ベネッセが発行する進研ゼミ高1講座の教材『My Vision』12月号で、
「生まれ変わるとしたら男と女どっちがいい?」という特集が組まれた。
私もコメントしている。
高1会員を対象としたアンケートによれば、
「男がいい」は58.3%、「女がいい」は41.7%。
高校生の頃から「女性は損」という考え方が染みついているとすれば
残念な結果である。
これに対し、
女性代表として私が以下のようにコメント
(男性代表は京都大学大学院の伊藤公雄教授)。
ちなみに進研ゼミといえば、
地方公立出身で塾ギライの私は
散々お世話になった記憶がある……。
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進研ゼミ高1My Vision:「生まれ変わるなら男?女?」
<質問1>現代の社会では、いまだに「男性優位」の風潮を感じる場面も多くあると思います。このことについてどのようなご意見をお持ちでしょうか? またそれはどんな場面でしょうか。
「女性が強くなった」と巷では言われますが、現実はまだまだ男性優位の社会です。例えば、デートDV(交際相手からの暴力や精神的支配)の被害経験がある高校生は女子が33%で、男子より10%以上も多いことがわかりました(NPO法人「ウィメンズネット・こうべ」調べ、2011)。「女は男に従うもの」「愛があれば女を殴ってもいい」等の誤った思い込みが、若い男女の間にも浸透しているのです。
<質問2>これからの時代、女性が果たす役割や、活躍できる場はどのように変化していくと思われますか?
世の中の半分は女性なので、「同性のニーズ」を汲み取ることが出来る女性は重宝されます。東日本大震災では、避難所のリーダーが男性ばかりだったため、女性の必要とする物資が届かなかったという反省点がありました。今後は災害現場や、女性に役立つ情報を伝えるメディア、性犯罪被害の相談窓口など、同性のために活躍することを期待される場が広がっていくでしょう。
<質問3>女性ならではの強みとはどのようなものだと思われますか?
総理大臣は常に男性、政治家も9割は男性というこの国で、女性は「マイノリティ(社会的少数派)」と呼ばれる存在です。権力を持ちにくいからこそ、同様に弱い立場である障害者や高齢者、子どもの気持ちに寄り添えることが強みです。弱者へ配慮する眼差しは、「誰もが生きやすい社会」を作っていく上で非常に重要です。
<質問4>男女差はなくなるべき、もしくは男女それぞれの強みを生かしていくべき、どちらのご意見をお持ちでしょうか。またそれを実現するために我々はどのような意識を持つべきだと思われますか?
女だから、男だからという理由で、人生の選択肢が狭められてはいけません。「やりたいこと」をやれる機会は、男女同等に与えられるべきです。その機会をつかんだら、男女それぞれが自分の個性や才能を存分に生かしてほしいと思います。そのためには企業や保護者が意識を変えることが必要です。例えば就職活動では、女性の方が試験の成績が良いにも関わらず、「出産したら辞めるだろうから」と落とされるケースが目立ちます。出産後も仕事を続けられる環境を企業が整えなければ、女性たちは子どもを産む気がなくなり、少子化が進む恐れがあります。また保護者も、「女の幸せは結婚」「男は一家の大黒柱であるべき」等の偏った価値観を我が子に押し付けていないか、振り返ってみましょう。
<質問5>「生まれ変わるなら男性派」の高校生に向けたアドバイスをいただければ幸いです
「男性の方が生きていく上で有利」と思いがちですが、実は男性ならではの「生きづらさ」というものがあります。「男なら有名大学に進んで、大企業に入ってバリバリ稼ぐのが当然」と思われているだけに、そのルートから外れてしまった男性は「負け組」の烙印を押されがちなのです。周囲からのプレッシャーに耐えかねて家から出られなくなる男性も多く、「ひきこもり」の7割は男性が占めているのが実態です(東京都調べ、2008)。「男らしさ」にとらわれるのではなく、「自分らしく」生きるためにはどうすればいいかを考えてみましょう。
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参考文献:『性情報リテラシー』
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