2023年2月7日火曜日

「メディア・SNSと女男共同参画」講演(大阪)

『メディア・インターネットを賢く読み解く!~男女共同参画の視点から~』と題して、講演を務めた。市民の方約100人が対象。

主催は大阪府泉大津市。
うちは子ども時代に奈良県に住んでいたので、関西弁が懐かしいですわ。

 

お話したのは、以下のような内容:

 

<メディアと男女共同参画>
メディア・リテラシーとは?
ジェンダーとメディア
<ネット時代の人権>
SNSリテラシーとジェンダー
-リベンジポルノ・自画撮り被害
<広告を読み解く>
広告リテラシーとジェンダー
誇大・偽装広告
 
テレビや新聞、ネットにみられる様々なジェンダー表現(女性・男性の性役割の描かれ方)をめぐる偏りについて、具体的な事例を挙げながら、対策としてのメディア・リテラシーを解説。
 
SNS上でも、ジェンダー意識による人権トラブルは起きている。
私の取材に基づき、リベンジポルノや自画撮り被害について、現状と対策を紹介した。

さらに今回の講演会は、市民消費者講座の一環でもあるとのことで、「広告」に着目。
チラシやネット広告に氾濫するジェンダー表現に加え、誇大・偽装広告の問題も取り上げた。

「広告のテクニックに、自分がいかに踊らされていたかに気づきました」
「メディアが、男女共同参画に大きな影響を与えていることがわかりました」

……などと感想を頂いた。

「『アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)』も、メディアから作られているように感じました」との声も。

その通り。アンコンシャス・バイアスの最大の作り手はメディアといっても、過言ではない。
詳しくはこちらで述べている。


【参考文献】

 メディアが社会の偏見(アンコンシャス・バイアス)に与える影響を、現場の実情と理論から解説:
『オトナのメディア・リテラシー』(渡辺真由子著、リベルタ出版/電子版)





https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%8E%E2%80%95%E6%80%A7%E3%82%92%E6%8B%A1%E6%95%A3%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90/dp/4335551754/ref=as_sl_pc_tf_mfw?&linkCode=wey&tag=mediaw-22 『リベンジポルノ~性を拡散される若者たち~』(渡辺真由子著、弘文堂)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

▶このブログの更新チェックが面倒なあなたはこちら↓

メルマガ購読・解除

 

▶「メディア・リテラシーとジェンダー」をオンラインで学ぶ

 

 





性的同意とメディア






 

 

 

講演のお問い合わせ

渡辺真由子 公式サイト

http://www.mayumedia.com/



 

2023年1月18日水曜日

不機嫌なオンナたち【メディアの中の女と男①】

「夫以外の男とのセックスは、どうしてこんなに楽しいのだろうか」

林真理子氏の人気小説『不機嫌な果実』の映画化(1997年)に際してのキャッチコピーである。夫以外の男と……。そりゃあ楽しいだろう。多くの女性はニヤリとしたに違いない。

ところがこのコピーを見て、ニヤリどころかカンカンになってしまった人たちがいる。JR東日本のおエライ男性方だ。彼らはあろうことか、このコピーが書かれた映画宣伝用広告を社内吊りにすることを、拒絶したという。他の私鉄や地下鉄は問題なく受け入れているのに、である。JR東日本が主張する理由は「公共の倫理に反するから」。コウキョウノリンリ?

いったいJR東日本の「倫理」を測るものさしは何なのだろうか。私は別に、夫以外の男と寝ることが非常に道徳的に正しいと言いたいのではない。だが、JRの車内で日頃吊られている様々な広告の方が、この映画広告よりも倫理的に高いレベルに位置するとは、どうしても思えないのである。

男性のプライドを脅かす力に反応

山手線に乗って車内を見渡してみよう。男性コミック誌の広告では、水着姿の若い女性がポスターいっぱいに寝そべって、これでもかと肌を露出している。それはそれはド迫力だ。男友達と一緒のときにこんな吊り広告の側に立ってしまったら、私はどんな顔をすればよいのだろう。自分が子どもを持ったとしても(男の子であろうと女の子であろうと)、絶対にこんな広告を目に触れさせたくない。視覚に直接訴えてくる刺激的なグラビア広告の方が、一行のコピーよりも倫理にかなっているというのだろうか。

