2022年4月25日月曜日

言葉のジェンダー表現(Q&A解説メモ)

 「言葉のジェンダー表現」について最近、メディアや行政からお尋ねを諸々頂くので、簡単な解説メモをのせておく。

関係者の方は、お問い合わせの前にこちらにお目通しを。
なお、引用される場合は出典の明記が必要です:

 

Q. ジェンダー表現が問題視され始めたきっかけは?
A. 古くは1975年の食品メーカーのCM「私作る人、僕食べる人」。
その後、匿名SNSの普及や2017年からの#MeToo運動を機に、問題が可視化。
さらに2021年2月、オリンピック組織委員会の森会長発言が大きく報じられ、「ジェンダー」という言葉が一気に市民権を得た。

 

Q. いまの時代、気をつけた方がいい言葉は?
A. 性別の偏りを感じさせたり、強調したりするものは避けましょう。

例)
・サラリーマン→会社員
・父兄→保護者
・母子手帳→親子手帳
・美しすぎる〇〇、女医、女教師、女芸人


Q. 昔は言っていたが、いまは言葉に出せないものは?
A. 法律の施行により、言わなくなった言葉があります。

<男女雇用機会均等法、1986年施行>

・スチュワーデス→客室乗務員
・看護婦→看護師

<児童福祉法、1999年改正>

・保母→保育士


Q. 女性に対して気を付けるべき言葉、男性に対して気を付けるべき言葉は?
A. 性別による決めつけや蔑視はアウトです。

<女性向けの例>
・愚妻
・内助の功

<男性向けの例>
・主人
・男泣き
・女々しい

 

Q. 下ネタは全て使用できないか?
A. 身体的特徴で優劣を決めつけたり、性別によって役割を固定化させたりする表現は避けましょう。

逆に、女性と男性の考え方の「ズレ」をネタにすると、性をめぐるジェンダー格差を埋めることにつながるでしょう。

<NG例>
・体つきが〇〇だからセクシー/女らしい/男らしい
・性的な場面では男性がリードし、女性は受け身でいるもの

 <OK例>
・女性は「さっさとイケ」と考えるが、男性は「持続力」重視

 

 ~とりあえず、今回はここまで!~

 

【参考文献】

 メディアの言葉づかいとジェンダーの問題を解説:
『オトナのメディア・リテラシー』(渡辺真由子著、リベルタ出版/電子版)







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2022年4月14日木曜日

「ジェンダーのアンコンシャス・バイアスとメディア・リテラシー」講演(行政研修)

 「アンコンシャス・バイアスの気づきと仕事でのジェンダー表現」と題して、講演を務めた。

東京都羽村市が主催した、職員向けの男女共同参画研修にて。
「性別に基づく固定観念にとらわれない、男女の多様なイメージを社会に浸透させるための広報表現について理解し、自分の業務に生かす」ことを狙いとするもの。

市役所の全ての課から、それぞれの広報発信担当者が参加されるとのことで、なにやら責任重大である。

アンコンシャス・バイアスとは、自分では気づかないうちに身に着いた、偏った思い込み(偏見)を指す。

私はテレビ局報道記者時代に、行政によるジェンダー表現のガイドライン作りを取材したことがあり、そうした経験も織り交ぜながらお話させて頂いた。
講演の主な内容は以下の通り:

<アンコンシャス・バイアスとメディア>
・メディア・リテラシーとニュースの作られ方
・インターネットを読み解く
<ジェンダーとメディア>
・SDGsとジェンダー
①ニュース・広告
②インターネット
ワークショップ
・発信者としての心構え

「日ごろから、私たちがどれだけメディアの影響を受け、自分の考えを作ってきているか、改めて考えさせられました。 市民への影響が大きい自治体という存在であることも踏まえて、行動してきたいと思います。」と、主催者の方からご感想が。
こちらこそ、ありがとうございました!

それにしても私が、「人々の生きづらさを作りだす、社会の偏見をなくしたい」とメディアの世界に飛び込んだのが24年前のこと。

最近ようやく、その「社会の偏見」に「アンコンシャス・バイアス」というカタカナ言葉が割り当てられ、注目されるようになったことには今更感もある。

とはいえ、アンコンシャス・バイアスに対する問題意識の高まりは歓迎すべきもの。この動きが今後、より一層広がることを期待するとしよう。

【参考文献】

 メディアが社会の偏見(アンコンシャス・バイアス)に与える影響を、現場の実情と理論から解説:
『オトナのメディア・リテラシー』(渡辺真由子著、リベルタ出版/電子版)







