2012年8月21日火曜日

八戸市でメディア・リテラシー講演

青森県八戸市が主催する、学校教育関係者向け研修会にて
講演を行った。
「男女共同参画の視点とメディア・リテラシー」がテーマ。



メディア・リテラシーの基本的な理論や、
メディアが発信する情報に「さりげなく」盛り込まれるジェンダー表現について
お話した。



男女共同参画社会を推進する上で、
子どもに接する教員たちのジェンダー意識を高めることが重要と、
八戸市はこのテーマを企画したという。



参加者からは
「メディアから受ける影響の大きさを認識した」
「メディアの発する情報を客観的に捉えることの大切さに気付いた」
「メディア・リテラシーの重要性を改めて実感した」
などの感想が寄せられた。



ちなみに今回の講演、八戸市は
私が過去に講演を務めた地方自治体を通して
依頼してこられた。



実は最近、「他の自治体からの紹介」という形で
連絡を頂くケースが非常に多い。



光栄だが、
地方自治体同士ってライバル関係ではないんですねえ。



そうそう、滞在中に舌鼓を打ったのが
水揚げ日本一を誇るイカや、味噌たっぷりの平ガニ、濃厚なウニ。



なかでもイカは旨味が凝縮され、噛みごたえがあり、
ん~、美味しゅうございました。

そんな八戸市のゆるキャラはその名も「いかずきんズ」。
なにやら類いまれなるセンスを感じます。






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2012年8月16日木曜日

子どもたちへ3.いじめている人へ

*いじめの傍観者被害者、加害者へ向けたメッセージの完結編。
  出典は拙著 『大人が知らない ネットいじめの真実』

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>1.友人を守るために >2.いじめられている人へ





3.いじめている人へ



誰かをいじめているあなた。「いじめはいけません」と学校で散々習っただろうから、自分がやっていることは悪いことだと、頭ではわかっているはずだ。それでもいじめてしまうのは、なぜなのだろうか。



 「あいつはウザいから」「キモいから」、いじめてもいいんだと思うかもしれない。だがそれは、あなたの主観による勝手な判断だ。その人の親は、その人のことをウザいなんて思っていない。赤ん坊の頃から大切に育ててきた、「愛しい」存在だ。



その人は、あなたにウザいと思われるためにそういう言動をとっているわけではない。「ウザい」と思い込むことで、あなたは自分のいじめ行為を正当化したいのだろう。だが、どんな外見や性格も、その人の個性に過ぎない。だから、いじめる理由にはならないのだ。そもそも人間には誰にも、他人をいじめる権利がない。



例えば誰かの性格のある部分を、あなたは「嫌だ」と思うとする。もしその性格が、将来犯罪行為につながりかねないような問題のあるものだったら、先生や親が指導するだろう。あなたがでしゃばる必要はない。もし、その性格のせいでその人とはどうしても仲良くできないというのなら、口頭で柔らかく注意してみよう。でも、性格を変えるかどうかは、あくまでその人が決めることだ。あなたの思い通りにその人が変わってくれなかったからといって、仲間外れにしたりネットに悪口を書き込んだりしてはいけない。「注意」と「制裁」は別ものだ。制裁は「いじめ」であり、あなたにそんなことをする権利はない。



人間は一人一人違って当たり前。自分とは違うその人を認め、その人にもあなたを認めてもらおう。



いじめ行為は、あなたにどんな感情をもたらすだろうか。



人が苦しむのを見ると面白い? 気分がスカッとする? 



