2023年12月20日水曜日

『女性の生き方とメディア~自分らしく生きる』(講演)

 

『女性の生き方とメディア~自分らしく生きるためのノウハウ~』
と題して、講演を務めた。

群馬県みどり市主催の男女共同参画講演会(法務省委託事業)にて。
市民の方約100人が対象。

「性別役割分業をはじめとした伝統的な性役割観に関し、普段から目にするメディアとジェンダーの関連についてなど、聴講者が自身の無意識の偏見に気づくきっかけとしたい。」
との御要望であった。

講演では、以下の内容をお話:

 <メディアを読み解いてみよう>
・メディア・リテラシーとは?
・ニュースの作られ方
<メディアが操る!? 女性の生き方>
・ジェンダーとメディア
①恋愛・結婚・出産
②仕事・家庭
・自分らしく生きるために

「このような切り口での講演は初めて聴きました」
と、主催者のベテラン職員の方。


 

このテーマでの講演は、「女性活躍」という言葉がまだ珍しかった10年以上前から行っているが、
メディア・リテラシー自体が、日本ではまだまだ新しい分野なのだろう。

テレビ局という安定かつ高待遇の職を捨て、海外へ飛び出した経験を持つ私だからこそ、
ジェンダー研究者として言えることがあるようにも感じている。

ちなみに本講演の企画は、
大学でジェンダーを学んだ若い職員の女性が担当したという。
行政にこうした人材が増えることで、日本の社会も女男共同参画へと、着々と変わっていくことを期待したい。

講演の模様は、上毛新聞(『女性の人生にメディア影響 ジャーナリスト渡辺さん講演』)や、両毛タイムス(画像)など、新聞各紙で報道された。

お世話になった皆さま、ありがとうございました!

 

 ジェンダー表現に関する監修・アドバイス

 

【参考文献】


『オトナのメディア・リテラシー』
渡辺真由子著

 

 

 

 

 

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2023年11月30日木曜日

『メディアと人権ジャーナル』を創刊 ~AI時代に子どもをどう守るか~

 

なにやらバタバタしており、あっという間に今年の終わりが見え始めてしまった。日々の近況はX(旧Twitter)でも発信しているので、まゆマニアなあなたはチェックをどうぞ。

さて最近、「生成AI」という言葉を聞くことはないだろうか。

AIとは人工知能のこと。
生成AIとは、さまざまなコンテンツ(絵や文章、音声など)を新たに生み出すことが出来る人工知能を指す。

この生成AIを使って、児童を性的に虐待する画像を創作し、売買する動きが、日本のソーシャルメディアなどで広がっている。イギリスの公共放送BBCが今年6月に報じた。

 「日本では、性的な漫画や子どもの絵の共有は違法ではない。」とBBCは批判する。

その後、日本の一部報道も、 生成AIで創作されたとみられる児童の性的画像が、国内サイトに大量に投稿されている実態を明らかにした。

創作された児童の性的画像(創作児童ポルノ)については、私は10年以上前から問題性を指摘してきた。日本が対策を放置し続けたことが、現在の事態を招いたといえよう。

今後はAIによるものも含め、創作児童ポルノ対策のあり方について、早急に議論を深めることが求められる。それゆえ、参考資料として論文集『メディアと人権ジャーナル』を創刊した。

創作児童ポルノをめぐる理論や、科学的データ、創作児童ポルノが影響したとみられる子どもの性被害事例等の立法事実を解説する。
「子どもをどう守るか」という政策課題を分析した上で、解決のための理論的基礎を提供し、制度改革の方向性を示すものである。

メディアと人権ジャーナル 2023 Vol.1 No.1

―― 目 次 ――

はじめに 

創作子どもポルノはなぜ問題か

1 「表現の自由」と創作子どもポルノ

(1)   表現の自由の限界

(2)  創作子どもポルノをめぐる現実と科学的データ

(3)   創作子どもポルノ問題の本質

2 子どもの性被害とメディア

(1)   狙われる子どもの性

(2)   性的メディアにおける描写の問題点

3 国際社会から日本への批判

(1)   子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議

(2)   海外の性犯罪にも使われる日本製創作子どもポルノ

4 研究の目的と手法

(1)   問題意識と研究目的

(2)   リサーチ・クエスチョン

(3)   調査手法

 ▶購入サイト

 
なお、上記は政策関係者向けのカタめの内容となっている。
一般の方向けの解説は、こちらで随時行っていく。

 

▶▶【総合解説】AI時代の創作児童ポルノ問題

 

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2023年9月25日月曜日

「ジェンダーとメディア」研修のポイントとは?(インタビュー)

 