グラビアだけではない。男性週刊誌広告の見出しも、乗客の目を引くためにますます過激さを競い合っている。「辱められて歓ぶ女子高生」「人妻と白昼の××」……枚挙にいとまがない。中には犯罪スレスレのような誘い文句を並べたてたものもある。それでもこれらのコピー(見出し)よりも、「妻たちの本音」をちょっとあらわにしてみた一文の方が、非倫理的だというのか。

男性側のメディアが発信してきた”女性の性をもてあそぶメッセージ”はさんざん野放しにしておきながら、自分たち男性のプライドを脅かすような力には神経質に反応する。そして権力をもってこれを抑えつけようとする。JR東日本の、底の浅い自分勝手な”倫理観”を目の当たりにした思いだ。

『不機嫌な果実』と『失楽園』にみるダブルスタンダード

しかしながら果たして、このような偏った倫理観は、JR東日本に特有のものなのであろうか。『不機嫌な果実』の映画化より数ヵ月前に、『失楽園』が大ヒットとなった。日本中に失楽園旋風が吹き荒れ、雑誌では「男のための”失楽園”指南」などという特集が組まれたりもした(もちろん中吊り広告の見出しにも登場)。中年の男性が妻以外の女性と恋に落ちる話だが、なぜかこの場合だと、男性のしていることは”純愛”であるとして世間の支持を得るのである。

同じようなことを『不機嫌な果実』では女性主体で描いているわけだが、これだと”不倫”として扱われてしまう。女性に限り、配偶者以外の人間と関係を持つのは許されないこと――これはすなわち、日本が古く儒教文化から引きずってきた女への貞操観念、男に仕える役割の押し付けに他ならない。

今回のJR東日本による拒絶騒動は、日本社会に依然としてこのような女性に対するカビ臭い価値観が残っていることを、はからずも露呈する結果となってしまったのではないだろうか。

夫たちが気づくべきこと

「自分は女遊びはするが、女房が浮気するのは許せない」などと思い込んでいる男性は、なぜいま『不機嫌な果実』がこんなにも女性の間で人気を呼んでいるのか、考えてみるとよい。妻が自分のもとを去るか否かは広告の影響なんかではなく、我が身の魅力によるということに、早く気づかなければならない。もっとも、たった一行のコピーにビクビクするような夫君は、いまさら気づいたって遅いかも。

(渡辺真由子、1997)


*資料を整理していたら、25年前に書いたメディア批評が複数出てきた。オーストラリアの大学で女性学や発達心理学を履修して帰国後、とある事情によりテレビ局向けに送ったもの。今後、随時掲載する。それにしても四半世紀前から同じことを言っとるばい。


▶このブログの更新チェックが面倒なあなたはこちら↓

メルマガ購読・解除

 

▶「ネット・トラブルと子どもの心」をオンラインで学ぶ

 

 





性的同意とメディア






 

 

 

講演のお問い合わせ

渡辺真由子 公式サイト

http://www.mayumedia.com/



 

2023年1月10日火曜日

40代からの茶道と禅語

 

明けましておめでとうございます。
今年もご一緒に、「人権尊重社会」の構築に取り組んでまいりましょう。

さて、このブログを愛読くださっているあなたには申し訳ないが、昨秋以降はほとんど更新する時間をとれなかった。
というのも、私が4年前から通っている茶道教室では、新年の初釜で、その年の干支の者が点前を務めることになっている。