そんなふうに思うのであれば、あなたの心は、何らかの不満を抱えている。あなたは、いじめをすることによって相手よりも自分が上だと優越感に浸ったり、ストレスを発散したりしている。裏返せば、それだけ自分に自信がなく、ストレスを溜めているということだ。



そのストレスの原因は何だろう。自分の心に問いかけてみて欲しい。 などの身近な大人に愛されている実感はあるだろうか。「いい子」でいることに疲れていないか。誰かに嫌な目に遭わされていないか。



 そう、いじめをしてしまうあなたも、実は被害者なのである。ストレスに押しつぶされそうになっている現在の環境から抜け出す方法を、ここで考えよう。



 まず、あなたがいくら辛くても、他人をいじめていいわけはない。そのいじめ行為が一時的なものであったとしても、相手の心に一生にわたる傷を残す可能性がある。いじめを受けている人は勉強が手につかなくなり、成績が落ちる。食欲がわかない、眠れない、うつ状態になる、といった症状に苦しむ。ひどいときは不登校になったり、転校をしたりせざるを得なくなる。最悪の場合は命を絶つかもしれない。



 あなたがいじめを止めても、その人は簡単には回復しない。一時期受けたいじめのせいで対人恐怖や人間不信に陥り、就職してもうまく人間関係を築けず、引きこもりになってしまうこともある。あなたが軽い冗談のつもりでやったいじめが、その人の人生を狂わせるかもしれないのだ。あなたに責任がとれるのだろうか。



さらに最近は、過去にいじめられた経験を持つ少年が、無差別殺人などに手を染めるケースも発生している。いじめられた恨みは、それほど深いのだ。



あなたの辛さは、あなた自身と、その原因を作った人、身近な大人とで解決していく必要がある。全く関係ない他人を巻き込んで、ムシャクシャする気持ちのはけ口にしてはならない。



そして、周りに信頼できる大人がいるか見渡してみよう。あなたは親とうまくいっておらず、「親は自分のことをわかってくれない」と悩んでいるかもしれない。そんなときは、思い切って親にその思いをぶつけてみる。口に出して言ってみる。親だって、あなたが何を考えているのかよくわからなくて、上手に接することが出来ずにいるのかもしれないのだ。それでも改善されないのなら、先生や身近な大人に相談してみよう。大人たちの話し合いで解決する問題もあるし、状況次第では、専門機関の手も借りるかもしれない。



親以外の人から嫌な目に遭ったときは、出来るだけ親に伝えよう。遠慮することはない。親はいつだって、あなたに何でも打ち明けてほしいと思っている。



親に言う心の準備がまだ整っていないのであれば、前項「いじめられている人へ」で紹介したように、電話相談やネットで気持ちを吐き出してみるといい。誰にも言えない悩みでも、例えばブログなどに書くことで、心の中が整理される。相談に乗ってくれる人も現れるかもしれない。



 いじめ行為の重さに気づいたら、もう自分を責めるのは止そう。誰かを傷付けたい、という心があなたに育ったのは、あなたに辛い思いをさせた大人の責任だ。いじめっ子というレッテルを貼られた者を大人はただ叱り付けるだけで、その悩みに気づこうとしない。だからこそ、声を上げよう。いじめをしてしまう自分の心の奥にある淋しさや苦しさを、誰かに伝えよう。



新たに誰かをいじめる前に、あなたは、救済されねばならない。





>1.友人を守るために >2.いじめられている人へ



1



出典:
 渡辺真由子 著

 
『大人が知らない ネットいじめの真実』



 



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2012年8月7日火曜日

子どもたちへ2.いじめられている人へ

*出典は拙著 『大人が知らない ネットいじめの真実』
既に読まれた教員の方からは、「道徳の授業で使いたい」等の御連絡を頂いている。
新たに引用されたい方も、ご一報下されば幸いである。
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>1.友人を守るために <3.いじめている人へ



 



2.いじめられている人へ



いじめを受けているあなたは、苦しい日々を過ごしていることだろう。自分の性格や外見がこうだからいじめられるのだと、自分を責めているかもしれない。



 だが、あなたは全く悪くない。いじめが起きる責任は、いじめられる側にではなく、いじめる側にある。あなたがどんなことをしたとしても、あなたの家庭環境がどうであっても、いじめられていい理由にはならない。あなたは人間として、健康的な生活を営み、差別をされない「権利」を持っている。その権利を侵そうとする、いじめっ子の方が悪いのだ。