行政や企業向けに私が講師を務めている「ジェンダーとメディア」研修について、インタビューをお受けした。
企業研修の総合メディア「キーセッション」より。

研修では、女男共同参画や女性活躍を推進するための『メディアの読み解き方』をお伝えしている。

広報物や発信コンテンツにおける、ジェンダー表現のあり方やチェックポイントについてもアドバイス。

このテーマで講演を始めたきっかけや、私からのメッセージは、記事本文でどうぞ。


ジェンダー表現に関する監修・アドバイス

 

【参考文献】


『オトナのメディア・リテラシー』
渡辺真由子著

 

 

 

 

 

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2023年9月11日月曜日

ジャニーズ問題 メディアの自己検証に求められる「ホモフォビア」対策

 「ジャニー喜多川氏による性的虐待問題を報じるべきではないか」

某キー局内の集まり。ある出席者が、局幹部に問い質した。
中学生時代に『
光GENJIへ』(北公次著)を読んでいた私は、幹部はどう返事をするのだろうと、固唾を飲んで見守った。

「関係性があるから出来ない」
幹部はアッサリとかわし、すぐ次の話題へと移っていった。そこには、報道人としての苦悶の表情も、丁寧に説明しようとする姿勢も伺えない。報道すべきかどうかという葛藤など、とっくに捨て去っていたのだろう。
もう何年も前の話である。

ジャニーズ事務所における未成年への性的虐待問題を受け、「メディアの沈黙」にも批判が集まっている。冒頭の事例からおわかりのように、メディアによるジャニーズ事務所への忖度は、長年、当たり前のように行われてきた。

今年9月にはTBS『報道特集』が、メディアの沈黙について取り上げたが、沈黙した理由については掘り下げず、「海外の専門家」や「街の声」を登場させてお茶を濁していた。

自局のプロデューサーにでもインタビューをすれば済む話だろうし、おそらく制作スタッフもそのように切り込みたかっただろう。だが、上層部から止められたのではないか。
「会社ジャーナリズム」の限界を見た思いだった。

今後メディアは、このような事態の再発防止へ向け、自分たちが取引先の性的虐待問題に見て見ぬふりをしてきたことについて、自己検証を実施しなければならない。
その際に求められるのは、メディア内の「ホモフォビア
(同性愛嫌悪)」対策である。

これまた何年も前、私が取材していた男性間のセクハラ裁判について、某有名報道番組は、マンガチックなイラストで面白おかしく報じた。
メディアが同性愛を「ホモ」として笑いのネタにする姿勢はバラエティ番組などでも頻繁に見られ、結果的に男性の性被害を矮小化してきた。
なぜ、メディアにはホモフォビアがはびこるのだろうか。

実はホモフォビアは、軍隊やスポーツチームなど、男性中心の組織でよく見られる。
そこでは「腕力」や「支配力」、そして「女性への性欲」を持つことが『正しい男らしさ』として称賛される。このため、同性を好きになる男性や、性被害を受ける男性は、「男らしくない」として揶揄の対象となるのだ。

メディアも、まさに男性が牛耳ってきた組織である。ジャニーズ事務所における男性間の性的虐待を前にして、「人権問題」と捉える意識が欠如していたことは、想像に難くない。

ホモフォビアの排除へ向け、何が必要か。
当然ながら、男性中心主義を薄めるために、幹部職の女性を増やすことが重要だ。
それにはまず、特に上層部の社員が持つ、ジェンダーをめぐる「アンコンシャス・バイアス(偏った思い込み)を解きほぐしていかねばならない。

おびただしい数の未成年の性被害者を出した今回の事態に、メディアが「自分事」としてどこまで向き合えるか。いまこそ問われている。

 

【参考】

▶マスコミ倫理懇談会「メディアとジェンダー」(講演)

▶研修「ジェンダーのアンコンシャス・バイアスとメディア・リテラシー」

 

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2023年9月1日金曜日

【緊急開催】DJへの性犯罪はなぜ起きたのか(性教育講師向け)

 








<「痴漢大国」日本に潜むもの>

今年8月の音楽イベントで、韓国の「DJ SODA」さんが性暴力を受けた事件。

世間では、SODAさんが露出が多い服を着ていたことを非難する声も上がった。

背景にあるのは、「露出が多い服を着ている女性は、触られてもいいと思っているはずだ」という考え方である。

実際に私の取材・調査では、露出が多い服装について、男子の21%が「エッチのOKサイン」と思っている、との結果が出た(大学生対象、『性情報リテラシー』渡辺真由子著)。

ところが、女子で露出服にそのような意味を持たせる人は、わずか4%に過ぎない()。

このような女男間の認識のズレには、ジェンダーや人権に関する、SNSやアダルトコンテンツなどの性情報が大きく影響していることも、取材で明らかになった。

同種の事案の再発を防ぐために、どのような性教育が必要なのだろうか? 

