2013年1月31日木曜日

【要旨あり】(児童ポルノ・創作物含む) 『性的有害情報の影響データ』調査研究論文

103 『性的有害情報に関する実証的研究の系譜~従来メディアからネットまで』
と題した論文を、情報通信学会誌に寄稿した。

この分野は近年、海外を中心にかなり研究が進んでいるが、
日本では2000年代半ば以降、ほとんど学術的報告がなされていない。

本稿はそれらの成果を新たに幅広くまとめ、
「性的有害情報に関して、海外国内の状況を概観した実証的・網羅的研究である」
との評を頂いたものである。

児童買春・児童ポルノ禁止法改正や青少年健全育成条例制定、
メディア自主規制等については様々な考え方があるだろうが、
性表現の影響に関する科学的なデータの必要性は共通していよう。
本稿が御参考になれば幸いである。

官公庁や企業、地方自治体による青少年保護対策として、
メディアの「どのような」性情報が、「なぜ」問題なのかを理解するにも
お役に立つだろう。

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【要旨】

  青少年による性的有害情報への接触は、インターネットの普及で容易になった。フィルタリングが必ずしも有効でないスマートフォンの登場がその傾向を後押ししており、新たな対策は急務といえる。
 本稿は、マス・コミュニケーションの効果研究において、性的有害情報に関する従来メディアの研究を概観した上で、ネット上の性的有害情報をめぐり海外で行なわれている研究の最新動向を伝え、ネットならではの影響特性や影響研究の限界についても分析した。性に関する情報が全て有害なのではなく、問題は、その描写内容に「性暴力」が登場するかどうか、さらには被害女性の反応をどう描くかにあることが示唆される。CGの発達やコミュニティサイトの相互作用性など、ネットの特性が生み出す実態にも目を向けねばならない。
 ネット上の性的有害情報への対策を技術的な規制のみに頼るのは限界がある。新たな自主規制・法規制の検討や、性情報の歪みやネットならではの特性を批判的に読み解くリテラシー教育が、家庭や学校において今後より求められよう。
(情報通信学会誌 30-2)
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A Review of Research which Discusses the Effects of Obscene Harmful Information from Old Media to the Internet

【ABSTRACT】
The spread of the Internet has made it much easier for young people to come into contact with obscene harmful information. The appearance of smartphones which are not always effective at filtering out such information supports this tendency, and new measures to counter this threat are urgently needed. This paper reports on the latest trends in research from abroad on mass communication effects which deal with sexually harmful information, and analyzes the special characteristics of the effects such information may have over the Internet and the limits of these study.
It is suggested that obscene information is not always harmful, but that what makes it harmful is whether images of sexual violence are depicted and how it shows the reaction of the woman who is involved. We must pay more attention to the actual situation caused by the characteristics of the Internet, including the development of computer graphics and the interactivity of community sites.
As there is a limit to how far we can depend on only technical regulation for measures to counter obscene harmful information on the Internet, we must consider new legislation and hope for better media literacy education at home and at school which allows young people to critically understand the potential distortions of sexually obscene information and the special dangers of the Internet.

Mayuko WATANABE,
Senior Visiting Researcher, Keio Research Institute at SFC
Journal of Information and Communication Research 
 Vol.30(2012)No.2 p.81-88

なお、上記論文は学術界向けのため、
一般の方はまず『性情報リテラシー』
性的有害情報が青少年に与える影響の実態を把握して頂きたい。

Photo


・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
リテラシー教育はどうあるべきか?

 ⇒メッセージ&目次

・【お知らせ】大学客員講義 受付スタート!







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2013年1月30日水曜日

研究活動

■論文



 「性的有害情報に関する実証的研究の系譜 :従来メディアからネットまで」 
  (『情報通信学会誌』30(2)、2012年)



Regulations and Media Literacy Education on Online Obscene Harmful
Information: A Japanese Perspective
 
 (Keio Communication Review No.34,
2012)



 「ネット上の性情報に対する規制とメディア・リテラシー教育のあり方の国際比較」
  (『慶應義塾大学メディア・コミュニケ-ション研究所紀要』(61)、2011年)



・ 「ネット空間のメディア・リテラシーと情報モラルのあり方に関する国際比較研究」
 (吉田秀雄記念事業財団
 平成21年度版研究助成論文集(pp.19-31
  
菅谷実(慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授)、渡辺真由子、金美林



「世界のメディア教育政策」
 (翻訳担当:
第3章「メディア・リテラシーにおける放送規制の役割(イギリス)」) 
  発行:
国連「文明の同盟」、ユネスコ、欧州委員会



■学会発表



・「性的有害情報の影響をめぐる議論の系譜 ~従来メディアからネットまで」 
 (情報通信学会大会、
20117月)

‘Regulations and Media Literacy Education on
Online Obscene Information:
    A Japanese Perspective.’

