2020年7月31日金曜日

ドラマ『報道バズ』(コメント)

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*『報道バズ』公式サイトより

ニューヨーク在住の日本人クリエイターチームが制作したドラマ『報道バズ メディアの嘘を追いかけろ!』が、ネットで配信中だ。「やらせ報道」をはじめとする日本メディアの問題点や、女性の生き方について、海外ならではのしがらみのない視点で問いかける作品。

このたび、監督の川出真理氏からコメントのご依頼を頂き、早速全話を拝見した。

元テレビ局記者としてこの作品を見れば、大手メディア会社の社員として働くことがいかに窮屈か、いかに「タブー」ネタに足かせをはめられているか、思い当たる点は多々ある。権力機関への忖度や、会社からの人事評価を意識しながら働かざるを得ない社員記者を、私はジャーナリストとは呼ばない。私自身、社員記者時代は自分のことをジャーナリストとは、恐れ多くてとても言えなかった。

では、大手メディアから独立して晴れてジャーナリストとなれば、あるいはごく小規模なウェブメディアで働くのであれば、しがらみのない報道が可能なのだろうか。残念ながらそうとは言い切れない。ジャーナリストとして権力機関を大々的に批判すれば、執筆や講演の仕事に影響が出る。権力機関からの報復にも怯えなければならない。本作品で、ベテランのジャーナリストの女性が大手メディアを批判した顛末のエピソードは、こうした限界をよく示している。もちろん、ウェブメディアといえどもタブーに切り込めば、スポンサーが委縮し、お金が入らない。

とはいえ本作品を見る方は、「やっぱりメディアに公正中立な報道は期待できない」と諦めるのではなく、どうすればメディアがタブーに切り込めるようになるかを考えてもらいたい。クラウドファンディングで取材資金を支援したり、SNS上で応援したりするのもいいだろう。自身が現状を変える気概を持ち、メディア業界で働き始めるのも素晴らしい。

メディア・リテラシーの教材としても、本作品はお薦めである。報道倫理の形骸化やジェンダーの偏りといった、現代のメディアがはらむ問題を理解すること。それにより、メディアの発信内容を鵜呑みにせず、批判的に読み解く目が見る者に養われることを願う。




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2020年7月17日金曜日

【クールジャパンは児童ポルノか?】児童ポルノ禁止法改正の裏側

*追記あり

小学4年生の女の子を刃物で脅して車に連れ込み、性的暴行をした疑いで先日、神奈川県内の男が逮捕された。

幼い子どもを狙う性犯罪が続発する現状を、私たちはいつまで放置しておくのか。

私たちが暮らすこの社会は、子どもが性の対象として弄ばれている姿を、日常的に目にすることが出来る社会だ。

そう、あなたはスマホで、子どもが性行為をしている漫画の広告を見ることはないだろうか。

海外には、子どもを性的に描く創作物(漫画やアニメ、ゲーム)を禁止している国々もある。なぜ日本ではいまだに、これらが合法なのか?

実は、児童ポルノ禁止法の改正が議論されるたびに、創作物の規制を求める声も上がってはいた。しかし、そうした声はすぐにかき消されてきたのだ。

一体この国では、児童ポルノ禁止法改正の裏側で何が起きていたのか。子どもの人権や性暴力に問題意識を抱く大人として、知っておく必要があるだろう。

私が発行する週刊メールマガジンでは、今月からこの問題を掘り下げていく。

児童ポルノ禁止法の改正案について、国会で起草者と議員が交わした質疑とはどのようなものだったのか? 規制対象の当事者となる出版業界と、法をめぐる議論や解釈に重要な役割を果たすとされる弁護士会は、果たしてどんな意見を表明していたのか?

これらを分析することで、児童ポルノの創作物規制に対し、立法関係者たちがどのような視点を持っているかを明らかにする。

http://www.mag2.com/m/0001087460.html「子どもを性の対象にしても良い」というメッセージを発信するのが児童ポルノだ。そのメッセージは、創作物であっても変わらない。


冒頭の事件と似たようなストーリーの漫画も、存在する。

児童ポルノ禁止法は、またいずれ改正される可能性がある。
その裏側を学んだ知識を、「子どもの性の尊厳が守られる社会作り」へ向けたあなたの活動に、役立ててみませんか?

『渡辺真由子の週刊メディリテ!』初月無料。チラ読みあり)

【追記】
このメルマガに発表していた記事の一部が、発行元「まぐまぐ」
のニュースサイトに掲載された。同記事はシェアランキング2位を記録。多くの皆様に問題意識を共有頂き、ありがとうございます⇒『クールジャパンは児童ポルノか?』



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