2021年7月20日火曜日

大学で「アスリートの性的画像問題とジェンダー」講演


甲南大学にて、『SNS・インターネットがはらむ危険性~ネット・リテラシーについて~』と題し、講演を務めた。

「課外活動安全講習会」として開催されたイベントで、課外活動団体の指導者および幹部学生、約180人がご参加。

コロナ禍の影響で、学生たちの間に「オンライン新歓」やSNSの活発な利用が広がるなか、 個人情報の流出や不適切な画像の取扱いに注意喚起してもらいたい、とのご依頼であった。

さらに、同大学はスポーツ強豪校であるため、最近問題になっている「アスリートの性的画像」の盗撮についても、現状と対策をめぐる解説を希望された。

アスリートの性的画像に関するリテラシーとして、まず知るべきなのは、
ユニフォームと「多様性」の関係である。

IOC(国際オリンピック委員会)の『ジェンダー平等報告書』(2018)は、
ユニフォームに「男女間の不当な違い」がないことや、
ユニフォームの選択が「アスリートの考え」に基づくことを推奨している。

一方、日本の女性アスリートは、露出度の高いユニフォームに抵抗を感じつつも、
所属団体などの意向を気にして、なかなか声を挙げられないことがある。

はたして日本のスポーツ界は、アスリートがユニフォームについて自分の意見を言えたり、選べたりする環境を整えているだろうか。

さらに、競技関係者や学生に対する「ジェンダー研修・教育」も、
性的画像のリテラシーを高める上で不可欠だ。

アスリートが「性的対象物」としておとしめられる背景には、
我々の社会における「ジェンダー観の偏り」が潜む。
これを是正していくために、メディアにもスポーツ界にも、そして個人にも、
出来ることはある。

例えば、競技団体によっては公的な撮影の場で、女性アスリートに、
性的に切り取られやすいポーズをさせている例も見受けられる。
アスリートは立場上「ノー」と言いづらいだけに、幹部らの一層の配慮が必要だ。

さて、質疑応答時には、指導者の方々より
「学生から相談を受けたときの対応方法」についてお尋ねがあった。
対応方法がまずいと、その学生は2度と相談してこない。
私からは、「学生を二次被害に遭わせない」ための心構えを、お話させて頂いた。

「講演会後、早速複数の参加者から感想などが寄せられ、非常に意義のある会であったと実感しております」と主催者の方。
こちらこそ、ありがとうございました。

ちなみに、甲南大学は神戸に位置する。
関西育ちの私としては、久々に六甲山のロープウェーに乗りました……
と言いたいところだが、今回は丸の内キャンパスからのリモート講演であった。

また、同大学からは青山華依選手が、
東京オリンピックの陸上女子400メートルリレーに出場するとのこと。
ご健闘をお祈りします!


【参考文献】
『リベンジポルノ~性を拡散される若者たち~』(渡辺真由子著)

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%8E%E2%80%95%E6%80%A7%E3%82%92%E6%8B%A1%E6%95%A3%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90/dp/4335551754/ref=as_sl_pc_tf_mfw?&linkCode=wey&tag=mediaw-22

 

 

 

 

 

 

 

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2021年7月15日木曜日

発信コンテンツにおけるジェンダー表現のあり方(監修)

 某大手情報サイトを運営する企業から、
「発信コンテンツにおけるジェンダー表現を監修してもらえないか」との
ご相談を頂いた。

そのコンテンツのテーマは「恋愛・結婚」。
確かに、なにかとジェンダー表現が偏る分野である。

企業側としては、媒体や制作物の文章、説明用のイラストなどに関し、表記のガイドラインを新たに作成したいという。性差別的な表現や、業界的なワード・マナー・風習などの表現も、アップデートしたいとのこと。

「恋愛・結婚」をめぐるビジネスは、旧来の"男性性"や"女性性"に根差したマーケティングがされがちな部分もあろう。

しかし、「ダイバーシティ(多様性)」や「インクルージョン(包括)」の必要性をめぐる認識が世界レベルで高まっているいま、日本企業もいつまでも変化を拒んではいられない。

「気づいた」企業が増えれば、新しい流れが生まれる。
先日のテレビ番組でコメントしたような広告や発言もなくなり、ジェンダー平等な国へとステップアップしていく。

楽しみじゃ、あ~りませんか(チャーリー浜氏風)。


ジェンダー表現に関する監修・アドバイスについて

 

【参考文献】

『オトナのメディア・リテラシー』(渡辺真由子著、リベルタ出版/電子版)








 

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