何を隠そうウサギ年の私は、見事に両耳をつかまれてしまった。そこから、猛特訓の日々を過ごしていたのである。

思い返せば茶道と出会ったのは2018年、43歳の春。テレビ局を辞めて留学したカナダから帰国し、ジャーナリスト・研究者として活動を始め、10年が過ぎた頃であった。

一通り仕事でやりたい事をやり、言いたい事を言って一区切りつき、早くもプチ・リタイアの心境に入っていた。「何か新しいことに手を付けてみたい」と考えたとき、ふと頭に浮かんだのが茶道だったのだ。こちらで述べたように、茶会に招かれる心構え、という理由もある。

茶道をはじめ様々な芸事を愛でていた、美術館長の祖父のDNAがうずいたのかもしれない(その割に孫はガサツ)。 


人生経験をある程度積んだ40代で、茶道を始める利点とは何か。
私の場合、「禅語」の深さが味わえるようになったことである。

禅の思想を短い言葉に凝縮した禅語は、茶道において、茶席の掛け軸や茶杓の銘で使われている。稽古でも、自分が点前をするときは茶道具の銘を考えておかねばならない。 おかげで、禅語辞典と首っ引きで、あの語にするかこの語にするかと頭をひねるようになった。

禅の言葉は、基本的にポジティブ。
広い心で、万物を愛する。悩みや苦しみにも意味がある。誰もがありのままでいい。

……ほら、大人のあなた、染みるでしょう。

最近私が気に入ったのは「柔軟心(にゅうなんしん)」という禅語。
文字通り、「柔らかい心で向き合う」という意味。

人間は一人ひとり、生きてきた背景が違えば価値観も違う。
自分は正しいと思うことでも、相手には受け入れがたいことかもしれない。
正論を押し付けるのではなく、まずはしなやかな心で、相手の思いを受け止めよう、と。

これ、「論破」ブームのいまこそ、自戒すべき言葉ではないだろうか。
大手出版社の編集者までもが「あの著者をどう論破するか」と話すのを聞いて、危うさを感じたものよ。本は著者のものじゃないんですかねえ……おっと余談。

そうそう、肝心の初釜点前はどうだったかって?
途中ハラハラする部分もあったが、なんとかやりおおせました。
こういうのは場数を踏むことが大事だと思うので、また機会があれば点ててみたいどす。
今年、お茶席を設けたいという方は、お声かけくださいまし(気軽なお席でお願いします)。


▶このブログの更新チェックが面倒なあなたはこちら↓

メルマガ購読・解除

 

▶「ネット・トラブルと子どもの心」をオンラインで学ぶ

 

 





性的同意とメディア






 

 

 

講演のお問い合わせ

渡辺真由子 公式サイト

http://www.mayumedia.com/



2022年10月19日水曜日

「性情報への対処」を指導できる教育者へ

東京都渋谷区役所職員の29歳の男が今月、準強制性交の疑いで逮捕された。交際相手の20代の女性に自宅で睡眠薬の入ったミルクティーを飲ませ、性的暴行を加えたとされる。
この事件が、私が学長を務める大人の学び舎『銀座MAYUMEDIAカレッジ』(Mカレ)で話題に上った。

Mカレでは、助産師・看護師・養護教諭などの医療職や、国家公務員・大学教員、さらにはPTA会長や警察出身者など、「子どもと性」に関わる人々が、全国からオンラインで学んでいる。今学期は『開発!性情報リテラシー教育』の授業がスタート。メディアが発信する性情報の影響実態や「性的同意」について、ディスカッションを行った。

恋愛マニュアルに関する性情報の王道といえば、「家に来る女子には、性交する気がある」というもの。つまり、家に来た時点で「同意」が成立している、とみなすよう指南する。家に誘う口実としては、「一緒にDVDを見よう」「飲みなおそう」などの文言が推奨されている。

報道によれば本件の容疑者も、「一緒に映画を見よう」と相手女性を自宅へ誘ったという。ところが、彼女は自宅には来たものの、性行為は嫌がった。仮に容疑者がメディアの性情報を参考に動いていたのだとすれば、想定外の展開に戸惑ったかもしれない。