 いじめる人は、あなたを困らせて楽しんでいるだろう。ストレスを発散しているだろう。なぜ彼女ら彼らは、そのようなことをするのだろうか。



いじめる人の心は、病んでいるのだ。家庭で親とうまくいっていなかったり、別の人からいじめられていたり、無理やり勉強をさせられていたりして。いじめる人は本当は自分に自信がないので、誰かを見下すことで優越感を得たいと望んでいる。だから、いじめをするのだ。自分の不満を吐き出すために誰かを犠牲にせずにはいられない、可哀想な人たちだ。



そうは言ってもあなたとしては、加害者のストレスのはけ口にされるなんて、たまったものではない。出来れば、「これはいじめだ」と気づいた段階で、先生と親に報告しよう。あなたは悪くないのだから、堂々としていればいい。ネットいじめにしろ、実生活でのいじめにしろ同じだ。自分がいじめに遭っているのを知られることは、恥ずかしいだろうか。いじめを受けることを恥ずかしく思う必要はない。相手の辛さを思いやれずにいじめをすることこそが、人間として未熟で、恥ずかしいことなのだ。先生や親に告げれば「チクッたな」と報復されるのが心配だろうか。報復されたら、それをまた信頼できる大人に知らせればいい。大人には知恵があるから、何とかしてくれるはずだ。



特に、親など最も近くにいる大人は  、いつでも子どもの力になりたいと思っている。あなたは身近な大人に心配をかけたくなくて黙っているのかもしれないが、その人はあなたに作り笑いをされるよりも、悩みを打ち明けてもらう方がずっと嬉しい。守ってやりたいから。



どうしてもまだ先生や親には言いたくないというときは、電話相談を利用してみよう。名前を言う必要はなく、秘密厳守であなたの話を聞いてくれる。また、こんなときこそ匿名で使えるインターネットが役に立つ。いじめられている人のための相談掲示板が色々ある。あなたと同じような体験をした人から、アドバイスがもらえるかもしれない。そうやって、自分の悩みを言葉にして外に出して、誰かと共有しよう。一人で抱え込んでしまうと、心と体がそのうち悲鳴を上げる。



いじめを受けていると、学校生活は針のむしろに座っているようなものだろう。これを逃れる方法は二つある。一つは、ひたすら耐えること。冗談じゃない、と思うかもしれないが、日本人の平均寿命は約八十年。いじめに苦しむのは、長い人生の中のわずかな期間だ。加害者はいずれ、あなたをいじめるのに飽きる。そうでなくとも、学校を卒業すればおさらばすることが出来る。いじめられる立場になったことで、あなたは「心の痛み」を知った。自分がどのような言動をとれば、相手をどんな風に傷付けてしまうのか、想像できるようになっただろう。辛い思いをした者は、そのぶん他人に優しくできる。このいじめは、あなたがより心の豊かな人間に成長するためのトレーニングなのだ。トレーニングに耐え抜いた経験は、これからあなたが先の長い人生で多くの人に出会い、仕事をし、家庭をつくるなかで必ず役に立つ。だからいまは息を潜めて、嵐が過ぎ去るのを待とう。



だが、いじめの内容がちょっとやそっとの我慢でやり過ごせるものではなく、とにかく加害者にはもう会いたくないと、あなたは思っているかもしれない。度を過ぎたいじめの被害は、あなたの心身に長期的な影響を及ぼし、今後の人生をも狂わせてしまう。この場合は、速やかに避難した方がいい。つまり、学校へ行くのを止めるのだ。



学校を安全な場所にするのは先生たちの責任で、加害者にいじめを止めさせるのはその親の責任だ。いじめる人の心の病が治るまで、あなたは学校へ行く必要はない。勉強は自宅での通信教育や家庭教師、不登校者向けのフリースクールなど、様々な形で出来る。親は心配するだろうが、学校へ行っていじめられ続ける方が、よほど勉強に集中できない。



