2009年3月30日月曜日

市民メディア本の書評とWBC

先日終わったWBC。
優勝したことで、マスコミは
「日本中が歓喜の渦に包まれた」とか騒いでいたけれども、
私はちっとも興味がなかった。
どれくらい興味がなかったかというと、
TBSの「2時っチャオ」を見ようとチャンネルを合わせて
WBCの中継が行なわれていると、
チッと舌打ちして日テレの「ミヤネ屋」へと
チャンネルを変えるくらい興味がなかったのだ。



だから、あたかも「全国民」が
WBCの行方を固唾を飲んで見守っていたとか、
優勝に大喜びしているかのような
マスコミの断定口調はとても困る。
マスコミが騒げば、「皆が見てるんだから」と
新たに見る人が出てくる。
そうやってWBCのブランドイメージが拡大再生産されていくと、
私の大好きなワイドショーが、どんどん野球中継に放送枠を
奪われてしまうではないか。



大体マスコミは、一部の人の間でしか発生していない現象を
あたかも全ての人が行なっているかのように
ひとくくりにして報じる傾向がある。
「全ての女子高生は、お小遣い欲しさに援助交際したがっている」
といった論調の週刊誌や夕方情報番組。
あなたも見たことがあるのではないだろうか。
真面目な女子高生にとってみれば、
ミニスカートを履いて街へ出るだけで
報道を真に受けたオジサンたちにいちいち声を掛けられ、
たまったものではない。



マスコミがひとくくりに報じるのは
その方が「楽」だし「わかりやすい」からだ。
だが乱暴な決め付けは、ただでさえ陰に埋もれがちな少数派の声を
かき消してしまう危険性がある。
作り手の方、「WBCに目が釘付けだった人『も多いと思います』」
ぐらいの冷静な表現に留めておきましょう。



ところで、インターネット新聞「JANJAN」に
単行本『メディア・ルネサンス』(津田正夫/魚住真司、風媒社)
の書評を寄稿した。
「市民メディア」の現状を報告し、
今後の発展の可能性を追究する本である。
「市民メディア」とは、一般市民によって制作されるメディアのこと。
興味がある方は書評をどうぞ。



      




メディア・ルネサンス―市民社会とメディア再生

 



メディア・ルネサンス―市民社会とメディア再生