2025年11月13日木曜日

生成AI時代の児童ポルノ禁止法改正のあり方とは?

 

「生成AI児童ポルノ」閲覧でフランスで有罪

日本サッカー協会(JFA)の幹部職に就いていた男性が、航空機内で児童ポルノを閲覧したとしてフランスで有罪判決を受けた。男性が閲覧した児童ポルノには、生成AIによる創作物も含まれていたとされる。

子どもを性的に虐待する表現物(CSAM)は、たとえAIや漫画、アニメ等の創作物であっても、海外では違法となることが多い(日本と欧州の、児童ポルノに対する意識の違い等についてのコメントはこちら)。

 

児童ポルノ禁止法は、創作物規制にも適用可能

翻って日本の場合、児童を保護する法律として、既に児童ポルノ禁止法が存在する。

だが、AIにより創作された性的虐待表現物(性的ディープフェイクも含む)に対しては、処罰が困難との声があった。実在しない子どもを性的に描くマンガやアニメ、ゲーム等の創作物(「創作児童ポルノ」)を、同法は処罰の対象外としている、とみられてきたためである。

しかしながら私の研究によれば、児童ポルノ禁止法は現行の枠組みのまま、創作児童ポルノ規制にも適用が可能だ。その実現は、同法の運用・改正次第であると考えられる。


「人権」の観点が乏しかった児童ポルノ法研究

創作児童ポルノ規制に関する従来の研究は、表現の自由の観点から捉えるものが大半で、「子どもの人権」の観点による議論はそもそも殆ど見当たらない*。

そうした中で私の研究は、子どもの人権侵害を防ぐ観点から、日本における創作児童ポルノ規制の法整備のあり方に踏み込むこととした。

これは、国際条約の児童ポルノ規制の枠組みを、比較法的手法を用いて調査することにより、初めて可能になったものだ。

*2016年当時

 

子どもの人権保護のため、日本の児童ポルノ禁止法に必要な取り組みは?

この研究では、児童ポルノ規制の「枠組み」や「視点」について、日本と国際規範との差異を明らかにしている。

その上で、子どもの性に関する人権保護へ向け、日本が国際規範との整合性を確保する上で必要な方向性を提示した。

創作児童ポルノの規制に対し、なぜ現行の児童ポルノ禁止法の改正で対応できるのか? どう改正するのか?? 等について、詳しくはこちら


 渡辺真由子(2025)「AI時代の性的ディープフェイクと児童ポルノ禁止法」(要約版)『メディアと人権ジャーナル』Vol.2 No.1






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