そして、いじめられた悔しさを勉強にぶつけよう 。自分に自信をつけるためと、地元から脱出するためだ。日本の社会は何だかんだ言っても、成績が良い者に有利な仕組みになっている。レベルが高い学校へ進んで、いじめた人を見返すのだ。遠方の学校を選べば、加害者から逃れることも出来る。進学が経済的に苦しい場合でも、成績が良ければ奨学金が出る。



注意しておくが、「死にたい」と思うぐらい辛くても、自ら命を絶つのは避けること。そんなことをしたら加害者の思うツボだ。いじめる人は、相手をコントロールすることに快感を味わう。自分の影響力がどれだけ強いかを、確かめたがっている。もし相手が自分のいじめのために死んでくれたら、それこそ最高の影響ではないか。



「加害者の名前を遺書に書いて自殺したら、懲らしめてやれるかもしれない。反省してくれるかもしれない」



と、あなたは淡い期待を抱くだろうか。だが、いじめ自殺事件の多くで、加害者に反省の態度は見られない。森啓祐さんが自殺したとき、加害少年たちは「あいつ死んで、せいせいした」と口にし、笑いながら棺の中を覗き込んだ。さらに啓祐さんの自殺後も、他の生徒にいじめを繰り返したという。古賀洵作さんをいじめ自殺に追い込んだ加害少年たちのほとんどは、事件直後に遺族へ謝罪することはなく、線香一本上げにも来なかった。少年院を半年で出た後は、夜の街をバイクで暴走していた。いじめ自殺事件の裁判は全国で起きているが、加害者側の大半はいじめの事実を否定し、謝罪を拒み、遺族側と争う。



 あなたが自ら命を絶てば、いじめる人を喜ばせるだけだ。代わりに、家族や親戚、友人など、あなたの大切な人たちを一生悲しませることになる。その選択は、得策ではない。





>1.友人を守るために <3.いじめている人へ



1



出典:
 渡辺真由子 著

 
『大人が知らない ネットいじめの真実』



 



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2012年7月27日金曜日

子どもたちへ1.友人を守るために

大津のいじめ自殺がマスコミに取り上げられて以来、他地域でもいじめ問題が相次ぎ明るみに出ている。折しも夏休み、子どもたちは「いじめ」について、改めて考えを巡らせていることだろう。



今回から、いじめの「傍観者」「被害者」「加害者」へ向け、3回にわたりメッセージを掲載する。思索を深める一助になればと願う。



*出典は拙著『大人が知らない ネットいじめの真実』
既に読まれた教員の方からは、「道徳の授業で使いたい」等の御連絡を頂いている。
新たに引用されたい方も、ご一報下されば幸いである。
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 <2.いじめられている人へ <3.いじめている人へ







子どもたちへ1.友人を守るために



 あなたの大切な友人がいじめられたら、どうすればいいのだろうか。その人の悲しみを思うと、辛いことだろう。あなたにも出来ることはある。



 最初は、その人がいじめられているのかどうかは、よくわからないかもしれない。あなたの目には、ただの悪ふざけに映るかもしれない。だが、やられている方は顔が笑っていても、心で嫌がっているときがある。友人がふさぎ込んだり、口数が少なくなったり、いつもと様子が違ったりしたら、「どうした」と声をかけてみよう。その人は最初、「何でもない」と言うかもしれない。いじめられているのを知られるのは、恥ずかしいのだろう。ちっとも、恥ずかしいことではないのだが。二人きりになってじっくり話を聞いてみよう。そのうちきっと、悩みを打ち明ける。本当はあなたに、気づいて欲しかったのだ。



 いじめを受けている人の心は、弱っている。悪口を言われて、自信を失くしていることだろう。でも、いじめの標的になるのは、その人が悪いからではない。どんな性格や外見であろうと、いじめられても仕方がない理由にはならない。加害者は、自分の方が他人より上に立ちたくて、一生懸命いじめる口実を作る。理由は何でもいいし、相手は誰でもいいのだ。