  International
Telecommunications Society: Asia-Pacific Regional Conference, June 2011



所属学会

・情報通信学会
・法とコンピュータ学会
・日本語ジェンダー学会








◆大学での講義依頼について










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2013年1月24日木曜日

いじめ通報の第三者機関を~大津市いじめ自殺報告書を前に

大津市いじめ自殺事件で、
第三者調査委員会の報告書が今月中に出されるという。



注目すべきは、
因果関係にどこまで踏み込むかと、
再発防止策として何を打ち出すかだろう。



いじめ対策については私も何度か言及したが、
今回は、「いじめの悪化を防ぐ」ための観点から、
通報機関設置の必要性を述べたい。



いじめに悩む生徒の通報機関として多いのは、
教育委員会内に設置された窓口である。
だが教育委員会は学校と利害を同じくするので、
公平な調査は期待しにくい。



昨年末発生した大阪市の体罰自殺事件でも、
市教委に通報が行なわれていたが
親身な調査はなされなかった。



そこで求められるのが、
教育委員会から独立した第三者機関である。
いじめ自殺「発生後」の調査には
第三者機関が立ち上げられる動きも見られるようになったが、
是非、いじめが「悪化する前」に通報出来る第三者機関の
常設も求めたい。



この種の機関としては
1999年に全国で初めて、兵庫県川西市が
「子どもの人権オンブズパーソン」を設置。
条例による調査権が与えられており、
実際にいじめが改善したケースもある。



最近では昨年10月に岐阜県可児市が、
独立機関である「いじめ防止専門委員会」を
条例で立ち上げた。



しかし、こうした動きは全国的にはまだ少数である。
いじめの早期解決を公正中立に行なうため、
全ての自治体に、通報・調査用の第三者機関設置へ向けた
条例作りに取り組んでもらいたい。





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2013年1月16日水曜日

「報道する立場から見た、いじめ対応の問題点」講演@徳島

徳島市教育委員会が主催した会合で、講演を務めた。



「報道する立場から見た、いじめ対応の問題点」がテーマ。
いじめ自殺を長年取材してきた経験に基づき、
学校や加害者側の対応のあり方について、
徳島市の保護者や教職員、青少年健全育成に関わる方約250人に
お話させて頂いた(毎日新聞で記事掲載)。



いじめ自殺が発生すれば、学校にマスコミが押し寄せることになる。
だが、学校側が取材を避けるばかりでは何の解決にもならない。
ましてや隠ぺい工作に走れば、ネット炎上にもつながる。
マスコミとどう向き合うか?は、学校の誠意とリスク管理意識が試される課題だ。



加害者とその親についても、
なぜいじめ行為をしてしまったのか、家庭内教育はどうなっていたのか、を明らかにし、
問題点は社会で共有していくことが、再発防止につながると考える。



同様のテーマでは以前、週刊ポストの取材にもお応えした
なお、私が行なってきたいじめ自殺取材については、こちらで詳しく紹介されている。



ちなみに徳島へは少し前にも
文科省の「ケータイモラルキャラバン隊」として訪れ
その際に頂いた「すだち焼酎」の何とも言えないスッパサが印象に残っている。
今回はとんぼ帰りだったが、またゆっくり味わいたいものです。





*子どものいじめには「性」を悪用する
「性的いじめ」も多発しています。
メディアが発信する性情報とも無縁ではありません:



Photo_2


 『性情報リテラシー』 渡辺真由子著

 ・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、

  自らの性意識・性行動に
どう反映させているのか?

 ・「性的有害情報対策」として

  リテラシー教育はどうあるべきか?

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2013年1月8日火曜日

雑誌『SEXUALITY』で『子どもの秘密がなくなる日』紹介

新年がスタートしましたね!
「人間の尊厳が重んじられる社会」を作るため、今年も前に進んでいきましょう。
私はたまたま(イヤ、狙ったが)メディア出身なので、メディアに出来ることを提言していく。
皆さんもそれぞれの立場から、出来ることを是非。



……などと言いつつ、
私はお正月の浮き世離れしたホンワカ感が大好き。
今月いっぱいは、松の内が明けたことに気付かないフリをしていようと思う。



さて、お年始らしくちょっと嬉しいお知らせ。
雑誌『SEXUALITY』56号で、
拙著『子どもの秘密がなくなる日~プロフ中毒ケータイ天国』を紹介頂いた。



Sexuality_no56_2



この雑誌は、
人間と性をめぐる「教育と文化」の総合情報誌。

海外の性教育事情や障害児の性を取り上げるなど、
実践的な内容が充実している。


Book_3


『子どもの秘密がなくなる日』に関しては、



女子中学生がプロフにはまる心理を
著者自らがなりすまして徹底分析し、
対応策として、性教育についても提言した点を評価頂いた。



ありがとうございます!



なお、性教育といえば
メディアが発信する性情報の「歪み」を
正しく認識させることも重要。
『性情報リテラシー』が手引きとなるだろう。



Photo_3



・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
リテラシー教育はどうあるべきか?

