初めて、中学生向けのワークショップを開くとのこと。
会場には、女子5人、
男子3人が集合した。

「恋愛について教えてほしいことはありますか?」と
施設側が事前に子ども達にアンケートをとったところ、
・「好き」って何?
・「付き合う」って何?
・どうしたら告白がうまくいく?
等、様々な答えが寄せられた。
そう、学校や家庭ではこういう事、なかなか教えてもらえないですよねえ。

「恋愛の参考にしているものは?」というアンケートでは、
ドラマやアニメや歌、漫画など、やはりメディアが大半を占める結果に。
このような子ども達の声に応えようと、いよいよワークショップ開始!

職員の方はまず、
「性情報リテラシー」を身に付ける
重要性を説明する
(各画像は拡大可)。
続いて、アニメ「ももくり」や
初音ミクの歌など、
子どもに人気のメディアを取り上げた。
やはり事前に子どもたちへ「好きなメディア」についてアンケートを行い、
把握しておいたものだ。

メディアによる恋愛の描写では、
ストーカー行為が美化されていたり、
カップルの力関係に上下が生じていたりする点を
子ども達に気付かせる。


子どもに人気の「壁ドン」についても、
実は暴力的な行為であることを伝える。

さらに、
10代の女子向け、男子向けの
ファッション雑誌や漫画を紹介。
職員の方が自ら、
『セブンティーン』や『少女コミック』などを
購入してきたのだ。


女子向けの恋愛特集には、
「モテるため」を口実に、
服やアクセサリーの購入意欲を
煽る内容もあるよ、と注意喚起。

男子向けの恋愛特集には、
強制わいせつなどの犯罪につながりかねない強引な行動をそそのかす内容も目立つことを伝え、
「相手の嫌がることはしてはいけない」と
警鐘を鳴らす。

最後にまとめとして、
「メディアを楽しむのはいいけれど、
恋愛は1人でするものではない。
自分の気持ちばかりを押し付けず、
相手がどう思うかを考えて!」
と締めくくった。
このワークショップで職員の方が
一番伝えたかったのは、
こんなメッセージだ:

“メディアの情報に流されず、
 目の前の人がどう思っているかを大事にしよう。
 逆に、 自分が嫌なことをされそうな時は、
 嫌だって言っていいんだよ”

中学生が対象なので
性に関する露骨な話は扱わず、
「恋愛」や「お互いの尊重」といった切り口から
構成しているのがポイントである。
子どもに興味を持ってもらうために、
スライドに絵を沢山入れるよう工夫もしている。

参加した子どもたちからは、
「メディアの情報は簡単に信用しない」(男子)
「マンガの胸キュン話は危険なこともあるとわかった」(女子)などの感想が。

ちなみに
こちらの施設では、性情報リテラシーのワークショップを
職員たちの間でも行っているという。
「子どもが影響されるかもしれないメディアの実態を、
大人も知っておく必要がある」との思いからだ。
「子どもに注意すべき点がわかった」などと好評のようである。

性情報リテラシー教育が実際に現場で役立っているとは、嬉しいこと。
お世話になった皆さま、ありがとうございました!


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2017年3月23日木曜日

「思春期とデートDV・SNS」講演

【お知らせ】
性情報リテラシー教育に関する活動情報は、
facebookページで随時ご紹介しています!

日本家族計画協会が主催する「思春期保健セミナー」にて
講師を務めた。

このセミナーは厚生労働省や文部科学省などが後援しており、
医師や保健師、養護教諭などの方々が受講。
全コースを修了すると「思春期保健相談士」として
同協会から認定されるという。

今年度は、「時代に即応した斬新なセミナーを企画したい」とのことで
私をお招き頂いた模様。
責任重大である。

「思春期とデートDV・SNS」 と題した講義では、
このような内容をお話:

・ネット・SNSがトラブルを招きやすい理由
・対策キーワード:「SNSリテラシー」とは?
・デートDVの罠
・性的暴力の現状とSNSリテラシー
1.リベンジポルノ
2.性情報の誤解
・被害にあってしまったら

https://gumroad.com/l/loveliteracy#
「性的暴力」を含むデートDVは、
メディアが発信する性情報の影響も大きいと
考えられる。
誤った性情報を鵜呑みにしないためには、
自分の頭で情報を読み解く能力(リテラシー)が
必要だ。
詳しくは拙著『性情報リテラシー』で、
具体例を挙げながら解説している。
(皆さまからのご要望にお応えし、
PDF版がお求め頂けるようになりました!)

