「言葉のジェンダー表現」について最近、メディアや行政からお尋ねを諸々頂くので、簡単な解説メモをのせておく。
関係者の方は、お問い合わせの前にこちらにお目通しを。
なお、引用される場合は出典の明記が必要です:
Q. ジェンダー表現が問題視され始めたきっかけは?
A. 古くは1975年の食品メーカーのCM「私作る人、僕食べる人」。
その後、匿名SNSの普及や2017年からの#MeToo運動を機に、問題が可視化。
さらに2021年2月、オリンピック組織委員会の森会長発言が大きく報じられ、「ジェンダー」という言葉が一気に市民権を得た。
Q. いまの時代、気をつけた方がいい言葉は?
A. 性別の偏りを感じさせたり、強調したりするものは避けましょう。
例)
・サラリーマン→会社員
・父兄→保護者
・母子手帳→親子手帳
・美しすぎる〇〇、女医、女教師、女芸人
Q. 昔は言っていたが、いまは言葉に出せないものは?
A. 法律の施行により、言わなくなった言葉があります。
<男女雇用機会均等法、1986年施行>
・スチュワーデス→客室乗務員
・看護婦→看護師
<児童福祉法、1999年改正>
・保母→保育士
Q. 女性に対して気を付けるべき言葉、男性に対して気を付けるべき言葉は?
A. 性別による決めつけや蔑視はアウトです。
<女性向けの例>
・愚妻
・内助の功
<男性向けの例>
・主人
・男泣き
・女々しい
Q. 下ネタは全て使用できないか?
A. 身体的特徴で優劣を決めつけたり、性別によって役割を固定化させたりする表現は避けましょう。
逆に、女性と男性の考え方の「ズレ」をネタにすると、性をめぐるジェンダー格差を埋めることにつながるでしょう。
<NG例>
・体つきが〇〇だからセクシー/女らしい/男らしい
・性的な場面では男性がリードし、女性は受け身でいるもの
<OK例>
・女性は「さっさとイケ」と考えるが、男性は「持続力」重視
~とりあえず、今回はここまで!~
【参考文献】
メディアの言葉づかいとジェンダーの問題を解説:『オトナのメディア・リテラシー』(渡辺真由子著、リベルタ出版/電子版)
▶ジェンダー表現の監修・アドバイスについて
▶ジェンダーとメディア・リテラシーをオンラインで学ぶ
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