 だから、「私はあなたのことを何も悪く思っていない」と友人に伝えよう。「大丈夫、私がいるから」と、弱った心を支えてあげよう。



その人とは、いつも一緒にいるようにする。学校の休み時間や下校のとき。その人は、いついじめられるかとビクビクしている。一人にさせないようにして、加害者に、いじめる隙を与えないのだ。ネットの掲示板上やメールで誹謗中傷を受けているのなら、その内容を見せてもらおう。もしその子が嫌でなければ。一緒に受け止めてあげることで、辛さは半分になる。



その人といると、あなたもいじめられるだろうか。本当は加害者に「止めろ」と言いたいのに、先生に報告したいのに、自分もやられるのが怖くて出来ないかもしれない。だが、一人の加害者によるいじめ行為を、他のクラスメートみんなが見て見ぬふりをしたらどうだろう。周りで笑ったり、はやし立てたりしたらどうだろう。被害者にとっては、クラス中の全員にいじめられているのと同じだ。いじめという「ショー」において、傍観者は観客である。主人公の加害者は、観客の視線と拍手を背中に感じ、ますます張り切っていじめる。被害者は、いじめられる姿を観客の目にさらされることで、より深い苦痛と惨めさを味わう。



 



あなたが一人で加害者に立ち向かうのは、確かに簡単ではない。ならば、他の傍観者たちと一丸となってはどうか。「みんなでやれば怖くない」である。周りの人に、味方になってくれるよう頼もう。ただし、あなたが一人でいきなり傍観者集団に声をかけても、鼻先であしらわれるのが関の山だろう。多数派に安住していたいのが人間の心理だからだ。ポイントは、傍観者と「一人ずつ」話をしていくことである。傍観者も実はそれぞれ、後ろめたさを抱えている。あなたの友人がいじめを本当に嫌がっていること、皆で守ってあげたいことを伝えれば、きっとわかってくれるはずだ。名付けて、「個別懐柔作戦」。








ノルウェーでは、学校の教室全体で、いじめを許さない雰囲気作りに取り組んでいる。いじめ研究の第一人者が開発した「いじめ防止プログラム」に基づくものだ。生徒たちは次の四つのルールを習う。



・「私たちは、いじめをしない」
 ・「私たちは、いじめられている人を助ける」
 ・「私たちは、取り残された人を仲間に入れる」
 ・「もし誰かがいじめられているのを知ったら、私たちは先生と親に言う」



 学校は定期的に各教室でいじめに関する授業を行ない、生徒たちはいじめに対する自分の意見や、なぜいじめてはいけないのか、どうすれば減らすことが出来るかを話し合う。教師は、いじめに対応するための専門的な研修を受ける。保護者も学校単位と教室単位のミーティングに参加し、いじめの被害者と加害者が抱える問題や、学校がどう取り組もうとしているかを学ぶ。



 このプログラムは、ノルウェー政府の予算で国中の小中学校に導入されただけでなく、アメリカやイギリス、ドイツでも利用されている。生徒たちは教室内のいじめ行為に厳しい目を向け、被害者をかばうようになり、いじめは三〇%から七〇%減少したという



 いじめは多くの場合、先生の目の届かないところで起きる。いじめの芽を最も早くつめる立場にいるのは、あなたたち生徒だ。ノルウェーのように、教室全体でいじめに取り組むことを先生に提案してみてはどうだろう。それに子どもは、大人よりも子どもの言うことを聞くのだから。



