慶応大学で秋学期の講義がスタートした。
私が担当するのは「メディア特殊講義」。
もちろん、メディアリテラシーを教える。
今学期はキーワードを「多様性」とした。
私たちが暮らす社会には、
人種、性別、障がい、セクシュアリティといった面で
様々な立場の人がいる。
大手メディアが発信する情報は基本的に
「主流派」の人々(日本人で健常者で異性愛者)へ向けたものだが、
多様性への意識が欠けた社会は「少数派」の人々を生き辛くさせる。
無知は偏見につながるからだ。
誰もが人間らしく伸び伸びと生きられる社会にするために、
メディアに何が出来るか? これを学生たちに考えてほしい。
そのような社会を実現することは、
私にとってのライフ・ワークでもある。
初回の講義では、私がテレビ局時代に制作したドキュメンタリー
『イルカが癒す自閉症』 を見てもらった。
自閉症の男児が、国内の水族館でイルカセラピーを受ける過程を
追ったものである。
自閉症は「生まれつき」の脳障害で、500人に1人程度の割合で
発生するとされる身近なものだ。
作品では、自閉症の子どもがどのような言動をし、
親はどんな思いでいるか、といったことを伝える。
なお最近、講演に行く先々で
私の過去の作品を見てみたい、とお声掛け頂くことが増えた。
上映会の企画を希望される団体には、
出来るだけご協力したいと思う。
上映対象の作品としては、「自閉症」の他に
「いじめと少年法」「報道と人権(メディア・リテラシー)」がある。
詳しくはこちら。