いまこそ求められる「性情報リテラシー®教育」について、性教育講師を対象に解説する。
性暴力のない社会を作りたいあなたはどうぞ。

☆本イベントは女性のエンパワメントを兼ねているため、女性限定です
☆「性情報リテラシー®」は性情報リテラシー教育協会の登録商標です

 

【参考文献】


『性情報リテラシー』(渡辺真由子著)
Amazon Kindle版
PDF版






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2023年8月15日火曜日

アカデミック・アクティビスト宣言

『武器としての国際人権』(藤田早苗著、集英社)を読んでいたところ、「アカデミック・アクティビスト」という言葉に出会った。

「社会に起きている問題を何とかするために研究者としてどうインパクトを与えられるか、ということに関心を持つ研究者」を指すという。

「これだ!」と私は膝を打った。

振り返れば、ジャーナリストでありながらアカデミズムにも足を突っ込んだ私は、「メディアをめぐる日本の人権状況を改善したい」との思いから、数本の論文を書いてきた。

なかでも、
「児童ポルノ規制の新たな展開ー創作物をめぐる国内制度の現状及び国際比較による課題ー

「性暴力表現を巡るカナダ法と人権」、

「性情報をめぐるデジタル・シティズンシップ教育の展望」

を書き上げた時点で自らの集大成のように感じ、すっかりプチ・リタイアの心境に陥っていたことは、本ブログ愛読者のあなたならご存知であろう。

しかしいま、改めて日本社会を見渡してみると、特にメディアの性表現をめぐる人権状況について、大きく改善しているとは思えない。

ならば私も、論文で示した提言を社会で実現すべく、動きださねばならない。

「国の中に入って活動してほしい」との御要望も一部の方々から頂いているが、私は選挙戦は性に合わず(愛想がないし)、かといってデモやロビー活動のように手足を動かすことにも向かず(体育は2だし)、粛々と書いたりしゃべったりしていくことになろう。

まずは不同意性交罪が施行されたことを受け、この秋は、「不同意性交を防ぐ性情報リテラシー教育」を指導できる人材の育成をスタートする。

そんなわけでこれからオラのことは、アカデミック・アクティビストと呼んでけろ(←『あまちゃん』の見過ぎ)。

 

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2023年7月21日金曜日

「性的同意とSNSと人権」講演(高校生向け)

『SNSとの上手な付き合い方〜お互いの人権を大事にするために〜』と題して、講演を務めた。

和歌山県内の高校による「インターネットと人権」教育のイベントで、2年生300人あまりが対象。その大半は男子生徒。

主催者の方はこちらの記事をお読みになったらしく、
「これから社会に出る高校生が身につけておくべき、ネット社会を生きる人権感覚として、LINEやSNSを使ったコミュニケーションで人権を意識すべき事を紹介してほしい」
とのご依頼であった。

夏休み目前でもあり、生徒たちが性暴力の被害者にも加害者にもならないよう、こんな内容をお話:

・LINEやSNSの特徴
・SNSがトラブルを招きやすい理由(「ネットいじめ」を例に)
・SNSリテラシーとは
・2大トラブルの現状とリテラシー
 ーリベンジポルノ・自画撮り被害
 ー性情報の誤解(誘い方編・避妊編)
・被害の相談先
 
ちょうど今月「不同意性交罪」が施行されたので、その概要も解説。

若者の間で同意のない性交が当たり前とされがちな背景には、メディアが発信する「誤解だらけの性情報」の存在がある。
性情報をうのみにせず、自分の頭で読み解くメディア・リテラシー(性情報リテラシー®)を身に付けることで、「性的同意」をしっかり取れる人間になってもらいたい。
特に男子はアダルトメディアを目にする機会が多いので、この点を教えることは大事。
 
夏休み前にSNSの危険性と性被害の状況を知る事ができ、良かったです」と主催者の方。
高校生のみなさん、イロイロ気をつけてハッピーな夏を!
 
ちなみに今回の講演は、和歌山といえどオンラインだった。
機会があれば、熊野古道などを巡ってみたいものである。


【参考文献】


『性情報リテラシー』(渡辺真由子著)
Amazon Kindle版
PDF版






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2023年7月7日金曜日

『メディアが子どもに与える影響と対策』講演(幹部教員向け研修)

『メディアの表現が子どもに与える影響~情報に潜んだ真意を見抜く~』と題して、講演を務めた。

千葉県教育研究会の合同研修会にて。

県内から、小中学校の校長ほか管理職員の方々、約100人がご参加。

・メディア・リテラシーとは? 
・メディアが子どもに与える3大影響
 -ジェンダー
 -いじめ
 -LGBTQ
・メディアに左右されない子どもを育てる

……といった内容を、解説させて頂いた。

「お話を聞きたいと、職員たちからお名前が挙がっていました」
「非常に分かりやすくお話頂き、とても勉強になりました」

と主催者の方。恐縮です。

今回の講演は、参加できなかった教職員の方々のために
YouTubeで限定配信されるとのこと。

最近はこのように映像化されることが増えてきて、
何かと気を抜けない(ナニに?)。

ちなみに千葉県といえば、昨年も教職員組合で
『ネットいじめと大人の役割』について講演させて頂いた。

「子どもの人権」を尊重することに、熱意をもって取り組んでおられる県とお見受けする。

お世話になった皆さま、ありがとうございました!