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2012年12月28日金曜日

大分でネットいじめ講演

大分県養護教諭研究協議大会にて講演を行なった。
主催は、大分県学校保健教育研究会。



小学校・中学校の校長や養護教諭約450人へ向け、
ネットいじめの現状と対策や「性的いじめ」の問題について
お話させて頂いた。



養護教諭の方々は中学生の妊娠など、性の問題にも日々直面し、対応を模索しておられる。
『性情報リテラシー』 読みます!」との声も多数頂いた。
お役に立てれば幸いです。

Photo_3



・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
 リテラシー教育はどうあるべきか?

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ちなみに大分で頂いた関サバやカンパチは
脂がのっていながら身が締まっており、
地酒「鷹来屋」とよく合い、美味しゅうございました。





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2012年12月21日金曜日

進研ゼミ高1教材で「生まれ変わるなら男?女?」

ベネッセが発行する進研ゼミ高1講座の教材『My Vision』12月号で、
「生まれ変わるとしたら男と女どっちがいい?」という特集が組まれた。
私もコメントしている。



高1会員を対象としたアンケートによれば、
「男がいい」は58.3%、「女がいい」は41.7%。
高校生の頃から「女性は損」という考え方が染みついているとすれば
残念な結果である。



これに対し、
女性代表として私が以下のようにコメント
(男性代表は京都大学大学院の伊藤公雄教授)。



ちなみに進研ゼミといえば、
地方公立出身で塾ギライの私は
散々お世話になった記憶がある……。



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進研ゼミ高1My Vision:「生まれ変わるなら男?女?」





<質問1>現代の社会では、いまだに「男性優位」の風潮を感じる場面も多くあると思います。このことについてどのようなご意見をお持ちでしょうか? またそれはどんな場面でしょうか。





 「女性が強くなった」と巷では言われますが、現実はまだまだ男性優位の社会です。例えば、デートDV(交際相手からの暴力や精神的支配)の被害経験がある高校生は女子が33%で、男子より10%以上も多いことがわかりました(NPO法人「ウィメンズネット・こうべ」調べ、2011)。「女は男に従うもの」「愛があれば女を殴ってもいい」等の誤った思い込みが、若い男女の間にも浸透しているのです。





<質問2>これからの時代、女性が果たす役割や、活躍できる場はどのように変化していくと思われますか? 



 世の中の半分は女性なので、「同性のニーズ」を汲み取ることが出来る女性は重宝されます。東日本大震災では、避難所のリーダーが男性ばかりだったため、女性の必要とする物資が届かなかったという反省点がありました。今後は災害現場や、女性に役立つ情報を伝えるメディア、性犯罪被害の相談窓口など、同性のために活躍することを期待される場が広がっていくでしょう。



 <質問3>女性ならではの強みとはどのようなものだと思われますか?



 総理大臣は常に男性、政治家も9割は男性というこの国で、女性は「マイノリティ(社会的少数派)」と呼ばれる存在です。権力を持ちにくいからこそ、同様に弱い立場である障害者や高齢者、子どもの気持ちに寄り添えることが強みです。弱者へ配慮する眼差しは、「誰もが生きやすい社会」を作っていく上で非常に重要です。 



<質問4>男女差はなくなるべき、もしくは男女それぞれの強みを生かしていくべき、どちらのご意見をお持ちでしょうか。またそれを実現するために我々はどのような意識を持つべきだと思われますか?





 女だから、男だからという理由で、人生の選択肢が狭められてはいけません。「やりたいこと」をやれる機会は、男女同等に与えられるべきです。その機会をつかんだら、男女それぞれが自分の個性や才能を存分に生かしてほしいと思います。そのためには企業や保護者が意識を変えることが必要です。例えば就職活動では、女性の方が試験の成績が良いにも関わらず、「出産したら辞めるだろうから」と落とされるケースが目立ちます。出産後も仕事を続けられる環境を企業が整えなければ、女性たちは子どもを産む気がなくなり、少子化が進む恐れがあります。また保護者も、「女の幸せは結婚」「男は一家の大黒柱であるべき」等の偏った価値観を我が子に押し付けていないか、振り返ってみましょう。



 <質問5>「生まれ変わるなら男性派」の高校生に向けたアドバイスをいただければ幸いです



 「男性の方が生きていく上で有利」と思いがちですが、実は男性ならではの「生きづらさ」というものがあります。「男なら有名大学に進んで、大企業に入ってバリバリ稼ぐのが当然」と思われているだけに、そのルートから外れてしまった男性は「負け組」の烙印を押されがちなのです。周囲からのプレッシャーに耐えかねて家から出られなくなる男性も多く、「ひきこもり」の7割は男性が占めているのが実態です(東京都調べ、2008)。「男らしさ」にとらわれるのではなく、「自分らしく」生きるためにはどうすればいいかを考えてみましょう。 



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Photo


参考文献:『性情報リテラシー』


高校生にとってメディアは「性の教科書」です。

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