その後、容疑者は彼女に睡眠薬の入ったミルクティーを飲ませ、犯行に及んだとされる。そこには、相手から性的同意をとろうとする姿勢は微塵もみられない。

メディアの性情報には、性をめぐるコミュニケーションについて、現実の人々の心とはかけ離れた内容や、相手の尊厳を重んじない内容があふれている。こうした性情報への対処について、学校や家庭で大人が教えていくことが必要だ。文科省の中高生向け学習指導要領も、性情報への対処について指導するよう述べている。

子どもたちが性情報に適切な対処をできるために重要なのは、 AVやネット・SNSなどの性情報をうのみせず批判的に読み解くメディア・リテラシー、すなわち「性情報リテラシー」能力だ。

Mカレは2020年の開校以来、性情報リテラシーを養う教材を開発する、日本初の取組みを実施している。今学期はどのような教材が仕上がるのかが楽しみだ。子どもたちに性情報を読み解く目を育てることで、誤った性情報からの影響が疑われる性暴力が、根絶されることを願う。

 

 【参考文献】

渡辺真由子「メディアの性情報と性情報リテラシー ~性教育にメディア・リテラシーを~」(『現代性教育ジャーナル』、2013)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶このブログの更新チェックが面倒なあなたはこちら↓

メルマガ購読・解除

 

▶「性情報リテラシー教育」をオンラインで学ぶ

 

 



性的同意とメディア






 

 

 

講演のお問い合わせ

渡辺真由子 公式サイト

http://www.mayumedia.com/



2022年9月6日火曜日

ネットいじめとSNSリテラシー教育(教員・保護者向け講演)

 


「深刻化するネットいじめ その現状と大人の役割」と題して、講演を務めた。

主催は千葉県教職員組合の夷隅(いすみ)支部。
教職員や保護者の方々約500人がご参加。
コロナ下のため、会場からのオンライン中継となった。

●スマホ・SNSは「いじめ」をどう変えたか
●ネットいじめの手口
●大人はどんな対策が必要か?
 -応急処置法
 -根本解決法

 ……などをお話。

ネットいじめの手口の一つとして「性的ないじめ」(というより性犯罪)も取り上げ、旭川女子中学生凍死事件などの事例を紹介しながら、対策としての「性と人権」教育のあり方についても述べた。
「性教育は人権教育」ですからね、みなさん!

「これまで受けてきたSNS研修の内容とは切り口が異なり、具体的でわかりやすかった」とのご感想が。

私はジャーナリストとして数々のいじめ問題を取材し、当事者の生の声を聞いてきた。
このため講演の場では、SNSリテラシー教育のノウハウにとどまらず、子どもたちの「心」についてお伝えするようにしている。

 「こんなに深く斬り込み、突っ込んだ話をしてくれて良かった」とのご感想も。

忖度一切ナシというのが、各種業界と利害関係のない一匹狼の強みであろう。

主催団体では拙著『大人が知らない ネットいじめの真実』『リベンジポルノ~性を拡散される若者たち~』を購入くださっており、早速サインさせて頂いた。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%8E%E2%80%95%E6%80%A7%E3%82%92%E6%8B%A1%E6%95%A3%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90/dp/4335551754/ref=as_sl_pc_tf_mfw?&linkCode=wey&tag=mediaw-22

お世話になった皆さま、ありがとうございました!

余談だが、夷隅支部エリアの勝浦市は、私もプライベートで度々訪れる土地である。
生の鰹の美味しいことといったら。

地元の方によると、そろそろ「戻り鰹」の時期だそうなので、お好きなあなたは是非。



▶このブログの更新チェックが面倒なあなたはこちら↓

メルマガ購読・解除

 

▶「ネット・トラブルと子どもの心」をオンラインで学ぶ

 

 





性的同意とメディア






 

 

 

講演のお問い合わせ

渡辺真由子 公式サイト

http://www.mayumedia.com/



2022年7月19日火曜日

高偏差値大学生による性暴力事件と「性の尊厳」教育


 『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ著、文藝春秋)を読み終えた。2016年に発生した、東京大学生による集団わいせつ事件に着想を得た小説である。

