2025年10月15日水曜日

学校側のいじめ対応の問題点(メディアの立場から)講演

 

「報道する立場から見た、いじめの問題点~いじめ発生時、学校と親はどう対応すべきなのか!?~」
と題して、講演を務めた。
佐賀県高等学校生徒指導研究集会にて。

県内全域の高校から、校長・教頭などの幹部や警察関係者の方々、約250名がご参加。

主催は、佐賀県高等学校教育研究会生徒指導部会(後援:佐賀県教育委員会)。

高校で当面する生徒指導上の諸問題解決に向け、知識・スキルを習得する機会として行われているイベントである。
 

いじめ自殺問題を30年近く取材してきた私だから言えることがあるのではと、下記の内容をお話(画像は、福岡いじめ自殺事件で亡くなった古賀洵作さん):

福岡いじめ自殺事件
・取材を通して感じた問題点
 -学校側/加害者側/保護者(被害者)対応
・第三者委員会の役割
・いじめ裁判の動向
・子どもを守る対策とは

「講演は盛況で、『マスコミからの違う視点で考えたら、そうなのか』ということが沢山あり、多くの気づきと学びになりました」

「いじめ自殺への対応とは、『人間の尊厳』の問題だと、強く思いました」

など、主催者の方々からご感想が。
 

なお、このテーマについてはこれまでに、テレビ番組教育雑誌などで何度かコメントしている。

また、いじめに関する第三者委員会の調査報告書では、拙著『大人が知らない ネットいじめの真実』が引用されることもあるので、参考にして頂きたい。

お世話になった皆さま、ありがとうございました! 




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2025年9月26日金曜日

性的ディープフェイクの氾濫を招いた理由とは?(『メディアと人権ジャーナル』最新号)


生成AIを悪用して作った性的創作物、いわゆる「性的ディープフェイク」について、内閣府は2025年9月、「さらなる被害拡大が懸念される」との調査結果を示した。なぜ、このような事態を招いてしまったのか。

 

海外では性的ディープフェイクの法規制が進むが、日本には現時点で、直接的な規制はない。日本の児童ポルノ禁止法は、実在しない子どもを性的に描くマンガやアニメ・ゲーム等の性的創作物を、規制対象外としているとみられてきた。このため、やはり創作物である性的ディープフェイクに対しても、処罰が困難との声があがる。

 

はたして児童ポルノ禁止法は、どのような議論を経て、性的創作物を規制しないという決定に至ったのか。メディアと人権研究所MAYUMEDIA(M研)が発行する『メディアと人権ジャーナル』最新号では、同法をめぐる国会でのやりとりや関連団体の動きを分析し、我が国の対応が鈍い理由を明らかにする。

 

『メディアと人権ジャーナル』2025 Vol.2 No.2
児童ポルノ禁止法の第2次改正に関する立法過程
―― 目 次 ―― 

1 立法関係者の議論と分析
(1)   立法関係者の議論
(2)   立法関係者の議論の分析

2 出版業界の議論と分析
(1)   出版業界からの意見表明
(2)   出版業界の議論の分析
 
3 弁護士会の議論と分析
(1)   弁護士会からの意見表明
(2)   弁護士会の議論の分析

⇒お求めはこちらから。

 

 

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2025年9月4日木曜日

「ネットいじめの現状と対策」講演(インターネットと人権)

 
「深刻化するネットいじめ その現状と大人の役割」と題して講演。
埼玉県久喜市のPTA人権教育研修会にて。
同市教育委員会が主催した、「インターネットによる人権侵害」に関するイベント。
 
●スマホ・SNSは「いじめ」をどう変えたか
●ネットいじめの手口
●大人はどんな対策が必要か?
 -応急処置編
 -根本解決編
 
……といった内容をお話。
新しい性的いじめとして、「性的ディープフェイク」に対するネット・リテラシー教育についても解説した。
 
質疑応答では、会場参加者から
「ネット・リテラシーは子どもたちに何歳頃から教えればいいか」
とのご質問が。
 
ユネスコの『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』は、
インターネットやソーシャルメディアの安全な使い方について、
5歳から教えるよう推奨している。
 
私が代表を務める性情報リテラシー®教育協会でも、
小学校入学前後の子どもとその保護者を対象としたSNSリテラシー教育教材を開発し、出張授業に対応中。関心がある方はこちらからチェックを。 

ところで、
私の講演会は行政主催が大半であるため、
手話通訳が付くことが多い。
 
手話通訳の方々は非常に勉強熱心で、事前に私の講演内容について調べたり、私が話すスピードを動画で確認したりしてくださる。

今回の講演会では、参考文献『大人が知らない ネットいじめの真実』(渡辺真由子著)を手話通訳の方が購入され、読んでいてくださった。

もちろん、喜んでサインさせて頂きました。
全国の手話通訳の皆さま、いつもありがとうございます! 
 
