2009年10月7日水曜日

多様性と自閉症

慶応大学で秋学期の講義がスタートした。
私が担当するのは「メディア特殊講義」。
もちろん、メディアリテラシーを教える。



今学期はキーワードを「多様性」とした。
私たちが暮らす社会には、
人種、性別、障がい、セクシュアリティといった面で
様々な立場の人がいる。
大手メディアが発信する情報は基本的に
「主流派」の人々(日本人で健常者で異性愛者)へ向けたものだが、
多様性への意識が欠けた社会は「少数派」の人々を生き辛くさせる。
無知は偏見につながるからだ。



誰もが人間らしく伸び伸びと生きられる社会にするために、
メディアに何が出来るか? これを学生たちに考えてほしい。
そのような社会を実現することは、
私にとってのライフ・ワークでもある。



初回の講義では、私がテレビ局時代に制作したドキュメンタリー
『イルカが癒す自閉症』 を見てもらった。
自閉症の男児が、国内の水族館でイルカセラピーを受ける過程を
追ったものである。
自閉症は「生まれつき」の脳障害で、500人に1人程度の割合で
発生するとされる身近なものだ。
作品では、自閉症の子どもがどのような言動をし、
親はどんな思いでいるか、といったことを伝える。



なお最近、講演に行く先々で
私の過去の作品を見てみたい、とお声掛け頂くことが増えた。
上映会の企画を希望される団体には、
出来るだけご協力したいと思う。
上映対象の作品としては、「自閉症」の他に
「いじめと少年法」「報道と人権(メディア・リテラシー)」がある。
詳しくはこちら。



2009年10月6日火曜日

■上映会 (自閉症、いじめと少年法、報道と人権)

これまでに制作・出演したTVドキュメンタリー作品(VHS)の
上映+ミニ講演。



*上映会に関する お問い合わせ



講演歴





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●自閉症への理解を深める
 上映:『イルカが癒す自閉症』(15分)
 +
 ミニ講演: ・伝えたかったメッセージ
         -自閉症は親の責任ではない
         -自閉症児の姿と親の思い
        ・取材の裏側
         -{障がい}をテーマにする難しさ    
         -取材対象として依頼するにあたり
         -取材者の思い



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●いじめと少年法を考える
 上映:『少年調書 ―16歳の自殺 遺族は何と闘ったか』
    (ANNテレメンタリー優秀賞、ラジオ版で民放連最優秀賞、30分)
 +
 ミニ講演: ・学校側の対応のあり方
        ・少年法の壁
        ・いじめ取材の裏側
        ・取材者の思い



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●報道と人権 (メディア・リテラシー)
 上映:『伝えたこと、伝えられなかったこと 
       ―ある記者のいじめ報道の軌跡』(30分)
 +
 ミニ講演: ・犯罪被害者の人権
        ・いじめ報道のあり方
        ・取材される側がメディアに言いたいこと
        ・取材する側のメディア・リテラシーの重要性



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2009年9月15日火曜日

海外の違法・有害サイト対策

1




2週間にわたる海外調査から帰国した。
日本ではいつの間にか政権交代が現実のものとなっており、
テレビニュースに登場する顔ぶれもすっかり変わり、
浦島太郎状態である。



さて、今回の調査テーマは
『有害サイトに対する情報モラル教育と規制のあり方の国際比較』。
まずはフィンランドの教育省を訪問し、
教育プログラムの策定を担当する方に話を聞いた。
フィンランドでは、ネット規制よりも「使い方」の教育に力を入れているという。子どもの自主性や判断力を伸ばそうとしている。
この国が、国際的な学力テスト(PISA)でトップを維持する理由が
わかったような気がした。



1_2




また、フィンランド最大のSNSを運営する企業へも
インタビューを行なった。
日本でいうmixiのようなサイトだが、発生するトラブルには
日本とは異なる点もある。
有害情報に対しても、独自の策を取っている。
ちなみに広報のお兄さんはなぜかヒッピースタイル。



この他、イギリスでは違法・有害サイト対策に特化した政府機関、
カナダでは児童ポルノ対策の現状などを調査した。
今回の調査は某メディア系財団が助成する共同研究で、
成果は年度末に論文にまとめる予定である。
日本の有害サイト・児童ポルノ対策のあり方について、
新しい提言をすることになるだろう。



2009年8月29日土曜日

不在のお知らせ

8月29日~9月11日は
大学の海外調査のため不在です。
この間に頂くご連絡への返信は
遅れる場合があります。



ちなみに研究テーマは
『有害サイトに対する情報モラル教育と規制のあり方の国際比較』。
特に今回は、【性的】サイトや児童ポルノへの対策に注目!
フィンランドとイギリス、カナダを訪ねます。