ちなみに、
日本製のAVやアダルト動画は世界的に人気を博しており、
性情報が若者に与える影響への対策は、国際的な課題でもあろう。
国連のような国際機関にも是非、性情報リテラシー教育の普及に
取り組んでもらいたいものである。

今回の講義では、以下のような
数多くの感想をお寄せ頂いた:

・今の時代ならではの必要なテーマだと思い、とても勉強になりました。子どもたちが興味を持つ性的な媒体への「本物の指導」が必要だと、方向性を考えさせられました。
・まさに学校で問題となっているテーマで、子どもの心理が理解出来た気がします。なぜ写真を撮らせるのかの背景を考え、ケアしていきたいと思います。
・学校や医療関係者以外の先生のお話は、とても興味深かった。実際に取材されたリアルな子どもの声が沢山あり良かった。
・SNSトラブルにかかわる少年たちと接するため、問題点や少年の心理を改めて整理することが出来ました。
・デートDVや性情報の誤りについて、中学生への指導方法が見えてきた。
・デートDVの成り立ちは、自分が想像していたものとは全く違っていました。SNSへの関わりと危険性について勉強になりました。
・若者のSNSトラブルは正直、不明な点が多かったため、とても参考になりました。特にデートDVやリベンジポルノについて学べて良かったです。
・リベンジポルノについて、なぜ撮らせるのか疑問でしたが、実際に撮らせた子の話を聞くことが出来、その子たちなりの思いがあることが知れ、参考になりました。
・情報教育と性教育はセットで教えることが重要と理解しました。
・性的な画像を撮らせた本人を責めるのではなく、子どもに寄り添うこと、共感すること、不安に寄り添うことが大事ということが参考になった。子どもたちが傷づかないように、出来ることをしていきたい。

……などなど、他にも大量の感想を頂いており、とても紹介しきれない。

関係者の皆様、
ありがとうございました!

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2017年3月7日火曜日

新聞でネット・リテラシー特集(協力)


8日(水)朝刊の
東京・中日・北陸中日新聞で
「子どものネット利用」が特集され、
インタビューにお答えしている。

中日新聞社による
企画広告とのことで、
ページ片面全体が特集記事。
「スマホ世代の子どもたちにどう接するか?」を、
保護者の方々に
学んでもらう内容だ。

私がこの記事でお話した
子どものネットトラブルの現状や、
家庭で出来るネット・リテラシー教育については、
拙著『大人が知らない ネットいじめの真実』
『リベンジポルノ~性を拡散される若者たち』
より詳しくご紹介している。



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2017年3月1日水曜日

「自画撮り被害とリベンジポルノ」講演

「ネット社会の中にあるDV
~なぜ若者は性的撮影に応じてしまうのか~」
と題し、講演を行った。
富山県女性財団の主催。

・リベンジポルノが生まれる背景
・若者の被害者と加害者の心理的な動き
・自画撮りとリベンジポルノへの対策

…といった内容をお話させて頂いた。

受講者からは下記のような感想が:

・「被害者にも非があるという考え方を改めなければと思った」

・「被害者や加害者の気持ちがわかって良かった」

・「今後の活動に活かせる視点をもらえた」

などなど。
 
自分の裸等をスマートフォン等で撮影する「自画撮り」は、
他者にその画像を送ってしまえば、
悪用された場合に深刻な被害を被る。

私も委員を務める東京都の青少年問題協議会では、
こうした「自画撮り」被害への対策を審議する予定だ。
子どもたちに辛い思いをさせないための施策を検討出来れば、と考えている。


http://www.amazon.co.jp/dp/4335551754/
自画撮り被害の現状と対策について
詳細な解説は、
拙著 『リベンジポルノ
~性を拡散される若者たち』
で述べている。


