2013年7月18日木曜日

【ネット・リテラシー教育と青少年保護】3.SNSトラブル漬けの少女たち

広島県呉市で発生した死体遺棄事件。
最初に逮捕された16歳の少女は、
「LINEで被害少女から悪口を書き込まれ、腹が立った」と
供述しているという。


LINEやプロフといった子どもたちに人気のSNSでは、
目の前に相手がいない「文字コミュニケーション」に特化するため、
発信者側の書き込み内容がエスカレートし、受信者側も過剰に反応してしまいやすい。


少女たちは日々、SNS絡みのトラブルに直面している。
その実態を私がルポした記事を緊急掲載しよう:


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【ネット・リテラシー教育と青少年保護】3.SNSトラブル漬けの少女たち



「プロフやリアルで怖い目に遭ったこと? ああ、何回も」。
関東地方の私立高1年のシズカは、淋しそうに微笑んだ。


「『彼氏出来た』とか『デートした』ってリアルに書き込むたびに、
『自慢すんな』『何でそんなこと書いてんの』ってコメントが来るんです。
削除すると、逆にキレられる。『恥ずい(恥ずかしい)ならリアルとか止めれば』って」


彼氏の浮気相手から嫌がらせをされたこともある。
シズカの彼氏は一時期、隠れて他の女の子と会っていた。


「その子がヤンキーっぽい人で怖かったんですよ。
ウチのブログやゲスブに『ふざけんなよ死ね死ね死ね死ね』と書かれて。
削除しても『消してんじゃねーよ』って。どんなに頑張ってもキリがない」


当時は精神的に追い詰められた、とシズカ。


「すごいヤバかったです。学校行ってても、もう気になって気になって。
変な書き込みがまた来てないかなって。見張られてるような感じ」


公立中3年のソノミはある日、プロフのアクセス数が数千件に跳ね上がっていることに気付いた。


ネットの巨大掲示板にURLをさらされたのだ。
プロフ上に人気ビジュアル系バンドの名前を挙げ、「好き好き~」などと書いたのが原因だった。


「こいつはバンドメンバーの○○(名前)のつながりだ」
「え、こんな可愛くない子でもつながれるの?」
「『貢ぎ』(金銭や物品を奉げること)したんだろ」


掲示板に根も葉もない噂を大量に書かれた。


しまいには「こいつ、今度のライブでつぶす」との脅迫めいた書き込みまで。
ソノミは慌てて、トップ画の顔写真を、手で一部隠したものに代えた。


「つぶされる予告があるライブの日までは、めちゃめちゃ怖くて。
毎日ため息ばかりで落ち込んでましたね。結局、何もなかったですけど」


SNSにはまる子どもを襲うトラブルの形態は、日々増え続けている。



*一口メモ [つぶす]
 一部のミュージシャンのライブでは、ファン同士による「つぶし」という行為が常態化している。 
立ったまま声援をおくるライブの混雑に乗じ、気に入らない相手を殴ったり、安全ピンで刺したり。
つぶされるのが怖くてライブに行けない子も。




(新聞連載)



【参考文献】

Book




プロフ中毒ケータイ天国
 子どもの秘密がなくなる日

 渡辺真由子著(主婦の友新書)










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