2018年10月3日水曜日

「ノーベル賞と内助の功」美化報道、再び

京都大学の本庶佑特別教授がノーベル賞を受賞し、
相変わらずメディアは「内助の功」を美化する報道で
盛り上がっている。

実はこのようなメディアの報じ方について、
テレビ朝日『ワイド!スクランブル』から
コメント取材を受けたものの、
オンエアでは特集内容が変更され、流れず。

メディア報道をジェンダーの観点から検証するとは
「テレ朝スタッフも目の付け所が良い」と感じていたのだが、
上層部に企画を却下されたのかもしれない。
 やはり、メディア批判をメディアは取り上げにくいのか。

そういえば同局の今朝の『グッド!モーニング』では、
「亭主関白を支えた内助の功」と思いっきり美化していた。
 結局これが、局としての方向性なのであれば残念である。

今回の受賞会見において本庶氏が、
「典型的な亭主関白として研究にまい進してきた」と
なんら悪びれずに語ったのは、
「夫は外で働き、妻は家庭を守る」という価値観が当然だった時代に
育ってこられた方として、まあ仕方ない
(でもこの方の持論は、「常識を疑え」ではなかったっけ)。

たとえ本庶氏がそのように語ったとしても、
その事実をメディアが「どう報じるか」は別問題である。
その発言をあえて報じない、
あるいは報じても強調や美化はしない、
という選択肢があったはずである。

妻は大学時代、
本庶氏と同じ生命科学の研究に取り組んでいたという。
おそらく本当は、結婚後も研究を続けたかったのではないだろうか。

このようなノーベル賞受賞者と妻に対する
メディアによる「内助の功」美化報道は、
2年前にやはり男性研究者が受賞した時とほとんど変わっていない
 (ちなみに日本のノーベル賞受賞者に女性は1人もいない)。

この問題について、さらに詳しくはこちらで述べている。


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