「主人公の女性がいずれ性被害を受ける」とわかっていながら、彼女のほのぼのとした日常を読み進めるのは、気が重かった。だがこうした描写こそが、この小説の最大の効用と考える。こちらでつぶやいた通りだ。 

 さて、高偏差値大学生による性暴力は、同じく2016年に慶応大学生による集団性的暴行事件(私のコメントはこちら)、今年に入ってからも滋賀医科大学生による集団性的暴行事件が発生するなど、収まる気配がない。

 

エリート予備軍の学生というのは社会を動かす立場になり得るだけに、「人間の尊厳」について理解を深めておくことが求められるはずだ。さもなければ、貧困や虐待、障がい、犯罪被害の当事者など、「自分とは違う」人々の気持ちをすくい上げ、それに寄り添う社会を作り上げることはできない。

 しかし、一連の事件で加害学生たちは被害者を、自分の嗜虐性を満たす玩具(モノ)として扱っている。 尊厳とは真逆の行為である。

我々の社会は、学生たちに高偏差値をとらせるための教育はしても、尊厳、特に「性の尊厳」についての教育は乏しい。これが、一連の事件の最大の要因ではないか(本書のトークイベントで東大関係者も、セクハラ対策は全くできていなかったと認めている)。

  では、「性の尊厳」教育とはどのようなものか。キーワードは、「性的同意」と「メディア・リテラシー(メディアの読み解き能力)」である。

本書で私が気になったのは、被害女性に対する世間のバッシングの凄まじさだった。

「相手の家にのこのこついていった女が悪い」という意見が圧倒的。実際に事件当時も、そのような批判がネットにあふれかえったという。

「家の中」で被害が発生したとき、この種のバッシングは起きやすい。上述の滋賀医大生による事件でも、やはり同様の批判がネットに書き込まれた。 

「女性が家に来たら、性行為に同意している」というメッセージが、いかに信じ込まれているかの証である。このメッセージには、「性行為をするにあたって、相手の同意を言葉で丁寧に確認しましょう」との配慮は全く込められていない。

こうしたメッセージを30年以上前から流布してきたのが、AVや雑誌、ドラマ、漫画などのメディアだ。最近は、ネット掲示板やSNSなどの「新しいメディア」に受け継がれている。

現実の女性にとって、相手の家へ行くことは必ずしも性行為への了解を意味しない。
彼女が同意したのは「家へ行く」ことだけであって、その先の「性行為をする」ことではないからだ。

そもそも多くの男性は家に誘う段階で、性的目的を隠し、「飲みなおすだけ」「DVDを見るだけ」などと嘘をつく。この手法も、メディアがかねて指南するものだ。

嘘をついた加害者よりも、それを信じた被害者が責められるのは甚だおかしい。

 「家へ行く」こと自体が、被害者の意に反している場合もある。「ノー」と言っているのにタクシーに押し込まれる、手やバッグを引っ張られる、1人暮らしの家に強引に上がり込まれる……。加害者には、被害者のノーを尊重しようとする気持ちも、同意をとろうとする気持ちも微塵もない(滋賀医大生による事件でも、被害者は加害者の部屋へ行くよう、エレベーター内で脅迫されたと報じられている)。

「女性のノーはポーズだから軽んじていい」というのも、やはりメディアが広めてきたメッセージなのだ。

 このように、性的同意をめぐるメディアの性情報には様々な危うい誤解がある。それらを鵜呑みにせず、性の尊厳を重んじられる子どもや若者を育てるために、メディアの性情報を読み解くリテラシー教育、すなわち「性情報リテラシー」教育が必要だ。

特に、偏差値教育に偏りがちで、性に関して傲慢になりがちなエリート予備軍の学生に対してこそ、性教育に「尊厳」の観点を導入することを求めたい。

 

【参考】「不同意性交」を防ぐ性教育とは? ~メディアの性情報対策としてのリテラシー育成(総合解説)~

 

 

