というのも、私が学長を務める銀座MAYUMEDIAカレッジ(Mカレ)の卒業生の方が、講話を担当するからである。
登壇したのは、性情報リテラシー教育協会認定アドバイザーの屋慶名美和さん(フリーライター・CAPスペシャリスト)。
若年妊娠やネットを介した性暴力、性搾取など、子どもたちが犠牲になる現状への危機感から、「性情報リテラシー教育」の重要性を感じ、Mカレで学んだ方だ。
講話は、屋慶名さんが開発した、小学校6年生向けの性情報リテラシー教育教材の紹介。
教材のテーマは、「スマホデビューの前に~思春期のこころとからだの守り方~」。
・SNSによるグルーミング等にだまされないために
・自分を守るツールとして「法律」を知る
・「助けて」と言いあえる社会を作る
……といった狙いを持つ、具体的な教材が紹介された。
これらの内容は、性教育の世界基準とされるユネスコ『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』にも基づいている。
会場の学校教員や産婦人科医、大学教員からは、「これは小6には難しいのでは」「まだ早いのではないか」といった声が上がる一方、「国際スタンダードはもうこのレベルなのだから、日本の教員たちも、性教育でメディア・リテラシーを伝える実践に取り組むべきだ」との指摘もなされた。
元学校教員のMカレ受講生によると、「性教育をめぐっては、学校現場の状況と、デジタル時代ならではのニーズとの間に格差がある」という。
「教員が新しい実践をやりたくても、管理職をどう説得するかが大変。国が『ここまで突っ込んでいい』というガイドラインを作ると、現場の教員たちも動きやすいのでは」
実は文部科学省の学習指導要領には、中学・高校生を対象として、「性情報への対処」を教えよという記述が既にある。
今後は、それを現場レベルで、より広い年代の子どもに実践できるよう、具体的なガイドラインに落とし込んでいく必要があるのではないか。Mカレで開発されている数々の教材も参考になるかもしれません。
☆この講話は、毎日新聞でも紹介されている
【参考文献】
『性情報リテラシー』(渡辺真由子著)
・Amazon Kindle版
・PDF版
☆性情報リテラシー教育をオンラインで学ぶ
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