(新聞連載)
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この女性と、最後までいけるかどうか。いざ誘う段階になると、相手の「OKサイン」を見極めようと、男子は様々に深読みをするようだ。
ヒロト(仮名・22歳)は関西出身で、難関私立大学の文学部4年生。周囲からは「性豪」と呼ばれる。彼女はいるが、他にも数々の女の子と一晩だけの関係を繰り返してきたという。特に美形というわけではないものの、垂れ気味の目と少々ふっくらした体つきが愛嬌をかもし出す。卒業後はテレビ局でバラエティ番組を制作することを希望し、民放への就職が決まっている。
合コンで知り合った女の子とデートするとき、まず相手の服装をチェックする。「露出度が高い服を着ている場合は、『あ、こいつやる気かな』という目で見ちゃいますね。こっちが欲情してその気になります。雑誌にもそう書いてあったし」
マサユキ(関連情報)も持論を熱く語る。「だって露出する必要がないでしょう。服を着て街を歩く以上、そこには公共性がある。だから露出が高い服を着て、その気があると思われるのは、申し訳ないが当然かなと」
誘いを断られて、傷つきたくない。そんな思いもあってか、「女性のOKサインをいかに見抜くか」は男性誌の永遠のテーマだ。40年近く前の男性週刊誌に、「女性の言葉、行動、目の輝きで分かる突撃の合図!」という特集が早くも登場している。なかでも、ミニスカートや胸の開いた服装は「大いに期待できるサイン」と指南されてきた。
女性の考えはどうか。「露出に深い意味はないなー。好きな服を着ているだけじゃん」とバッサリ斬るのはキョウコ(関連情報)。「露出イコールその気があるとは、つながらないと思う」と否定する。だが男性に誤解を与えないよう、着るものには気をつけている。
「私は肩を出す服装が好きなんですけど、夜遅い時間に外を歩かなければならないときは、1枚はおるものを持っていきます。男友達と2人でドライブに行くときも、ミニスカートを履きたければ膝掛けを用意しますね。露出で誘っていると思われたら困るし」
私が大学生の女男を対象に実施したアンケート調査によれば、露出が高い服を「OKサイン」と考える男子は21%に上る。ところが、自分の露出にそのような意味を込める女子は4%に過ぎない。
女性がどのような服を着るかは「好み」による部分も大きい。脚線美が自慢ならミニスカートを履きたくもなるが、必ずしも挑発しているわけではない。露出した肌を「見せびらかす」ことと、実際に「触らせる」ことには、雲泥の差があるためだ。
だが、このような心理は男性向けメディアにはわかりにくいと見える。痴漢の被害に遭った女性を、「露出する服を着ていたのが悪い」と逆に責める風潮すらある。勝手な誤解が、女子から服装の自由を奪う。
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