2018年5月9日水曜日

世に問う意図『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』

5月8日付の朝日新聞朝刊に、
私の最新刊
『「創作子どもポルノ」と子どもの人権
 ~マンガ・アニメ・ゲームの性表現規制を考える』(勁草書房)
の広告が掲載された。

https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%89%B5%E4%BD%9C%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%80%8D%E3%81%A8%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%A8%A9-%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%80%A7%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E8%A6%8F%E5%88%B6%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E7%9C%9F%E7%94%B1%E5%AD%90/dp/4326451130/ref=as_sl_pc_tf_til?tag=mediaw-22&linkCode=w00&linkId=e421071d8896cd9a7ef3fdd0efbbdc0a&creativeASIN=4326451130

一面の下の、いわゆるサンヤツと呼ばれるスペースですね。
限られた文字数でいかに本の特徴をアピールするか?
と担当編集者の方と知恵を絞り、
「表現と人権。」というキャッチコピーに落ち着いた。
まさに、本書の内容を端的に表している。

日経新聞の広告欄にも本日(9日)掲載されたようなので
ご覧頂いた方もいるかもしれない。

せっかくなので今回は、
私が本書を世に問おうと考えた意図をご紹介しよう:

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~マンガやアニメの性表現規制を「人権」から考える~
2014年6月、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(以下、「児童ポルノ禁止法」)の第2次改正が成立した。

改正前の児童ポルノ禁止法は実在する子どものみを保護対象としたが、改正案を共同提出した自民党と公明党、日本維新の会は「子どもの人権を守る視点も重要」として、実在しない子どもを性的に描くマンガ・アニメ・ゲーム等の表現物(以下、「創作子どもポルノ」)についても、改正法施行後3年をめどに必要な措置をとる検討規定としていた。

 だが、創作子どもポルノの創作業界や愛好家、さらには有識者までが加わった強い反対論が沸き起こり、同規定は第2次改正に盛り込まれなかった。

一方、児童ポルノ規制に関する近年の国際条約は、創作物を規制対象に含む傾向にある。アメリカやイギリス、カナダ等の諸外国でも、創作子どもポルノを犯罪化するための法改正等が実施されてきた。国際社会は日本を、創作子どもポルノを製作する主要な国として名指し、それらの違法化に踏み切っていないことを批判している。
創作子どもポルノの規制について、日本ではこれまで、国内法における「表現の自由」の観点からの議論が中心であった。しかし、創作子どもポルノ問題の本質は、それが子どもへの性的搾取であり、「人権」の侵害に該当するという点にこそ存在するのではないか。子どもの性に関する人権保護へ向け、日本の規制状況が国際規範とは取り組みを異にするという現実を直視した議論は、ほとんど行われていない。

果たして、国際条約及び諸外国は、どのような枠組みで創作子どもポルノを規制しているのか。日本と国際条約及び諸外国の制度で、児童ポルノ規制について異なる視点は何なのか。また、日本の現行法の枠組みでも、創作子どもポルノは規制出来るのだろうか。

本書は従来の議論と一線を画し、人権の観点から日本に求められる規制の方向性を提言することで、読者に価値判断の新たな材料をもたらす。

 


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