2017年2月9日木曜日

『児童ポルノ規制の新たな展開』(博士論文)


『児童ポルノ規制の新たな展開』渡辺真由子著先日お話したように
このたび慶応義塾大学より博士号(政策・メディア)を授かった。

肝心の博士論文の題目はこちら:

『児童ポルノ規制の新たな展開
-創作物をめぐる国内制度の現状及び国際比較による課題-』

New Dimension of the Regulation of Child Pornography: Japan’s Current Legal System of Virtual Child Pornography and Issues in International Comparison

 本研究では、実在しない子どもを性的に描くマンガやアニメ、ゲーム等の表現物(「創作子どもポルノ」)の規制に関し、国際社会の枠組みとは日本の規制状況が取り組みを異にするという課題において、それらが一致していない要因に着目し、子どもの性に関する人権保護へ向け、国際規範との整合性を確保する上で必要な方向性を提示している。児童ポルノ規制をめぐる従来の主な研究が「表現の自由」の観点から議論されてきた中、本研究は「人権」の観点から新たな児童ポルノ規制のあり方を考える上での先駆的成果となることを目指したものである。

本研究の提言は、我が国における創作子どもポルノ規制の法整備のあり方にまで踏み込んでいる。今後は法整備の実現へ向け、立法関係者等からの要請があれば、本研究による知見を基に微力ながら貢献出来ればと考える。また、日本における創作子どもポルノ規制をめぐる事情は、本研究でも見たように、国際社会から高い関心を持たれている。本研究が明らかにした日本の視点の現状が、国際社会からの関心に応えるものであれば幸甚である。機会があれば国際機関等において、本研究の知見を広く共有し、子どもの性に関する人権を世界レベルで保護するために、我が国に求められる規制のあり方を議論したい。

折しも2020年に東京オリンピック・パラリンピックを控え、日本の漫画やアニメを海外に発信する「クール・ジャパン戦略」が政府を筆頭に推進される中、我が国には今こそ、創作子どもポルノ規制において国際規範に沿った人権感覚を適用することが望まれる。

この論文の要約については、こちらでお求め頂けます。

【謝辞】
本博士論文の研究・執筆にあたっては、下記の方々から熱意ある丁寧なご指導を頂いた。
ここに改めて感謝の意を表します:

<主査>
新保史生
<副査>
加藤文俊
岡部正勝
菅谷実

(敬称略)



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