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2022年3月25日金曜日

「性情報リテラシー教育」と学校現場

性教育の実践を積み重ねている一般社団法人“人間と性”教育研究協議会(性教協)の沖縄サークルで学習会が開かれ、私も取材させて頂いた。

というのも、私が学長を務める銀座MAYUMEDIAカレッジ(Mカレ)の卒業生の方が、講話を担当するからである。

登壇したのは、性情報リテラシー教育協会認定アドバイザーの屋慶名美和さん(フリーライター・CAPスペシャリスト)。
若年妊娠やネットを介した性暴力、性搾取など、子どもたちが犠牲になる現状への危機感から、「性情報リテラシー教育」の重要性を感じ、Mカレで学んだ方だ。

講話は、屋慶名さんが開発した、小学校6年生向けの性情報リテラシー教育教材の紹介。
教材のテーマは、「スマホデビューの前に~思春期のこころとからだの守り方~」。

・SNSによるグルーミング等にだまされないために

・自分を守るツールとして「法律」を知る

・「助けて」と言いあえる社会を作る

……といった狙いを持つ、具体的な教材が紹介された。
これらの内容は、性教育の世界基準とされるユネスコ『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』にも基づいている。
 
会場の学校教員や産婦人科医、大学教員からは、「これは小6には難しいのでは」「まだ早いのではないか」といった声が上がる一方、「国際スタンダードはもうこのレベルなのだから、日本の教員たちも、性教育でメディア・リテラシーを伝える実践に取り組むべきだ」との指摘もなされた。
 
元学校教員のMカレ受講生によると、「性教育をめぐっては、学校現場の状況と、デジタル時代ならではのニーズとの間に格差がある」という。
「教員が新しい実践をやりたくても、管理職をどう説得するかが大変。国が『ここまで突っ込んでいい』というガイドラインを作ると、現場の教員たちも動きやすいのでは」
 
実は文部科学省の学習指導要領には、中学・高校生を対象として、「性情報への対処」を教えよという記述が既にある。 
 
今後は、それを現場レベルで、より広い年代の子どもに実践できるよう、具体的なガイドラインに落とし込んでいく必要があるのではないか。Mカレで開発されている数々の教材も参考になるかもしれません。
 
☆この講話は、毎日新聞でも紹介されている
 
 

【参考文献】


『性情報リテラシー』(渡辺真由子著)
Amazon Kindle版
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2022年3月7日月曜日

「不同意性交」を防ぐ性教育とは?

なにやらバタバタしていて、気づけば前回のブログ執筆から1ヵ月以上がたってしまった。
お変わりございませぬでしょうか。

さて最近は、同意のない性交、すなわち「不同意性交」の犯罪化をめぐる議論が続いている。
刑法の改正はもちろん重要だが、「そもそも不同意性交を発生させないためには、どうすればいいか」も検討されねばならない。

不同意性交の背景には、SNSやAVといったメディアの性情報による影響があることが、私の取材・研究から明らかになってきた。

子どもにスマホを使わせるにあたり、保護者が特に心配をする点は何だろうか。

いわゆるアダルトサイトが発信する過激な性的有害情報を我が子が目にし、性に対する歪んだ価値観を身につけてしまうことを懸念する保護者は多い。 

技術的な規制には限界がある。そこで必要になるのが「性情報リテラシー」教育だ。

アダルトサイトを始めとするメディアが発信する性的有害情報にはどのような特徴があり、どんなテクニックを使って、子どもたちの性意識・性行動にどう影響を与えているのか?

「性的有害情報が青少年にもたらす影響」をまず大人が読み解き、理解することで、子どもが性情報を鵜呑みにせず自分の頭で判断出来るよう、導いていかねばならない。

私は過日、共同通信を介し複数の新聞紙上で、「若者の性とメディア」をめぐる現状と問題点、対策について取材・分析する連載を行なった。

読み逃したあなたにも一緒にこの問題を考えてもらうため、公式ホームページに公開しよう。

【「性情報リテラシー」が必要なのは子どもだけではない】

あなたが過去の性的関係を振り返ったとき、
「そんなつもりじゃなかったのに、相手に強引に迫られた」
「相手の意図を誤解した行動をして、気まずくなった」
といった経験はないだろうか。

無理強いをする性行動は、「デートDV」の1つでもある。
取材を進めるなかで、大学生の女子たちが、日常的にデートDVの被害に遭っていることも明らかになった。

なぜ、性をめぐるコミュニケーションにはズレが生じてしまうのか。
あなた自身は、メディアの性情報をどのように利用してきたのか。

当事者としてもお読み頂きたい。

⇒共同通信の連載記事一覧はこちら


【参考文献】


『性情報リテラシー』(渡辺真由子著)
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2022年1月25日火曜日