 一方ネット上のいじめであれば、表向きは匿名として書き込むことが出来るので、あなたもかばいやすいだろう。身近な友人はもちろん、掲示板やSNSで知り合った面識のない「友だち」も、ネットいじめに遭うことがあるかもしれない。プロフのゲストブックに悪口を書き込まれたり、掲示板に実名を出されたり。そんなときあなたが出来るのは、決して同調したり、煽ったりする書き込みをしないということだ。「私も○○はウザいと思う」とか、「○○の写真貼ってよ」などと閲覧者(=傍観者)たちがけしかけると、いじめる人は調子に乗って誹謗中傷をエスカレートさせる。



 逆に、「止めろ」と書き込んでみよう。一人だけで止めようとしてもあまり効果はないので、ハンドルネームを使い分け、あたかも多数の人がいじめに反対しているように見せかける。ある学校裏サイトでは、特定の生徒が悪口の攻撃を受けていたが、他の生徒たちが加害者に向けて「こそこそ悪口言うのは止めなよ」「セコい奴」などと何度も書き込んだことで、おさまった。子どもたちの間で、自浄作用が働いたのである。また、被害者にメールなどで直接連絡をとり、相談にのるのもいい。あなたの一言が、いじめられ心細くなっている友人を、勇気付けるのだ。






<2.いじめられている人へ <3.いじめている人へ





1



出典:
 渡辺真由子 著

 
『大人が知らない ネットいじめの真実』



 



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2012年7月17日火曜日

いじめを減らすには~被害者イメージの改革&加害者ケア 【大津市いじめ自殺】

大津市いじめ自殺を特集した12日のテレビ朝日「モーニングバード」は
通常よりかなり高視聴率で、私の解説部分が最高視聴率を記録したとのこと。
皆がこの問題の行方を注視しているのだろう。



今回のケースでは
学校や教育委員会の不手際にばかり目がいきがちだ。
だが、「いじめをどうすれば減らせるか」の議論も
同時に行わなければ、この種の問題はまた起きる。



いじめ減少へ向けて、
14年間いじめ自殺事件の取材を続けている経験から
私が提案するのは次の3点。
1.学校・教員に対する評価の仕組みの変更
2.いじめ被害者に対する大人の意識改革
3.加害者ケア



1について、
学校側がいじめの隠ぺい工作に走るのは、
いじめを発生させたことに対し
「指導力不足」などの減点評価が下されるのを恐れるからである。
だが、いじめはどの学校でも起こり得るもので、
この評価は全く現実的でない。
いじめの発生件数にとらわれるのでなく、
「いじめにどう対応したか」を評価のポイントにすべきだ。
文科省が音頭をとって、仕組みの変更に取り組んでもらいたい。



2について、
いじめ被害者が周囲に相談しないのは
「いじめられっ子」に対するネガティブなイメージのためである。
「いじめられる=弱い、情けない、惨め」といったイメージが、
文科省の過去のいじめ定義や、年配の国会議員、
メディアに登場する年配男性コメンテーター等によって流布されてきた。

子どもにもプライドがある。
自分が「恥ずかしい奴」になり下がったことを、
どうして親や友人や教師に知られたいと思うだろうか。

大津市の件では
教員がいじめを認識しなかった理由として、
被害生徒が「大丈夫です」とか「いじめられていません」と答えたことを
挙げているようだ。
だがこれは、被害生徒が必死で自らの尊厳を保とうとしたのだと
私には感じられる。
自分が「いじめられっ子」であることは認めたくないし、
周りからもそんな目で見て欲しくない。



「いじめを受けることは弱くも恥ずかしくもない。
いじめる者こそが、攻撃欲求を抑えられない弱くて恥ずかしい人間なのだ」
という認識をまず親や教師が持ち、子どもに徹底して伝える必要がある。



では、いじめる者への対策をどうしたらいいのか?が
3の「加害者ケア」である。

いじめる子どもこそ、実は深刻な問題を抱えている可能性がある。
ある調査では、「家庭内での親子コミュニケーション」と「いじめ加害経験」に
関連性があることが明らかになった。
学校ではいじめ加害をする者が、別の場では被害者になっていたり、
何らかの理由で「自己肯定感」が育まれていないことも考えられる。



