2015年3月16日月曜日

川崎中1殺害事件:加害者を生みださない社会へ(出演・寄稿)

川崎市で発生した
中学1年の男子生徒の殺害事件について、
ウェブメディア「Japan In-depth」に寄稿した:

『少年法厳罰化は根本的解決にはならない
~川崎市中1殺害事件~』
少年事件を長年取材してきた立場から
述べている。

本稿はYahoo!の雑誌ニュースにも掲載され、
Facebook話題記事ランキングでベストテン入りした。
多くの方に関心をお寄せ頂き、有難うございます。

また今月11日には、
ニコニコ生放送のJapan In-depthチャンネルに出演。
テーマは
「子供たちの闇~今、子供の世界に何が起きているのか~川崎市中一殺害事件」。


・不良グループは昔と現在で変わってきているのか
・周囲の大人や教師、警察が助けることは出来なかったのか
・スクールサポーター制度やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとは
・川崎市の「ダイヤルSOS」について
・SNSの発展とネットいじめ、親からの見えにくさの関係
・移民への差別意識やシングルマザーの貧困
・加害少年の実名報道
・少年法の厳罰化
・子どもを守るために、社会やメディアが出来ること
 ……といった、多くの論点についてお話した。

なお、番組内で言及した
スクールサポーター制度やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーについて
ここで改めて整理しておこう。

スクールサポーター制度は警察官の再雇用制度でもあり、
警察OBたちが学校への訪問や助言、周辺パトロールなどを行う。
2002年に埼玉県警が全国で初めて同制度を開始し、
2014年時点で43都道府県に導入され、約800人が活動している。

今年1月には埼玉県内の中学校で、
電子タバコを吸っていた男子生徒が
注意した教師に暴行をし、
スクールサポーターがこの生徒を取り押さえて
警察に引き渡したという事案があった。

スクールカウンセラーは子どもの心のケアをする専門家で、
主に臨床心理士が務める。
学校現場に入ったのは 1995年からと、既に20年の歴史がある。
文科省が全国の小・中・高校に配備を進めている。 

スクールソーシャルワーカーは、
子どもの環境(主に家庭)に働きかける専門家。

文科省による学校への配備は2008年からと、割に最近だ。
ある小学校では、いじめをする児童が親からネグレクト(育児放棄)を
受けていることがわかり、
スクールソーシャルワーカーが学校や地元の子ども支援センターと連携しながら
親へのアドバイスや相談対応をして
事態の改善に努めた、というケースがあった。

このように、
スクールサポーター制度やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーは
きちんと機能すれば有効かと思われる。

ただ課題は、
いずれも勤務形態が基本的に非常勤であり、
複数の学校を掛け持ちするなど、勤務形態が安定しない点。
スクールソーシャルワーカーについても、
名古屋市が2014年に常勤採用を行ったのが全国初だ。

不登校やいじめ、非行、貧困など、
様々な問題を抱える子ども達に日々目を配るために、
こうした専門家たちが常勤出来るよう、
予算が工面されないものだろうか。


【参考文献】

1


大人が知らない ネットいじめの真実

Book




プロフ中毒ケータイ天国
 子どもの秘密がなくなる日




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