 

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2025年8月8日金曜日

「オーストラリアの青少年SNS利用規制と日本」講演(高校生向け)


オーストラリアで2024年、16歳未満のSNS利用を禁止する法律が成立したことを受け、「日本はどうすべきか」について講演を務めた。

対象は、茨城県つくば市の高校生のみなさん。
このテーマでの英語ディベートを予定しているという。 

「日本政府も、16歳未満の子どもがソーシャルメディアを利用することを禁止すべきか」について、高校生自身が賛否両方でより深く考えるための示唆がほしい、とのご依頼であった。

講演ではまず、オーストラリアによる規制の背景事情を詳しく解説。
さらに、SNS利用のメリットとデメリットについて、私の取材をもとにお話した:

背景オーストラリアのSNS規制
<日本の場合>
・SNS利用のメリット
・SNSがトラブルを招きやすい理由
 -対策キーワード: 「
SNSリテラシー」教育とは?
・SNS利用のデメリットとリテラシー
 1.ネットいじめ
 2.リベンジポルノ/自画撮り被害
 3.性情報の誤解

「普段からSNSを使っている」という生徒達からの質疑も活発で、まさに自分事として考えている姿勢が見受けられた。

ちなみに私は、SNS利用にはメリットもあることから、全面禁止まではしなくてよいとの立場だ。ただし「性・暴力表現」については、一定の制限が必要だと考えている(性・暴力表現の影響に関する科学的データはこちら)。

 

ところでオーストラリアといえば、私が学生時代に留学した国であり、新法の動きは一層興味深い。

そして今回お招きくださった高校の外国人教員の方が、なんと私が暮らした都市と同じアデレード出身とのことで、大変懐かしかった(←超個人的な話)。

 

何はともあれ日本でも、この問題を子どもたち自身が議論する場を増やしていくことが望ましい。 

 

【参考文献】  



 元祖SNS本!
いまの子どもたちのSNS中毒ぶりに、15年前から警鐘: 

思考できない脳、
プライバシーのダダ漏れ、
氾濫するアダルト広告……


 

 

 

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2025年7月31日木曜日

日本産婦人科医会で「性教育とメディア・リテラシー」講演

 

日本産婦人科医会の「第47回 性教育指導セミナー全国大会」(後援:内閣府、厚労省、日本医師会ほか)で、講演を務めた。
 
「未来を拓く性教育:DX(デジタル・トランスフォーメーション)による性教育イノベーション」が今大会のテーマ。
 
デジタル時代を迎え、性教育にも新たなリテラシーと教育手法の開発が求められている、とのことである。 

医師の方々にとっては、単位取得の場でもあるこのセミナー。

定員500名を大幅に上回る参加希望が寄せられ、急きょ追加したライブビューイングも満席となり、参加者数は650名超えとのこと。
 
医療関係者が中心にお話される中、メディア研究者として、落合陽一氏(メディアアーティスト)とワタクシメがそれぞれ登壇。
 
 私が担当したパートは「性教育とメディア・リテラシー」。
 
「ソーシャルメディアが性教育に果たす役割と課題」と題して、
下記の内容をお話した:
 
●ソーシャルメディアが性的トラブルを招きやすい理由
●対策キーワード: 「ソーシャルメディア・リテラシー」
●性暴力の現状とリテラシー
1.性的同意の誤解<服装編>
2.性的同意の誤解<状況編>
3.性的ディープフェイク
●ソーシャルメディアと性教育のこれから 
 -性被害者支援者(捜査・司法・医療関係者)へのメッセージ 
 
「大変重要な問題で、性被害者の支援者としても、我々がどうあるべきかがよくわかりました」と、主催された産婦人科医の方。
 
ちなみに性教育におけるメディア・リテラシー、すなわち「性情報リテラシー®」については、性教育先進県である秋田の医師会がいち早く着目され、2015年に解説をさせて頂いた。

あれから10年が経ち、SNS等での性情報の氾濫がより深刻化するなか、性情報リテラシー®教育の必要性に全国規模で医師の方々が気づき始めておられるのは、感慨深い。

お世話になった皆さま、ありがとうございました! 