さらに「心の教育」も必要だ。
過去のいじめ自殺の事例でも、いじめた側は自分の行為を「冗談だった」と語った。
自分がされたらどうなるかという想像力が、子どもの心に育っていないという現実に
親や教師は向き合わねばならない。



いじめ加害者を生みださない対策として、
国内では「自分の感情をコントロールする」教育を実践したり
海外では「差別の理不尽さ」を体験させる教育を実践したりする
ケースがある。





こうした「加害者対策」を、
もっと広く取り入れていくことが、
いじめを減らす上で極めて重要だ。
加害者がいなければ、
いじめは存在しないのだから。

拙著『大人が知らない ネットいじめの真実』でより詳細に述べている。



1





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2012年7月12日木曜日

大津市いじめ自殺、警察強制捜査の意義

今朝のテレビ朝日「モーニングバード」は
大津市の中2いじめ自殺を特集し、
私もコメンテーターを務めた。



中学校や市教委に警察が家宅捜索に入った背景や、
第3者委員会を立ち上げる際に注目すべきポイント等をお話。



さて、
警察がようやく動き出したことで、
今後の焦点の1つは「加害生徒を立件するか否か」になる。



立件する場合、遺族が真実を知る道は大きく開く可能性がある。



2008年に少年法が改正されたことにより、
加害者が12歳以上であれば罪の内容次第で、
家庭裁判所が少年審判の傍聴を被害者側に許可し得ることになったのだ。



加害少年の事件記録についても、2000年の法改正以降、
原則として閲覧やコピーが出来るようになった。



私がいじめ自殺事件の取材を始めた14年前は、
少年審判は原則非公開。
遺族たちは、子どもの身に起きた真実を知るために、
それこそ事件記録を見るためだけにも
裁判を起こさなければならなかったのだ。



あれから月日が流れ、
被害者を取り巻く司法環境は確実に変わってきている。
今後の警察の対応を見守りたい。






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2012年7月10日火曜日

ニコ生で「いじめ自殺」特集番組

ネット番組「ニコニコ生放送」が
いじめ自殺をテーマに特集を組んだ
私も、いじめ自殺事件の取材を続ける立場から出演。



大津市の問題をはじめ、
続発する深刻ないじめに
学校側はどう向き合えばいいのか?
被害者が自分を守るために出来ることは?
といった点を議論した。



番組に寄せられたコメント数は9万件以上、
視聴者数も4万人以上と通常の番組より非常に多く、
普段ニコ生を見ない方々の参加も目立ったそうだ。



いじめはそもそも「加害者を生み出さない」ことが何より大事であると
私は考えている。
そのための「教育」や「加害者ケア」のあり方についても議論したかったが
残念ながら時間切れ(っていうか番組延長で23時を回り若干燃料切れ)。
また機会があればお話したい。
これらの点については、
拙著『大人が知らない ネットいじめの真実』でも詳しく述べている:



 



1_2






私がニコ生に出るのは今回が初めて。
ニコ生の最大の特徴は、
画面にリアルタイムで視聴者のコメントが流れてくることだ。
出演する者としては、それらをどんどん生放送のトークに反映させられる利点があるが、
一方でややもすれば思考が散漫になったり、
「視聴者に気に入られるような発言」をしたくなる誘惑に駆られたりと、
テレビとは異なる難しさがある。



ニコ生の会員は、約7割が10代~20代とのこと。
新聞やテレビなどの従来メディアの権威に反発する若者たちにとって
ニコ生は拠り所であり、「自分たちの味方だ」と感じている印象を受けた。
今後、「若者の声に寄り添うメディア」として
既存のマスコミとの棲み分けが更に進むのではないだろうか。注目したい。



ちなみに今回のように
急遽メディア出演が決まる場合は、
ブログでお知らせする暇がないため
ツイッターフェイスブックで告知する。
アカウントを持っていないあなたは
この機会に登録しまっし!






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