先月28日に出演したフジテレビ『新・週刊フジテレビ批評』、
対談概要がこちらにまとめられている。
見逃した方はご覧下さい。
当日は時間の都合で語れなかった
「子どもたちの未来のためにテレビが出来る役割」
について、ここに記そう。
それは、テレビ局自身が
「子どもをどう育てたいか」というビジョンを持ち、
作り手全員と共有することである。
私が提案するビジョンは、
「みんなが『生きやすさ』を感じられるように育てる」。
外見にコンプレックスを感じることなく、
いじめられることなく、
女子か男子かという性差にとらわれることなく、
伸び伸びと育ってほしい。
そのためには、
テレビ番組を通して
どのようなメッセージを発信すればいいのか?
私がプロデューサーなら、
とりあえずアイドル番組に出演してもらうアイドルの3割は
一重まぶたの少女にするだろう。
バラエティ番組の罰ゲームでは、
1人を集団がからかおうとする時に
傍観していた芸人が止める、という内容にするだろう。
コントでは
「チビ」「デブ」「負け犬」と罵られたら
相手の差別意識を笑い飛ばす、という
「救済型」のお笑い(*)を目指すだろう。
料理コーナーでは、
女子ばかりを登場させて
下手ぶりをバカにする、という内容は
ジェンダーの観点から問題があるので即刻中止
(TBS『噂の東京マガジン やって!Try』とか、
日テレ『ミヤネ屋 愛のスパルタ料理塾』とか)。
その代わり、男子にもどんどん
料理の腕前を披露してもらうだろう。
子どもに生きやすさを感じてもらうということは、
「ありのままの自分を大切にしていいんだ」と
思える子どもを増やすということだ。
そのビジョンに沿えば、
テレビ局の役割は自ずと見えてくる。
ちなみに総務省の調査(2014)によれば、
10代の子どもがテレビを信頼する割合は70%と、
他のメディアよりも高いのだ。
テレビに出来ることは、
まだまだある。
* 「救済型」のお笑いとは、
ある対象を笑い飛ばすことで、
その対象からの圧力を跳ね返そうとするもの。
北米のコメディアンが発展させた。
詳しくは拙著『オトナのメディア・リテラシー』で。
【参考文献】
『オトナのメディア・リテラシー』
(リベルタ出版)
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