【参考文献】 

性的ディープフェイクや性的同意と、メディア情報の関係についてはこちら: 

「メディアの性情報と性情報リテラシー® ~この10年で変わったこと、変わらないこと~」渡辺真由子 『現代性教育研究ジャーナル』(日本性教育協会)2025年3月号

 

 

 

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2025年6月30日月曜日

カナダのドラッグ汚染と独自対策

 

「フェンタニル」という合成麻薬を、中国組織がアメリカへ不正に輸出するにあたり、日本に拠点をつくっていた疑いが今月報じられ、衝撃が広がっている。

フェンタニルとは、 ヘロインの50倍の作用があるともいわれ、人類史上最も危険な薬物の一つとされる。

このフェンタニルが以前から流通し、深刻な被害が広がっているのが、カナダのバンクーバーにある「北米最大の麻薬汚染地域」と呼ばれるエリア。ダウンタウンの繁華街にほど近い、ヘイスティングス通りだ。

私がバンクーバーに留学した約20年前、その通りの麻薬汚染ぶりは既に問題となっていた。私も間違えて足を踏み入れ、超高速で通り抜けた経験がある。今回は、当時のバンクーバーのドラッグ事情をめぐるレポートを、緊急公開しよう:

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【カナダのドラッグ汚染と独自対策】 

留学をスタートさせた当初のこと。ある日の夜中、キャンパスを突っ切って寮へと家路を急いでいると、向こうからガヤガヤとわめきながら学生の集団がやって来た。すれ違った瞬間、嗅いだことのない匂いがぷ~ん。何これ?と思ったら、一緒にいた友達が「マリファナだよ」と言う。近くのパブかどこかで、吸ってきたらしい。

その時のショックはいまも覚えている。カナダのトップ大学の学生が、堂々とドラッグをやっているなんて!

だが、カナダではマリファナはタバコ感覚で吸われているという。マリファナの使用は違法にも関わらず、警察が厳しく取り締まらないため、合法と思い込んでいる人も少なくない。マリファナの合法化を進めようとしている政党、その名も「マリファナ党」まで存在するから驚きだ。マリファナに対するカナダの “寛容な” 姿勢は、昔この地に栄えたヒッピー文化の名残だという説もある。

さらに深刻なのは、コカインやヘロインといった麻薬の広がりだ。バンクーバーのダウンタウンには、観光地と隣り合わせの一角に、浮浪者がたむろす通りがある。ほとんどは麻薬中毒者と見られ、白昼から麻薬の使用や売買が公然と行われていたり、道端に注射針が転がっていたり……<続きを読む>







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2025年6月16日月曜日

芝浦工大附属高で「性的ディープフェイク」講演(生徒向け)

 

芝浦工業大学附属高校で、ネット・リテラシーがテーマの講演を務めた。

対象は、1年生の生徒約220人。

中学から高校に上がってきたこの時期、ネット・SNS利用に関して、特に高校生が注意すべき点を話してほしい」
とのご依頼であった。

内容は一任頂いたので、
『ネットと恋愛と人権〜リスペクトしあうネット・リテラシー』という題名に。

生成AIの普及に伴い、子どもも加害者・被害者になっている「性的ディープフェイク」問題のほか、リベンジポルノや自画撮り被害、グルーミング、性的同意についてお話した。
 
全体の流れは以下の通り: 

●ネット・SNSがトラブルを招きやすい理由
●対策キーワード:
「ネット・SNSリテラシー」とは?
●2大恋愛トラブルの現状とリテラシー
1.性的画像をめぐるトラブル
2.メディア情報の誤解
●被害にあってしまったら

参加した生徒のうち、男子の数は女子の倍以上。
「性的画像などの被害には男子も遭う」と話すと、
驚きの声がザワザワと。

そう、自分は男だからと油断できないのです。
 

ところで私は何を隠そう生粋の文系女子で、
理系のこちらの学校とは接点がないはず。
なぜ今回、お声かけを頂いたのだろうか。

「チャットGPTにお薦めしてもらいました!」
と担当者の方。

なんと、そういう用途にもAIを使うとは、さすが理系です。

それにしてもチャットGPT、隅に置けませんな。

 

【参考文献】 

性的ディープフェイクや性的同意と、メディア情報の関係についてはこちら: 

「メディアの性情報と性情報リテラシー® ~この10年で変わったこと、変わらないこと~」渡辺真由子 『現代性教育研究ジャーナル』(日本性教育協会)2025年3月号

 

 

 
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%8E%E2%80%95%E6%80%A7%E3%82%92%E6%8B%A1%E6%95%A3%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90/dp/4335551754/ref=as_sl_pc_tf_mfw?&linkCode=wey&tag=mediaw-22 『リベンジポルノ~性を拡散される若者たち~』(渡辺真由子著、弘文堂)
 
 

 

 

 

 

 





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