■著者インタビュー記事はこちら



ところで冒頭の画像は、
富山市内の運河沿いにあるスターバックス。
 「世界一美しいスタバ」と呼ばれるお店である。
水の流れと移りゆく空を眺めながらのひとときを体験できるとは、贅沢ですね。


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2017年2月22日水曜日

東京都委員に就任(「自画撮り」被害防止)

このたび、第31期東京都青少年問題協議会委員を
務めることとなった。

この協議会は小池百合子都知事の附属機関で、
今期は、子どもの「自画撮り」被害への対策を審議する。

自画撮り被害とは、
子どもが相手に騙されたり脅されたりした結果、
自分の裸等をスマートフォン等で撮影(自画撮り)し、
メール等で送信するケースだ。

私はメディアと人権の問題を研究すると共に、
現場で自画撮り被害に悩む子どもを取材してきた。
そうした経験を基に、
東京都がより「子どもたちの現実」に沿った施策を打ち出せるよう、
協力出来ればと考える。

http://www.amazon.co.jp/dp/4335551754/
自画撮り被害の現状と対策について
詳細な解説は、
拙著 『リベンジポルノ
~性を拡散される若者たち』
で述べている。


■著者インタビュー記事はこちら



なお、先日開催された第一回の協議会の模様は
各マスコミで報じられているので、
ご参考まで。


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2017年2月9日木曜日

『児童ポルノ規制の新たな展開』(博士論文)


『児童ポルノ規制の新たな展開』渡辺真由子著先日お話したように
このたび慶応義塾大学より博士号(政策・メディア)を授かった。

肝心の博士論文の題目はこちら:

『児童ポルノ規制の新たな展開
-創作物をめぐる国内制度の現状及び国際比較による課題-』

New Dimension of the Regulation of Child Pornography: Japan’s Current Legal System of Virtual Child Pornography and Issues in International Comparison

 本研究では、実在しない子どもを性的に描くマンガやアニメ、ゲーム等の表現物(「創作子どもポルノ」)の規制に関し、国際社会の枠組みとは日本の規制状況が取り組みを異にするという課題において、それらが一致していない要因に着目し、子どもの性に関する人権保護へ向け、国際規範との整合性を確保する上で必要な方向性を提示している。児童ポルノ規制をめぐる従来の主な研究が「表現の自由」の観点から議論されてきた中、本研究は「人権」の観点から新たな児童ポルノ規制のあり方を考える上での先駆的成果となることを目指したものである。

本研究の提言は、我が国における創作子どもポルノ規制の法整備のあり方にまで踏み込んでいる。今後は法整備の実現へ向け、立法関係者等からの要請があれば、本研究による知見を基に微力ながら貢献出来ればと考える。また、日本における創作子どもポルノ規制をめぐる事情は、本研究でも見たように、国際社会から高い関心を持たれている。本研究が明らかにした日本の視点の現状が、国際社会からの関心に応えるものであれば幸甚である。機会があれば国際機関等において、本研究の知見を広く共有し、子どもの性に関する人権を世界レベルで保護するために、我が国に求められる規制のあり方を議論したい。

折しも2020年に東京オリンピック・パラリンピックを控え、日本の漫画やアニメを海外に発信する「クール・ジャパン戦略」が政府を筆頭に推進される中、我が国には今こそ、創作子どもポルノ規制において国際規範に沿った人権感覚を適用することが望まれる。

この論文の要約については、こちらでお求め頂けます。

【謝辞】
本博士論文の研究・執筆にあたっては、下記の方々から熱意ある丁寧なご指導を頂いた。
ここに改めて感謝の意を表します:

<主査>
新保史生
<副査>
加藤文俊
岡部正勝
菅谷実

(敬称略)



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