学位に関する大学側の調査・認定過程が、
次の3点において不当であることを指摘したものである:
1.文科省制定の「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」、及び慶応大学制定の「研究活動における不正行為に関する調査ガイドライン」に準拠していないこと
2.調査対象者と関わりの深い複数の人物を調査・認定過程に関与させ、公正性への疑いを生じさせたこと
3.調査報告書を当方に開示せず、検証可能性を妨げたこと
つまり、そもそも調査・認定過程に瑕疵(かし・欠落)があるため、
そのような過程から導き出された結論は無効である。
大学側は、必要であれば適正な手続きにのっとって、
正々堂々と再調査を行えばよい。
だが慶應義塾大学は本日、
申し立てを却下することを通知した。
しかも、却下した理由については「答えられない」とした。
申し立てを却下することを通知した。
しかも、却下した理由については「答えられない」とした。
当事者に対する説明責任の放棄であり、結局は「合理的な理由がない」ことを疑わせる。
学位の取り消しというのは、学生の一生を左右する非常に重い判断である。
その判断を、このようなずさんな調査・認定で済ませようとするのは何故か。
学位の取り消しというのは、学生の一生を左右する非常に重い判断である。
その判断を、このようなずさんな調査・認定で済ませようとするのは何故か。
慶応大学は当方にとって、学部生時代・教員時代を過ごした、誇らしく愛する母校である。その慶応がいつのまにか、このような権威主義に陥っていることが判明し、福沢諭吉先生も草葉の陰で泣いておられることであろう。
せめて本件が、慶応大学の組織及び体質改善のための教訓となることを願う。
また本件は
大学の事案に限らず、学校のいじめ自殺や企業の不祥事といった
あらゆるケースにおける「調査委員会」のあり方に関し、
留意されるべき問題を提起した。
すなわち、
「公正性」や「透明性」が確保されない調査・認定は、
当事者の納得も信頼も得られない、という点である。
なお今回、
大学という巨大組織に一個人として立ち向かうことは
決して容易ではなかった。
だが、慶応大学の同窓生や他大学の教員の方々など、
多くの皆さまからの温かな応援が励みとなった。
ありがとうございました。
また、
現在も変わらぬお付き合いを続けて下さる取引先の皆さまにも
感謝申し上げます。
今後はより一層、
研究活動に精進していく所存です。
引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。
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【博士論文『児童ポルノ規制の新たな展開~創作物をめぐる国内制度の現状及び国際比較による課題~』の概要】
本研究では、「実在しない子どもを性的に描くマンガやアニメ、ゲーム等の表現物」(以下、「創作子どもポルノ」)の規制に関し、国際社会の枠組みとは日本の規制状況が取り組みを異にするという課題において、それらが一致していない要因に着目する。その上で、子どもの性に関する人権保護へ向け、国際規範との整合性を確保するために必要な方向性を提示している。
児童ポルノ規制をめぐる従来の主な研究が「表現の自由」の観点から議論されてきた中、本研究は「人権」の観点から、新たな児童ポルノ規制のあり方を考えることを目指したものである。
本研究の提言は、我が国における創作子どもポルノ規制の法整備のあり方にまで踏み込んでいる。
折しも2020年に東京オリンピック・パラリンピックを控え、日本のマンガやアニメを海外に発信する「クール・ジャパン戦略」が政府を筆頭に推進される中、我が国には今こそ、創作子どもポルノ規制において、国際規範に沿った人権感覚を適用することが望まれる。
*本論文の要約版はこちら