「性情報リテラシー教育」の教材開発&出張授業

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

 私は新年のフレッシュな気持ちをギリギリまで味わうため、お正月飾りを1月いっぱい出しており、気分はまだ松の内である。

なにはともあれ今年も「尊厳を重んじあう社会」の実現へ向け、共に突き進んでまいりましょう。


さて、私が学長を務める『銀座MAYUMEDIAカレッジ』では、この1年ほどで、「性情報リテラシー教育」の教材開発が続々と行われている。

「性情報リテラシー」とは、ネットやSNS、AV等のメディアが発信する性情報を、鵜呑みにせず批判的に読み解く能力のこと(10年前に私が名付けました、オッホン)。

 性教育の世界基準とされるユネスコ『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』も、2018年の改訂版でついに、性情報リテラシー教育を「新しい重要な性教育」として取り上げた。
さらに、実は日本の文科省も性教育の学習指導要領で、「性情報」に関する教育の必要性に言及している。

「時代がワタクシに追い付いてきたのね……」という感慨はさておき、この性情報リテラシー教育を教えられる人材を育てたいと、銀座MAYUMEDIAカレッジ(Mカレ)を設立したのが2020年2月のことであった。

Mカレでは受講生にまず、メディア・リテラシーとジェンダー、SNSトラブル、文章スキルなどの教養を身に付けてもらう。その上で、性情報リテラシー教育の教材開発へと進む。トータルで丸1年かかる長期戦である。

そしていま、全国から集う受講生の中で、教材開発にまで到達した方々が出てきたのだ。
教材内容の一部は以下のようなもの:

【『性情報リテラシー教育』実践教材のテーマ】

<小学校5・6年生向け>

・ スマホを持つ?持たない?

・SNSってなに?

・SNS・出会い・ゲーム

<小学校5年生以上向け>
・メディアと性情報1.知っているメディア

・メディアと性情報2.困ったときのネット検索

・メディアと性情報3.注意深く視聴しましょう

<中学2年生向け>

・皆さんが接しているメディアを考えよう

・自分らしく、ジェンダーって何?

・交際する上で大切なこと

 

今後は「保護者向け」の教材も加わる予定だ。

なお、教材開発者はほとんどが現役の性教育講師で、出張授業の依頼にも対応している。
関心がある学校や教育機関の方は、こちらをチェックしてみましょう。

 

【参考文献】


『性情報リテラシー』(渡辺真由子著)
Amazon Kindle版
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☆Mカレの4月入学生の募集は、2月中旬頃スタート

 

 




 

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2021年12月8日水曜日

「インターネットといじめ・LGBT・障がい者差別」講演&寄稿(人権週間②)

 

前回に続き、人権週間に関する講演のご報告。

「インターネットと私たちの人権」と題し、福井県高浜町で講演を務めた。こちらはリモート収録である。

・ネット・トラブルの対策キーワード:「ネット・リテラシー」とは?
・2大トラブルの現状とリテラシー
 ①ネットいじめ
 ②マイノリティ差別(LGBT、障がい者、部落出身者等)
・被害にあってしまったら

……といった内容をお話。

講演映像は、人権啓発放送として12月いっぱい、地元のケーブルテレビで流されるとのこと。

また、講演内容を記事としても寄稿した:

===================

『インターネットと私たちの人権』 渡辺真由子

はじめに   

「うざい」「きもい」「死んで」。そんな言葉を投げつけられた後、東京都町田市の小学6年の女子児童(当時12歳)は202011月、自らの命を絶った。誹謗中傷の言葉の数々は、インターネット上に書かれたものだった。

ネットやSNSの普及と共に、私たちはパソコンやスマートフォンで、他者への中傷の書き込みや差別的な画像・動画の投稿など、様々な人権侵害行為を目にするようになっている。子どものみならず、大人を標的にしたものも珍しくない。コロナ禍の鬱屈した空気の中で、それらはより露骨になり、深刻さを増しているように思われる。


ここでは、ネット上にみられる人権侵害行為のうち、「ネットいじめ」「LGBT・障がい者・被差別部落出身者といったマイノリティ(社会的少数派)の人々への差別」を取り上げ、それぞれの現状と対策を考えたい。
続きはこちらから

 

 【参考文献】

『大人が知らない ネットいじめの真実』  

  (ミネルヴァ書房、単著)

中学道徳教材 採用文献 (3刷)

大学入試 出題文献

 

 

 
 
 
 

ネットいじめ・SNSトラブル・性教育をオンライン講座で学ぶ

 

 


 

 

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