2009年8月24日月曜日

「テレビとの付き合い方」コメント&メディア・リテラシー講演

Photo_2 発売中の「日経キッズプラス10月号」で、
テレビとの付き合い方についてコメントしている。





「ドラマの暴力シーンや人を殺す場面など、



子どもの心への影響が心配です」



「現実の残酷なニュースが、子どもの心に影響を



与えないか心配です」



・・・という保護者の悩みに答える形式だ。



興味のある方はご一読を。




また先週末は、
盛岡青年会議所が主催するイベントにて
メディア・リテラシーをテーマに講演した。

このイベントは「つなげる」がキーワード。
午前の部は「市民と情報をつなげる力」として
私が担当し、
午後の部は「人とひととをつなげる力」として

杉並区立和田中学校校長の藤原和博氏が務められた。



講演後は主催者の方のご案内で
盛岡名物、わんこそばを初体験。
最初は楽しむ余裕があったが
だんだん、次から次へとそばを注がれるのが
苦行に思えてくる・・・。



女性の平均は約40杯らしい。
私は、65杯食べました。
その後はしばらく身動き出来なかったが。
下記の写真は、貴重な(?)シャッターチャンスを
収めたものであります↓



Morioka_wankosoba




2009年8月16日日曜日

『ネットいじめの真実』が道徳副教材に

Photo_2



すっかりご無沙汰してしまった。
ここ最近は全国での講演が集中し、
さらに大学での研究や単行本の執筆が佳境に入っているのだ。
孫の手も借りたい日々である。いないけど。





ところで、
拙著『大人が知らない ネットいじめの真実』
『中学校編 とっておきの道徳授業』(日本標準刊)
引用された。
学校が、『ネットいじめの真実』を使って
「ネットいじめ防止」の授業を実践する様子が
紹介されている。
生徒たちはネットいじめの悪質さに気づき、
「やってはいけない」と考えるようになったという。
現在、発売中。



また、東京書籍から発売される
来年度用の道徳副教材にも
『ネットいじめの真実』が引用される予定なので、
興味がある教員の方はチェック頂きたい。



ちなみに、先日の講演で福岡を訪れた際、
西日本新聞社と打ち合わせを行なった。
私が連載中のコラム『ケータイ時代の子どもたち』が、
読者に大変好評なのだという。
「子どもの現状があのようになっているとは知らなかった」
と衝撃を受ける大人からの反響が多いらしい。
評判が良いのは嬉しいが、
子どもたちの辛さをレポートするのは私としても辛く、
複雑な思いである。


追伸:海外調査のため、9月はほとんど不在です。





2009年7月13日月曜日

「となりの芝生」とネットいじめ講演

TBSドラマ「となりの芝生」が始まった。
姑・泉ピン子が、同居する嫁・瀬戸朝香をいびる物語。
脚本はもちろん、橋田壽賀子氏である。
33年前に放送した同名のドラマを
現代風の脚本にアレンジして再び放送するというのだから、
嫁姑問題は永遠のテーマなのだ。橋田氏にとって。



私にはこのドラマは、
姑の酷いいびりに苦しめられる可哀想な嫁、
という体裁をとっておきながら
その実は、橋田氏による
「『理想の嫁』教育ドラマ」に思えてならない。



瀬戸朝香は、姑に対して
バカ丁寧なくらいの敬語を使う。
夫に対してまで敬語で話す (夫は妻にタメ口である)。
家の中を毎日のように拭き掃除し、テレビを見ている姑や
新聞を読んでいる夫にお茶を出す
(夫が家事をする場面は全くない)。
瀬戸は、家事や子育てにうるさく口を出す姑への不満を
唯一気が許せる相手である自分の母にぶちまけるのだが、
逆に「嫁とはそういうものよ。あんたが『未熟』なのよ」と
諌められてしまう。
夫も姑の肩を持ち、姑と仲良くできないのは
瀬戸が悪いからだと責め立てる。



まさに「嫁かくあるべし」という
大正生まれの橋田氏からのメッセージを
ひしひしと感じる。



極めつけは、瀬戸に
「私はこの家に嫁に来た身ですから
(お義母さま何なりと言いつけて下さい)」
という台詞を言わせること。

あのですね、女性が結婚したら夫の家の戸籍に入る
という制度は、明治時代の旧民法下のものだ。
現在の民法では、結婚は「家」同士によるものではなく、
2人の「個人」が新しく戸籍を作るものと定められている
(だから「入籍」という言い方も誤り)。
よって、女性は結婚したとしても
「夫の家へ嫁に行った」わけではないのだ。
もちろん男性も、長男であっても自分の家から出て、
妻と新しい戸籍を作ることになっている。



上記のような誤った台詞をドラマに盛り込むと、
あたかもそれが正しいかのような誤解を
視聴者に与える恐れがある。
実際未だに、「ウチの娘は○○家に嫁ぎまして」
といった言い方をする人は多い。
このような誤解を
メディアを通して世間に浸透させた「立役者」は、
橋田氏と細木数子氏であると私は考えている。



そうそう、このドラマの公式HPには
視聴者が家族への不満を書き込む掲示板があるが、
姑と夫に対する嫁の本音で埋まっておりますな。








メディアとジェンダーの問題を知るには↓








オトナのメディア・リテラシー 
第二部 「そもそも、言葉づかいを疑おう」


著者:渡辺 真由子



オトナのメディア・リテラシー







ところで先日、
栃木県那須塩原市教育委員会主催の
講演会で、
「携帯・ネット犯罪の現状と大人の役割」について
お話した。
地元のPTAの方々などの問題意識が高いようで、
800人以上が参加された。

来週は1日おきに講演で全国各地へ飛ぶ、
尋常ならざるスケジュールである。
ローヤルゼリーのサプリメントを飲んで
頑張らせて頂きます。



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