【参考文献】


『オトナのメディア・リテラシー』
渡辺真由子著

 

 

『大人が知らない ネットいじめの真実』
渡辺真由子著







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2023年6月20日火曜日

「G7で日本だけ②」子どもの性と国際人権

小学生が強制性交等の犯罪被害にあった認知件数が、2022年は132件と、前年に比べ2割近く増えたことが明らかになった。中学生に至っては213件と、4割近い伸びである(警察庁、2023)。

なぜ、子どもの性被害は増える一方なのか。その背後に何があるのか。

前回述べたように、今月は日本が議長国となってジェンダー問題を話し合う、「G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合」が開催される。

これを機に「子どもの性と国際人権」への理解が深まるよう、 以前に週刊誌『AERA』でインタビューにお答えした内容を初公開しよう。

 

<日本の性・暴力表現は基準があいまい。「世界基準」へ、作り手が変わらねば>

Q.クールジャパンと称される日本のマンガやアニメについて、表現に関する日本の常識と、海外での常識はかなり違うのか

A.例えば日本で人気のマンガ「ワンピース」も、欧米では流血シーンでの血が消されていたり、ヒロインのミニスカートが、ひざ下の丈になっていたりする。「ドラえもん」のしずかちゃんが入浴するシーンでは、しずかちゃんが水着を着ていたり。

Q.日本の性表現や暴力表現の基準は、他の先進国に比べると緩いのか

A.日本は基準があいまいだ。放送法や民放連(日本民間放送連盟)が放送の基準を設けているが、具体的に何をやってはいけないのかということは、あまり書かれていない。例えば民放連が定める性表現の基準のうちの一つに「性に関する事柄は、視聴者に困惑・嫌悪の感じを抱かせないように注意する」とあるが、どこまでの表現が、困惑と嫌悪の感じを抱かせないかは、難しい。

日本だと、結局のところ、性的な部位の映り方が問題になる。多少、性的な仕草をしていても、性器が強調されていないなら、ある程度着衣をしているなら、児童ポルノではないと判断されることもある。

Q.では、性表現や暴力表現について、メディア規制を厳しくしている国と日本とだと、何が大きく違うのか

A.創作物を規制しているかどうかだ。イギリスやフランスだと、子どもを性的に虐待、搾取する表現を含む創作物の所有などを禁止しているが、日本だと、アニメやゲームなどに実在の子どもが登場しなければOK。もちろん日本での性表現の基準をクリアしなくてはいけないが、実は、日本は国連から何度も、アニメやゲームにおける女性や子どもへの性表現が人権を侵害していると、勧告を受けている。でも改善していない。

Q.人権意識の高い社会にするために、まず何が必要か

A.メディアにおける人権侵害の表現に、規制を設ける必要もあると思うが、まずはメディアの作り手が変わっていくといい。どの表現が人権侵害になりうるのか敏感になり、人権を侵害するようなコンテンツを作ってはいけないという意識を、作り手が持つべきだ。

(『AERA』2016年1月18日号、朝日新聞出版/一部修正)

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2023年5月16日火曜日

「子どもへの性的虐待は娯楽」とする描写物と日本 ~AI時代に子どもをどう守るか①

 

今月開催されるG7広島サミットに鑑み、G7で日本だけがLGBTの権利保障がないことが問題視されている。

実はもう1つ、日本だけが取り組んでいない国際人権課題があるのをご存知だろうか。 

実在しない子どもを性的に表現するマンガやアニメ、ゲーム等の描写物(創作児童ポルノ)をめぐる対策である。

「クールジャパン」として世界的な人気を誇る日本製コンテンツの影の部分として、今回のG7サミットに前後し、改めて国際的な注目を集める可能性がある。

折しも6月には、日本が議長国となってジェンダー問題を話し合う、「G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合」が開催予定。

本サミットが、子どもの性の尊厳が守られる日本社会へ向けた契機となることを願う:

 

<論考>
「子どもへの性的虐待は娯楽」とする描写物と日本
G7サミットを前に、国際人権課題を考える~

小学校の教室で、男性教師が女児たちと次々に性行為をしている。
男児が家庭教師の男性に下半身をもてあそばれ、調教されている。
ランドセルを背負った女児が男性たちに車に連れ込まれ、性的暴行を受けている。

このような表現を、私たちはいま……続きを読む

 

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