▶「性教育とメディアと人権」をオンラインで学ぶ

 

 




 

▶このブログの更新チェックが面倒なあなたはこちら↓

メルマガ購読・解除


性的同意とメディア






 

 

 

講演のお問い合わせ

渡辺真由子 公式サイト

http://www.mayumedia.com/






2022年6月6日月曜日

「フェイクニュースに惑わされないメディア・リテラシー」(シニア向け講演)

なかなかブログに手を付けられないな~と思っていたら、あっという間に関東が梅雨入りしましたね。

さて先日、『フェイクニュースに惑わされないメディア・リテラシーを身に付ける』と題して、講演を務めた。

東京都三鷹市の「公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団」が主催する、市民大学にて。
対象は、60歳以上のシニアの方々100人あまりで、最高齢の方は90歳を超える(!)。

三鷹市の市民大学では2018年にも、幅広い世代を対象に「ネット時代のメディアリテラシー」についてお話したことがある。
今回は特にシニア層へ向け、「フェイクニュースに惑わされずに、メディアと向き合い、メディアを読み解く力を養うにはどうしたらよいか」を解説してほしいとのご依頼であった。

・ネット・リテラシーとは?
<受信者編>
・フェイクニュースを読み解く
・ネット世論の作られ方
<発信者編>
・フェイクニュースを受け取ったら
・個人情報流出のリテラシー
・ワークショップ

……といった内容をお話。

「ひとつひとつの言葉をしっかり説明してくださったので、シニアにはハードルの高いカタカナ語ですが、とてもわかりやすく聞けたようです。」と主催者の方。

 

参加された方々からも、多数のご感想を頂いた:

・フェイクニュースについて良く理解できました。また講師の方の話し方がはっきりしていて分かり易かったです。

・ネットの利用方法の重要性について非常に参考になり、気がつかなかったことについて注意していきたい。

・興味のある話題でした。とても楽しく聞くことができました。改めて情報の大切さを感じました。

・横文字の意味が良くわかった。楽しく使いたいと思います。

・理解しやすいようにていねいに説明していただいた。

・投稿は難しくて何度か挑戦したが、つながらず諦めた。それでも心構えとして、気を付けようという思いは強く持てるようになったと思う。ありがとうございます。

フェイクニュースに惑わされないように良く見極めてネットニュースなど見たい。

・今迄ネットは恐ろしいと思っておりましたが、見方について大切な点を教えて頂きました。

・聞き易く解りやすいお話でした。ありがとうございました。

・小生自身はSNSを利用することはないが、孫に注意したい。

・孫娘に話して聞かせたい内容でした。

SNSの効果、問題点を改めて確認できた。

・フェイクニュース、少しは気を付けているんだけども、もうちょっと気を付けてみます。

・毎日、PCやスマホを利用して情報に接している上で、ニュースソースには注意を払っているが、渡辺先生のお話には大変感銘を受けました。早速実践に移したいと思います。

大変参考となり、考えさせられる講義でした。

・ネット・リテラシー、きちんと理解して対処していく事の大切さを感じる。

・ネット社会の中で色々とわからない事が多く、勉強になりました。

 

 
ちなみに参加者には、インスタグラム、フェイスブック、ツイッターをすべて利用されている、「SNS猛者」もおられましたよ。
 
お世話になったみなさま、ありがとうございました!
 
 
 【参考文献】
 
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%8E%E2%80%95%E6%80%A7%E3%82%92%E6%8B%A1%E6%95%A3%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90/dp/4335551754/ref=as_sl_pc_tf_mfw?&linkCode=wey&tag=mediaw-22 『リベンジポルノ~性を拡散される若者たち~』(渡辺真由子著、弘文堂)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

▶SNSトラブルをオンラインで学ぶ

 

 




 

▶このブログの更新チェックが面倒なあなたはこちら↓

メルマガ購読・解除


性的同意とメディア






 

 

 

講演のお問い合わせ

渡辺真由子 公式サイト

http://www.mayumedia.com/